【レバテック新社長インタビュー】日本のIT人材不足解消に向け、挑戦と変革を続けていく

新卒

ひと

2021年8月1日、レバテックの新・代表執行役社長に高橋さんが就任しました。レバテックは2017年8月にレバレジーズから分社化した会社で、IT人材支援やエンジニアの育成・技術向上などに積極的に取り組み、IT人材の不足が深刻化している日本社会への貢献に務めています。社長就任に際しての意気込みを聞きました。(聞き手:名井)

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Profile
  • 高橋(Takahashi)
    レバテック株式会社 代表執行役社長

    大阪大学を卒業後、2014年にレバレジーズに入社。新卒2年目で大阪支店を立ち上げ、3年で20名超えの組織に。その後、支店統括として国内4支店の立ち上げでリサーチと戦略策定を担当。国内でのミッションを遂行する中、インド支店でエンジニア紹介を立ち上げる。2019年にレバテック ITソリューション事業部部長に就任し、「レバテックフリーランス」の戦略立案や経営管理に従事。2021年8月より現職。


IT人材不足に向き合う「レバテック」

社長就任の現在の気持ちを教えてください。

今回の話をいただいたのは9ヶ月前になりますが、当時全く予想もしていなかったので驚きました。でもこの立場だからこそできることもありますし、「レバテック」を通じて世の中で実現させたいことがたくさんあるので、今はとてもワクワクしています。

 

業界に対する影響力はまだ小さいですが、ここから「『レバテック』は世の中に欠かせない」と言われるまでサービス価値を高めていきたいですし、そのための事業作りをしていきたいですね。


 

IT業界に対する課題や、現状認識について教えてください。

国内のIT人材不足は深刻で、企業がDXを進めようにも進められていないのが現状です。「GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)」のようなWebサービスを作ろうにも、そのレベルに達するエンジニアが国内の人材市場に少ないですし、そもそも人員も足りていない。これが今日本に起きている大きな問題です。

 

その解決方法として、大きく2つの取り手があると「レバテック」では考えています。

1.供給量を上げる

・エンジニアやクリエイターになる人の数を増やす

・エンジニアやクリエイターが長期的に働ける環境を整備する

2.一人当たりの生産性を上げる

・個々の技術力を上げる

・最適配置により個々人のパフォーマンスを上げる

1つ目の【供給量を上げる】については、新卒向けのプログラミングスクールや就活支援サービスを行うことで、エンジニアやクリエイターを目指す人たちのサポートをしています。一方で、エンジニアやクリエイターになった人たちが長期的に安心して働ける環境の整備も必要です。ここについても今後新たなサービスを始めていきたいですね。

 

2つ目の【一人当たりの生産性を上げる】ですが、エンジニアやクリエイターの働き方の自由度や雇用の流動性を高め、人材の最適配置を促す(生産性の高い人材を成長企業・産業に移動させるなど)ことで、国全体の生産性も高めていけると考えています。

現在「レバテック」では、週2,3日勤務やリモートなどフリーランス向けの案件を増やしています。2021年2月には「ITフリーランス支援機構」を立ち上げ、フリーランスが働きやすい環境の整備にも力を入れています。

 

www.aitf.or.jp

 

フリーランスの活用は、市場インパクトこそ小さいものの、即効性があるので注力すべき領域だと感じています。

その他にも、勉強会やカンファレンスの開催、メディアによる情報提供などを通じて、個々人の技術力向上支援や、即戦力人材の転職支援、スカウトによる潜在層向けのアプローチなども行っています。

変化を恐れない改革精神

社長就任後の初年度となる今期、どんな取り組みをしていくのでしょうか。

現在エージェントサービスとして機能している「レバテック」のプラットフォーム化を進めていきます。エンジニアやクリエイターを探している企業が人材の採用から入社後の活躍状況の管理ができ、求職者側も「レバテック」に登録することで、求人の閲覧や企業からのスカウトが受けられるようになります。

 

将来的な理想は「職にまつわることは『レバテック』で完結できる」状態です。「レバテック」にアクセスすれば職に関する全ての情報を得ることができ、ユーザー同士のコミュニティや横の繋がりもできる。サービスに登録さえしておけば企業からのスカウトも来るし、実際にいざ転職しようと思ったらキャリアアドバイザーに相談ができる。さらに、就職した後のサポートも手厚い。

 

これからの「レバテック」はそんな職に関する総合的なサービスを目指していきます。その前段階として、初年度はIT化を目標に置いています。

 

「レバテック」だからこそ提供できる価値をどのように感じていますか。

「レバテック」はこれまで「人の強さ」を前面に出した事業展開をしてきました。人材支援においては、人を介することでしか出せない価値があります。例えば求職者が求人を探す時、 サービスに掲載されている求人情報だけでは無機質なものに感じますよね。でもそれをキャリアアドバイザーが伝えると魅力的なものに映ることもあります。

