働きたいだれもが就職できる社会を目指す「ハタラクティブ」
事業 / サービス
「一人でも多くの人が未来に希望を持てる社会の実現」をミッションに掲げ、2012年にスタートした「ハタラクティブ」。フリーター・既卒・第二新卒など就業経験の浅い若年層に特化した就職支援事業を展開しています。なぜレバレジーズが若年層を支援するのか。その意義を、事業責任者の後藤さんに聞きました。(聞き手:岡)
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後藤(Goto)
ヒューマンキャピタル事業部 「ハタラクティブ」事業責任者大手ゼネコンを経て、2012年にレバレジーズへ中途入社。現在は「ハタラクティブ」と障がい者の就労支援サービス「ワークリア」を統括するほか、営業システムの構築や教育制度設計、高校生や企業に向けたセミナー開催など、幅広い業務を担当している。趣味はゴルフ。
就職のイロハを伝授する若年層向け就職支援
「ハタラクティブ」とはどんなサービスですか?
フリーターや既卒などの正社員未経験者や、就労経験の浅い第二新卒向けの就職・転職支援サービスです。「一人でも多くの人が未来に希望を持てる社会の実現」をミッションに、2012年にサービスをスタートさせ、これまで17万人以上の就職を支援してきました。登録者のボリュームゾーンは20代を中心とした若年層で、学歴や職歴にかかわらず幅広くご利用いただいています。
登録者の特徴は、就労経験がまったく無い、または浅いという点です。利用者の「ハタラクティブ」への登録理由はさまざまですが、「就職活動が上手く行かず困って利用する」ケースが多いです。「自分が何をしたいのか分からない」「自分に向いている仕事が分からない」などの理由から就職活動が前進していない方や、中には数年間に渡り就職活動に悩んでいる方もいらっしゃいます。また、同窓会などの集まりやアルバイト仲間の就職報告などで、刺激を受けたというフリーターの方も多いです。
長らく就職活動をしている方の就職支援は難しくないのでしょうか?
就職活動が上手く行かない本質は、自己理解が十分に出来ていないことにあると考えています。Web上の膨大な情報から自分に合った企業をたった一人で取捨選択することは、誰にとっても簡単なことではありません。自分が何ができて、何ができないのか。何がやりたくて、何がやりたくないのか。これまでの仕事の経験が浅い方や就職活動が上手くいかなかった方も、自己を理解することで就職活動が成功に向かうと考えています。
ハタラクティブでは若年層の仕事選びをどのように支援しているのですか?
まずはキャリアドバイザーによるカウンセリングを受けていただきます。1時間半ほどのカウンセリングで、これまでの経歴や希望する仕事、現在の就職活動の状況や課題、「ハタラクティブ」に登録した目的などをヒアリングします。それらの情報を基に本人の思考を可視化し、どのようにすれば就職が実現するかを考えて提示していきます。
カウンセリング後には、見本となる履歴書のサンプルや、数多くの支援実績を基に「ハタラクティブ」が独自に作成した面接対策の資料をお渡しします。また模擬面接などの実践型の支援も手厚く行っています。加えて、面接での受け答えにとどまらず、スーツの着こなしや髪型まで細かくアドバイスしています。
フリーターや第二新卒といった若年層と向き合う上で、意識しているポイントを教えてください。
まずは伝え方ですね。社会人経験が少ないということは、それだけ伸びしろが大きいということ。現状のスキルセットだけでキャリアを考えるのではなく、時には本人の視野をぐんと広げることが必要なケースもあります。そして、視野の広げ方やその提案をしっかりと本人の中で腹落ちできるよう、伝え方には十分気を付けています。
そのためキャリアアドバイザーには、実務を通じたOJTだけでなく、キャリアコンサルタントの資格取得訓練もすることで体系的なキャリアカウンセリングの知識・スキルの習得を求めています。そうすることで求職者との向き合い方を学んだり、分かりやすい求人票を作ったりできるようになってもらいます。より良いカウンセリングが実現できるよう、伝える側のスキルアップに励んでいます。
次にスピードです。登録者の多くは就職活動への悩みや不安を抱えていますし、「親に言われて来た」など就職活動を前向きに捉えきれていない方もいます。また就職活動は、面接のための時間や交通費など求職者にとって負担が大きいです。そのため、少しでもその負担を軽減できるように、早期に就職先を決められるよう心がけています。登録からカウンセリングまでは2日ほど、カウンセリングから就職先が決まるまでも平均して2週間ほどです。徹底してチームの業務を効率化してキャリアアドバイザーが求職者とのコミュニケーションに集中できる体制を作っています。
求職者と企業、双方が納得できる就職をサポート
求職者に対してどのような価値を提供しているのですか?
