目の前の課題解決でたどり着いた「掛け合わせ」のキャリア

幾度ものキャリアリセットがもたらしたデータサイエンティストという道

現在経営企画室で、データ分析を強みに組織の様々な課題解決をしている木下さん。入社後は新卒採用、Webディレクター、新規事業調査、経営企画での組織課題解決と幅広い領域で活躍しています。そんな彼の仕事観について、あれこれ聞いてきました。

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プロフィール

木下(Kinoshita)
経営企画室

名古屋大学 理学部卒、2012年新卒入社。新卒採用担当、Webディレクター、データサイエンティスト、新規事業調査、事業責任者を経て現在は経営企画室に在籍。現在は事業戦略サポート、リーダー育成プラン策定、新規事業調査、AIを活用した業務改革を担当。データをもとに意思決定する体制とその組織作りを強みとする。趣味は、読書とプログラミング。

何でも屋だったからこそ見つかった、「データ分析」という武器

レバレジーズに入社後、どんなことをされてきたのでしょうか。

 2011年11月にインターン生として入社し、最初は代表の岩槻と、社員の3人で新卒採用をやっていました。イベントの企画から集客・運営、加えて新卒採用のデータ管理の仕組み化や採用管理システムの導入、電話オペレーションの変更からKPI管理含めて全ての設計までやりました。

 2012年4月、正社員入社をきっかけにマーケティング部に配属され、Webディレクターをやっていたのですが、当時は今よりデータを見る習慣が組織全体で弱かったんです。アクセス解析ツールは元々あったので、そのデータを使ってディクションや広告施策を実施し、データの重要性を徐々に周りに啓蒙していきました。

 そこから、本格的にデータをもとに意思決定をする組織を作った方がいいと思うようになり、データの分析チームの立ち上げを行ないました。しばらくデータ分析のチームを率いていましたが、代表の岩槻から声がかかって新規事業調査も兼務することに。2014年8月に分析チームから籍を抜くとともに、新規事業の責任者に就任しました。現在は経営企画室で、社内のAI推進や、人事領域とデータをかけ合わせてデータをもとに意思決定する体制とその組織作りを行なっています。

新卒入社された木下さんですが、当時どんな考えで企業選びをされていたのでしょうか。

 大学院では化学を専攻し研究職というキャリアも考えていましたが、大学院生時に参加したインターンをきっかけに就職することにしました。その時に考えていたのは、自分の市場価値をいかに上げるかということ。世の中の変化のスピードが加速して、企業の平均寿命が縮まるなどの事態が起こっている時代では、1つの会社に勤め上げることよりも自分の価値を高めることが大事だと考えていました。勤めている会社が潰れても、何でもできる人材になろうと。当時はそのためのスキルとして、抽象的ではありますが、戦略策定、組織設計、リーダーシップ、実行力は身につけたいと考えていました。戦略を作って、組織を作って、リーダーシップを持って組織を率いる。そして組織としての実行力を高められて、自らの実行力も高ければ、どこでもやっていけるだろうと思っていました。

 また、自分がキャリアのリターンを得るには、どこかでリスクを取る必要があると考えていました。個人的な意見として、若い時の方がリスクは取り易いと思っているので、リスクを一番取れる新卒の時期に、一番不確実な要素が多い環境に行こうと決めて、ベンチャー企業に絞って就職活動をしていました。

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まずは目の前の問題を解決。ニーズがありきで成り立つ市場価値

現在はデータ分析を武器に活躍されていますが、データサイエンティストという道をもともと目指していたのでしょうか。

 データを使いたいからデータサイエンティストを目指した部分もゼロではありませんでしたが、それよりも目の前に問題があって、データを使ったら上手くいくから手段としてデータサイエンティストを目指した、という側面が強いです。当時、所属していた部署のデータが綺麗に整理されていなくて、再現性のある意思決定が行いづらいことが課題としてありました。その時に、データを元に意思決定できる状態にするというのは、これからの時代において必要になると気づき、1年目から統計学を勉強し始めたんです。ビッグデータやデータサイエンティストという言葉が有名になる前です。仕事が終わって帰宅して、そこから3時間は毎日勉強をする生活。そこから僕のデータサイエンティストという1つの軸ができていきました。

目の前の課題解決からスタートしようと思ったきっかけはありましたか。

 結局「価値は需要と供給で決まるんだ」と腑に落ちた瞬間ですね。価値とは、問題・課題を、他の人ができないレベルで解決できるところにあるんだって。やりたいことありきで考えても、そこにニーズがなければ何の意味も無かったりするんですよね。意図的にキャリアを形成するというより、目の前にある課題からスタートすることが確実だと思います。僕がデータの重要性を認識したのも課題からスタートしてるんです。
 自分がやりたいことからスタートすると、本当に会社が求めてることとずれることがあるんですよ。ニーズがないと、市場価値も当然上がらないですからね。