 

「レバテック」の強みである「人」を基調にしたモデル(エージェント)に、ITを組み合わたハイブリッドなサービスを目指したいです。

 

これから改革を進めていく中で、社員に求めることはありますか。

特に伝えたいことは、「変化することを恐れないでください」ということです。これからIT化を進めていく中で、既存のやり方を一気に変えていかないといけないタイミングがあります。当然、新たな業務フローやプラスαのタスクも発生してくるでしょう。

 

その時に意識してほしいことが、今目の前で起きている変化は「何のために起きているのか」ということです。私たちの最終的なゴールは顧客満足度を上げることであり、今はその目標へ向かって、システムやサービスの仕組みを変えていっている最中です。だからこそ、日々の仕事が組織の大きな目的に合っているか、目標により近づくためにはどうすれば良いかなど、常に考えながら仕事に取り組んでほしいと思います。

 

「一般的な外資系企業」と「日系企業」の変化のスピードを比べると外資系の方が3〜4倍も速く、さらに「一般的な外資系企業」と「GAFA」を比較すると「GAFA」の方がその3~4倍も早いそうです。 つまり、僕たちが「GAFA」に追いつこうと思ったら、変化のスピードを10倍にしていかないと勝てないのです。

 

人間は性質上、変化をしたがらない生き物。一度でも止まると変化を恐れるようになってしまいます。しかし変化を常の状態にすれば、そこに抵抗心が生まれるようなります。変化することが当たり前の状態になるよう、日々意識して行動していってもらいたいです。

IT・地方・海外を視野に事業を拡大

今後の計画や目標を教えてください。

今後は前述した「IT化」の他に、「地方」と「海外」をキーワードに事業を拡大していきます。

 

1. IT化
仕事探しのナンバーワン・プラットフォームを目指します。規模はもちろん、ユーザー体験や満足度も日本一の水準を求めていきます。

 

2. 地方
コロナ禍でエンジニアやクリエイターの働き方も大きく変わりました。これまで上位数%のごく僅かな人材だけが、東京の企業からリモートで仕事を受けることができていました。しかし今やリモートで勝負するのが当たり前になり、この流れは一定続いていくでしょう。

東京(都市部)の案件は、最新技術を使っていたり、案件も幅広いのでエンジニアやクリエイターの方々から高い人気があります。こういった仕事を、地方に住んでいる人や、今後U・Iターンを考えている人が、安定的に受け続けられる仕組みを整える必要があると思っています。他にも、省庁や地方自治体に向けたIT人材支援もしていきたいです。

 

3. 海外
僕自身の社会人目標として「世界に通用するサービスを作りたい」という思いがあります。プラットフォーム化させたサービスを各国で展開していきたいですね。

 

3つの戦略を進めていく中、組織についてはどんな変化を起こしていくのでしょうか。

リーダー育成の仕組みを整えていきたいと思っています。「レバテック」では新卒や若手社員の成長が著しく、マネジメントを任せられる人が増え、裁量を渡すサイクルも年々早くなってきています。彼らが長期的に成長していける教育環境づくりに今まさに取り組んでいます。

 

また組織が拡大し分業が進んでいく中、施策の目的や顧客の顔が見えずらくなっているので、そういった部分を社内に還元する仕組みを今構築しているところです。

 

最後に、社員やこれから一緒に働く人たちに向けてメッセージをお願いします。

事業成長に合わせて組織も大きくなってきたので、動きにくさを感じている人も中には正直いると思います。僕もこの組織で長く働いてきたので、その温度感は肌で感じているところです。ですが、だからといって現状に甘んじていては、自分はもちろん、組織も成長できません。自分から変化を起こすことを躊躇わないでほしいです。

 

そこで失敗しても問題ないし、むしろ僕は「失敗をたくさんしてきた」からこそ、今があると思っています。それに例え失敗してしまったとしても、責任は僕が取るので心配しないでください。


そして、もしかしたら社員の中には「レバテックはもう充分に大きくなった」と考えている人がいるかもしれません。たしかに業界での存在感は、以前と比べ遥かに大きなものになりました。

 

ですが、だからこそ「レバテック」というサービスを通じて世の中にどんな価値提供をしていくのか。このIT人材不足という未曾有の事態に対して僕たちは何を為していくべきなのか。そういったことを今まで以上に考えていかなければいけませんし、僕たち自身ももっと変わっていく必要があります。

 

現状に満足することなく、社員一丸となって「レバテックをより良いものへ変えていきたい」。そんな前向きな想いを持ってくれている人たちと一緒に、これからも会社を大きくしていきたいです。

 



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