「正社員として安定した収入を得てもらう」ことに尽きます。もちろん働き方は誰かに強制されるものではありませんが、少なくとも統計データの上では、正社員として就業した方がそうでない場合より多くの収入を得ることができます。若者の収入が増えるということは社会全体として未来に使うことができるお金が増え、日本経済の成長につながり、私たちが作り出そうとしている「未来に希望を持てる社会」の実現につながると考えています。そして情報が溢れている今の時代だからこそ、本当に一人ひとりにあったキャリアを築いていくために、画一的なサービスではなくその人に向き合ったサポートを行うことが私たちの役割だと考えています。
企業に対してはどうですか?
企業に対しては、やはり人不足の解消という形の価値提供を目指しています。ポテンシャル層の採用というと日本においてはまだ新卒採用を中心に考える企業が多いですが、新卒採用においては2社に1社は採用予算が充足されておらず、会社規模によってはそれ以上に厳しいのが現状です。採用予算をどれだけ確保できるか、会社のブランドが確立されているかといった違いにより、比較的採用がうまくいっている大企業とそうでない中小企業とで二極化しています。
一方、新卒社員は入社後3年以内に30%が離職しており、入社前後のギャップの存在は今なお解決されていません。そのギャップを埋めるために各社の人事に代わって企業の実情を語り、企業の魅力を伝えるのがエージェントしての私たちの務めになります。
私自身、「自分たちが誠実でなければ、自分たちがこの事業をやる意味がない」「正しくあることが大事だ」という話を常にメンバーに対してしています。求職者や企業に提供する情報は正確に伝達し、納得感を持ってもらった上で就職を決めて、受け入れてもらう。これが、私たちが求職者と企業の間に立つ意義であると考えています。
だれもが未来に希望を持てるように
これから、ハタラクティブはどのように進化していく予定ですか?
より多くの求職者、そして企業に対して価値貢献していきたいです。
まず、求職者に対しては「就職する」ということへの物理的、心理的なハードルを取り除いていきます。昨年は、エリアを関東から関西、中部、九州と拡大していき、関東エリアにおいては多数の支店展開を行いました。これは私たち自身が求職者に近づいていこうという姿勢の表れです。また私たちは対面のカウンセリングを通じて就職支援を行っておりますが、これをより多くの人に届けられるように、記事化・コンテンツ化してサイトを拡張していきます。
次に企業には、人材紹介を越えて採用ブランディングや採用コンサルティング、そしてゆくゆくは人事領域全体のパートナーとしてお付き合いいただけるよう踏み込んでいきたいです。サービス開始から8年目を迎え、顧客数も増加し、採用における成功事例も多数積み上がっています。ある会社で課題となっていることが、別の会社ではうまくいっているというケースも少なくありません。企業の採用の成功こそが「ハタラクティブ」の成長にもつながりますので、持っているノウハウを積極的に展開して顧客企業に価値貢献していきたいです。
では最後に「ハタラクティブ」を通じて後藤さんが実現したいことを教えてください
就職したいと思った人が、きちんと就職できる社会を作りたい。それが実現できずに悶々としている人を一人でも減らしたいです。
少子高齢化が進み、働き方改革が叫ばれている昨今ですが、そもそもみんなが働きたいと思ったときに働ける世の中であることが大切です。国際競争力の低下や不景気などネガティブなニュースが続くなかで、きちんと未来に希望が持てる国、社会にしていきたいですね。