「完璧なリーダー」になりたかった私が、マネジメントの失敗から学んだこと。

新卒セールス

ひと

連載:私のしくじり解体新書 本企画では、レバレジーズで働くさまざまな人を取材し、これまでの仕事における失敗体験(しくじり)を切り口に、問題への向き合い方や現在に生きる教訓などから、普段の姿だけでは分からない人間的な成長にスポットを当てます。

今回は、レバテック事業部でグループマネージャーを務める、小池さんに取材しました。新卒で法人営業からキャリアをスタートさせ、わずか5年目にして70名あまりをマネジメントしている小池さん。そんな凄腕マネージャーである彼女にも、過去のしくじりエピソードがあるそうです。これからマネージャーを目指す方にとっても、既にマネジメントをされている方にとっても、何事にもストイックに取り組んできた小池さんの価値観からは学べることが多くあると思います。ぜひ最後までお読みください。(聞き手:杉江)

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Profile
  • 小池(Koike)
    レバテック株式会社 レバテック事業部 グループマネージャー

    慶應義塾大学経済学部卒業、2017年新卒入社。入社後は「レバテック」株式会社に配属され、法人向けの人材コンサルティング業務に従事。入社時より、組織の営業施策立案や、IT企業向けのイベントプラットフォーム「ヒカラボ」の運営など営業業務を越えて幅広く取り組んでいる。また現在はクリエイター領域のグループマネージャーと、フォロワーグループの責任者を兼任している。

リーダー未経験から、入社5年で70名を束ねるマネージャーに

小池さんが入社されてからの、キャリアについて教えてください

入社後は、IT専門職の人材プラットフォームであるレバテック事業部へ配属され、法人営業をしていました。 新卒2年目からリーダーを任せてもらい、3年目の秋からは、グループリーダーとして、法人営業とキャリアコンサルタントの所属する営業グループを統括していました。

 

今年の5月からはグループマネージャーに就任し、営業グループ2つとフォロー(※)を合わせた3つのグループをマネジメントしています。最初にリーダーになった時のメンバーは2名だったんですけど、今では70名近くまで増えました

 

※フォロー:取引先企業のプロジェクトに参画している、エンジニアやクリエイターにレバテックのサービスをより長く継続して利用していただくため、定期的に連絡をとり、業務を行う上での不安や悩みを解消することがメインの業務

 

70名ですか、かなり多いですね…(笑)。学生時代に何かリーダー経験があったんですか?

いえ、入社するまで何かのリーダーになったことは1度もありませんでした。マネージャーに就いてから、ひたすら手探りでマネジメントを学んでいった感じです。

 

正直70名くらいの大人数になると、リーダー経験があってもなくても大変ですからね(笑)。マネジメント経験の有無はあまり関係ないのかなと思います。

 

それに私の場合は、「こういうリーダーでありたい」という理想が高かったため、それができない現実とのギャップに苦労したこともありました。

 

なるほど。27歳という若さで大人数の部下を持つことに、不安などはなかったですか?

不安は特にありませんでした。ただ、グループリーダーになってからが大変でしたね。

 

キャリアコンサルタントに法人営業、フォローと、複数のグループを統括していく必要があったんですけど、私は法人営業しか経験していなかったので、他の職種の業務内容が全く分からなかったんですよ(笑)。

 

普段何をやっているか分からない人を、マネジメントなんてできないですよね。なので、求職者とのカウンセリングに同席させてもらったり、他のユニットのリーダーに業務内容をヒアリングさせてもらったりして、必死にインプットしていきました。

 

まさに手探りですね(笑)。一般的に、1人でマネジメントするには5~7人が理想的だと言われていますが…。小池さんはどうでしたか?

 

各個人の進捗管理と、キャリアの育成まできっちりサポートしようとすると、私も5〜6人が限界かなと思います。

 

実際に、私がグループリーダーになって11人をマネジメントしていたときはかなりキツかったです。日々の業務管理から人事評価、モチベーションの管理まで全てを行っていたので、毎日夜遅くまで働いていたのを覚えています。

 

思い返すとこの時は、自分の下を育てて仕事を回していける状態にすることに、とにかく必死でした。

 

それまでの私は、部下に仕事を任せるのがあまり上手じゃなかったんですよ。「自分でやる方が早い!」と思ってしまっていて(笑)。

 

でもそれだとメンバーも成長できないし、自分自身も新しい仕事に挑戦する余裕ができないんですよね。そのことに気付いてからは、仕事を振るときは「任せきる」ことを意識するようになりました。

 

自分でちゃんと考えて仕事をしないと、本人も成長できないですから。責任はきっちり私が取るから、とにかくやってみて!というスタンスで今はやっています。

 

「何も分かっていない」号泣されて気付いた、マネジメントの失敗

姉御肌ですね。私も小池さんのメンバーにしてもらいたくなりました(笑)。今まで順調にマネジメントをされてきたような印象を受けましたが、失敗とかってありましたか?

 

もちろんありましたよ!自分の中で印象的だったのは、ある女性メンバーとの1on1で「小池さんは私のことを何も分かってない」と号泣されたことです。

 

それまで何度かぶつかることもありましたが、粘り強くフィードバックを続けていけばいつかきっと理解してくれると思っていたんです。なので、正直ハッとさせられました。

今までの話から、小池さんが常に本気でメンバーとぶつかってきたことが伝わりましたが…。その女性メンバーには上手く伝わっていなかったということでしょうか? 

 

うーん、私の思いが伝わっていなかったというよりも、彼女のことをきちんと理解してあげれていなかったんだと思います。

と、言いますと? 