やりたいことよりも、ニーズから市場価値を探るということでしょうか。

 そうですね。他の会社でもよくありますが、もったいないなと思うのは、「チームの雰囲気が悪いから部署を異動したい」という話。この問題を解決できたとしたら、そのスキル・ノウハウを他のチームや組織にも転用できるじゃないですか。良くないチームを立て直して、メンバーみんなが達成できるようになって、結果的に優秀な人材を排出するチームに成長させられる。他にも、自分がリーダーの立場だった時に、メンバーから「組織の方向性が見えない」と言われたのであれば、自分がプロジェクトリーダーとなって、組織の将来像を示すよう上司に掛け合って組織を変えていったら良いと思います。こういうことができる人材は、どこの会社からも欲しがられると思うんですよね。

 目の前や少し先にある課題を解決し続けた方が、市場価値は上がると思っています。逆にそこから逃げても、逃げた先で同じ問題が追ってくるので、結局異動した先でも同じような課題にぶつかるんですよ。目の前にある会社の問題を解決していくことが、結果的に市場価値の高い人間に繋がっていくんだと思います。

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開き直って専門性を捨てたからこそ出会えた、新しいステージ

会社の課題を解決をするために、どういうアプローチが大事なのでしょうか。

 専門性を掛け合わせていくことだと思っています。複数の専門性を持ってるが故に、出せる価値があります。例えば、僕が今やってる「人事×データサイエンティスト」。人事系の人は、データを見る人が多くない印象です。逆に、データサイエンス系の人は感覚的な判断を好まない人が多いんですよね。その2つの専門性を掛け合わせた領域からアプローチできる人は、今の世の中には少ないです。もちろん片方に特化させることで特定の問題は解決できるし、価値は出せますが、掛け合わせることによって指数関数的にその価値を上げていくことができるんです。他にも掛け合わせで出てくる価値は色々とあって、例えば「UX」だと「UX×人事」や「UX×営業」だってあるので、そういう新しい領域の芽を見つけて挑戦するのは面白いと思いますね。

 こういった考え方が広まらない原因は2つあると思います。1つは、そもそもインプット量がたりないこと。加えて、複数の分野についての浅い知識すらないから、専門性を掛け合わせるというアイデアが浮かばない。

 もう一つは専門性を捨てることへの怖さです。本気で何か新しいことをやろうとすると、今まで通用していたことが通用しなかったり、それまで得てきた専門性を一時的に捨てなきゃいけない時が出てきたりするんですよ。そのときに出てくる不安や恐怖に打ち勝てない。

木下さん自身も、人事からマーケティング、データサイエンティストから新規事業と色々経験されていますが、専門性を捨てるための考え方があれば教えてください。

 諦念にも似た考えですが、今の専門性を捨てても、新しい分野でもやっていけると自信を持つことと、今まで培ってきたものは所詮意味のないことだって開き直ることです。僕の場合は大学は化学をやって、それを捨てて文系職で就職をしています。人事からマーケティングに異動した時も、人事で頑張ってきた自負はあったけど、これが自分の人生において唯一の価値でもないし「他のことに挑戦してもできるようになるだろう。捨ててもいいや」と思っていました。データサイエンティストになった時も、データサイエンティストから新規事業に異動した時も、今までやってきたことをリセットしてきました。でも、そうやってリセットしても多くは価値がゼロにになるわけではなく、掛け合わせをしてるだけなので、完全に捨てることはなく、後で活きてくることは必ずあると思っています。

最後に、木下さんのこれからについて教えてください。

 今までは探索と深化で言うと、意図的に探索を強化していました。今までお話した「目の前にある課題を全て解決しようというスタンス」そのものです。おかげでできることが増えてきてましたが、一方で自分の時間は限られていると感じることが増えてきました。その状況で自分が出せる成果を最大化しようとすると、人に任せつつも、自分がやるべきことを絞るしかありません。比較優位の視点です。
 これからは深化のウエイトを高めていきたいと思っています。具体的には人の成長×データという道を深めていきたいと考えています。もちろん独りよがりにならず、会社にとって有益なものだと思っているので選択しています。

 ロシア文学の有名な言葉で「幸せな家族はどれもみな同じようにみえるが、不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある」というものがあります。高校の頃に読んで、どう解釈すべきかと考えていました…これに対して、私は「自分が置かれた環境に対して主体的であり、課題発見・課題解決能力があれば、幸せになれる。一方で主体性、もしくは課題発見・課題解決が欠けていると、様々な出来事の中で解決できない問題が発生し、不幸になっていく」と解釈しています。だいぶ行間埋めていますが笑。つまり「主体的な課題解決者」であることが重要だと解釈しました。
 これは個人の人生だけではなく、会社・事業・組織においても重要なことだと思います。特に社員ひとりひとりの判断力・実行力が求められるベンチャーでは最重要課題だと思います。

 もちろん、誰も最初から完璧な「主体的な課題解決者」であるわけではなく、結局は、経験を通して成長していくしかありません。過程が重要なので、しばらくは人材の成長にフォーカスを当てようと思っています。
 また、最近は認知心理学や人の成長に関する研究がめざましく進歩しているので、自分のデータ分析をかけ合わせることができると思っています。そのために、最近は認知心理学や精神物理学、そのためのベイズモデリングを勉強し始めています。様々な情報を仕入れつつ、会社の人材育成に還元してくことを考えています。すでにいくつか試したいことがあり、その施策の設計や効果検証方法を考えています。

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