 

発言の意図や背景など、その裏にある彼女の気持ちをきちんと汲み取れていなかったのかなと。

フィードバックをするときも、「自分が彼女の立場だったらこう思うから、こういうフィードバックが良いだろう」みたいに、自分に当てはめて考えてしまっていたんですよね。

 

無意識のうちに、過去の自身の成功例を相手に押し付けてしまっていたんです。相手のことを考えていたつもりで、考えられていなかった。

 

「何も分かっていない」という一言で、自分にとって良いことが、同じように彼女にとっても良いとは限らないと気付けました。

 

なるほど。小池さんが真剣に向き合おうとしている分、すれ違いが大きくなってしまったのかもしれませんね。 

 

そうかもしれません。でも、ここでちゃんとぶつかれたのは、お互いにとって良かったと今では思います。彼女の本当の気持ちを知れてからは、相手を理解することを強く意識するようになりましたし。

 

コミュニケーション量を増やすのはもちろんですが、日々の発言や行動を今まで以上に細かく見るようにして、メンバーの行動や発言の背景を徹底的に考えるようになりました。

発言や行動を観察していく中で、何か見えてくるものがあったんですか? 

 

彼女の場合は「自己肯定感があまり高くない」ことが分かりました。私は自己肯定感が元々高いタイプで、「ここを目指したい」と思ったらそれを自分が「達成する」ことに対して、あまり不安や心配がなかったんです。

でもそれは私の話であって、彼女は違いました。

 

「自分が立てた目標を達成できるか分からない。目標は高く設定したいけど、越えられなかったら嫌だ。」みたいな感じで、自分には無かったモヤモヤを抱えていることに気付きました。

自分が普段抱かない感情だと、他人の思っていることって分かりづらかったりしますよね。そこからどうやって改善していかれたんですか? 

 

「私があなたをフォローするから、一緒に目標を追っていこう」という私の気持ちが、言葉だけでなく行動で伝わるように、とことん向き合いました。

 

本当に小さいことの積み重ねで、例えば、少しでも良いところを見つけたらちゃんと承認する、とかは分かりやすいですね。

 

他の人と比較するのではなく、その子自身の成長をきちんと見つけてあげる。このことが、メンバーの自信に繋がっていくと思ったからです。

 

あとは、こちら側から積極的にコミュニケーションをとることで、「私はあなたの頑張りをちゃんと見てるよ」という気持ちが伝わるようにもしていました。

 

そうして徐々にではありますが、メンバーが安心して仕事ができる環境を整えられたことで、自然と良い関係性が築けていったんだと思います。

 

 

メンバーの成長を支え、事業の成長を牽引する

ちょっと疑問に思ったんですが、小池さんはプレイヤーとして営業をしながら、マネジメントもされてきたんですよね?ご自身の数字も追わなくてはいけない中で、そこまでメンバーにコミットできたのはなぜでしょう?

 

端的にいうと、それが仕事だからです。事業部全体を良くしていくことだったり、より良いサービスを提供することを考えたときに、メンバーの成長は必要不可欠なんですよね。

 

仕事を任せられる部下ができないと、マネージャー陣はずっと同じ業務をし続けなくてはいけませんから。なのでリーダーという立場にいる以上、メンバー1人ひとりのパフォーマンスを最大化させて、引き上げていくことは私のミッションであり、そのために努力するのは当たり前なんです(笑)。

 

今はマネジメントに集中していますが、プレイヤーに重きを置いて営業をしていた当時も同じように考えてメンバーと接していました。

それを当たり前と思えていることが、小池さんが早くから昇進された理由な気がしてきました。小池さんが今までしてきたマネジメントに関する失敗から、得た学びは何でしょうか? 

 

これは2つありますね。1つは、「リーダーだって、失敗する」ということ。

 

私は、少し完璧主義な部分があるので、自分のリーダー像に拘ってしまっていたんです。「こうあるべき」に囚われて、理想通りにいかない自分に苦しんでいました。

 

でもリーダーだって失敗するし、そこを気負う必要はないと今では思えています。代表の岩槻も「リーダーも失敗するからね」と言っていましたから(笑)。

 

そして2つ目は、「自分の過去の経験に囚われてはいけない」ということです。人ってどうしても、自分の成功体験が強く記憶に残ってしまいますよね。でも、それに引きずられていてはダメなんです。

 

色々なことにゼロベースで向き合って、常に新しい知識や価値観を吸収していく。この姿勢を持たないことには、メンバーともちゃんと向き合うことができないですし、信頼関係も築いていくことはできないと学びました。

最後に、これからリーダーになりたいと思っている方や若手リーダーの方に向けて、何かアドバイスをお願いします。 

 

自分の理想のチーム像がどんなものなのか。これを言語化して、チーム内で共有していくと良いと思います。

 

メンバーそれぞれの強みを最大限発揮して、チームとしての成果に繋げていくことがリーダーの仕事です。そのためには、自分のビジョンをちゃんと明示して、メンバーに納得してもらうことが本当に大事です。

 

そしてチームの目指す方向が決まったら、あとはサポートに徹してください。コミュニケーションを積極的にとることで、メンバーの心理的安全を確保し、みんなが仕事をしやすい環境をつくるのも上司の仕事です。

 

上司が言わないとなかなか話しづらかったりするので、自分からプライベートな話をどんどんするのもオススメですよ。

 


 

小池さん、ありがとうございました!

最後に

 

27歳という若さを感じさせない、芯の強さや責任感の強さ。これがあるからこそ、大きな仕事を任されるし、大きな仕事を任されることが、更なる自身の成長に繋がっているんだと強く感じました。十人十色のマネジメント方法があると思いますが、自分にあったやり方を早く見つけるためには、先輩の背中で学ぶのが1番です。リーダーを目指している方も、既にマネージャー職に就いている方も、ぜひご自身の価値観と照らし合わせてみてください。新たな発見があるかもしれません。

 

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