適切なコミュニケーションで組織成果を拡大させる

Slack活用による組織変化についてあれこれ議論

 レバレジーズでは、コミュニケーションツールとして使用しているSlackを活用し、「コミュニケーションの見える化」プロジェクトに取り組んでいます。今回の企画では、営業・マーケティング・エンジニア・デザイナーの各職種の責任者に集まってもらい、プロジェクト前後の社内変化について議論してもらいました。(聞き手:名井)

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プロフィール

森口(Moriguchi)
メディカル事業本部 部長 兼 レバレジーズメディカルケア株式会社 執行役員。企業向けのコンサルティング会社を経て、2011年10月に大阪支店の立ち上げからレバレジーズに入社。看護師の人材紹介事業全体の統括を行っている。

松原(Matsubara)
マーケティング部 部長。大手メディア企業を経て、2013年レバレジーズに入社。メディア全体の戦略責任を背負いながら、新卒の育成や情報流通の仕組み作りなど、組織パフォーマンスを上げるための環境整備の全体統括を行っている。

坂井(Sakai)
企画開発部 エンジニア。2016年新卒入社。介護士の転職サイトのシステム責任者として、運用・保守からサービスの方向性作りまで多岐にわたって取り組んでいる。新規事業のシステム設計も行っている。

小林(Kobayashi)
マーケティング部デザイン戦略室 室長。デザイナーとして制作会社やフリーランス、総合商社の関連企業などで広告制作や事業の立ち上げを経験し、2018年にレバレジーズに入社。デザイン戦略室を立ち上げ、組織や事業の課題解決に取り組んでいる。

「コミュニケーション見える化」の取り組み

 レバレジーズでは、組織成果の拡大を目的に「コミュニケーションの見える化」に取り組んでいます。基本的に、人事や個人情報に関わる内容のやりとり以外はすべて、誰でも見ることができるSlackの「チャンネル」と言われるオープンな場所で行われています。

Slackの「チャンネル」とは?

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 Slack上でのコミュニケーションの中心となる場所で、チームの会話や業務のやりとりなどはこの「チャンネル」を通じて行われます。作成できる「チャンネル」の数に制限はなく、議題やプロジェクトの目的に合わせて適宜作成することができます。

 現在、レバレジーズには1,200以上の「チャンネル」があり、具体的には、事業部の情報共有や新規事業立ち上げ、ナレッジ共有、部活動、英会話など、プロジェクトから趣味嗜好に関わるものまで様々な目的を持つ「チャンネル」が存在しています。一部を除くすべての「チャンネル」が全社員に解放され、誰でも自分の興味・関心のある「チャンネル」を検索して、自発的に情報をとりにいくことができます。

プロジェクト発足背景

これまでのコミュニケーションで課題に感じていたことは?

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森口:情報がメンバーにきちんと共有されていないという課題がありました。それにより情報を十分に教えてもらえないと感じる人も一定数存在していて、これらの問題を解消するために、ポータルサイトや、情報共有の場を設けたりと、いくつか施策も走らせていました。
 こういったコミュニケーションの問題は、日頃から近くにいれば会話の中でカバーできる部分もあると思います。しかし、メディカル事業部のように支店が全国にあると、届く情報量にばらつきがあることが結構あるので、リーダーがメンバーに対してどのようなコミュニケーションをとっているかが見えると良いなと思っていました。

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松原:マーケティング職は今約100名規模で、それぞれ専門的な仕事をやってる人たちが集まっているため、情報やスキルがサイロ化しやすい状況です。専門スキルを持った100人の集団になると、自分と同じ仕事をしてる人は組織に10人いればいい方で、残りの8〜9割は違う仕事をしています。すると「いま、部内の別プロジェクトは何をやってるの?」という状況が発生しがちになるわけです。
 当然、リーダーレベルでの会議体はあるのですが、リーダーからメンバーに情報が100%の伝導率で伝わるわけはなくて「情報は開示しているつもりだけど、伝わっていない」的な事象が発生しますよね。

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坂井:エンジニアの場合も他の部署とのノウハウ共有・連携は積極的にやりたいと思っています。専門職の場合、特定の知識を持った人に教えてもらう方が効率よく問題が解決される場合も多いので、ナレッジ共有は大事だと思いますね。
 レバレジーズには新卒だけで形成されるチームもあるので、 わからないことに対して迷いながら仕事をするより、チームが横に繋がって質問ができるような環境が整うと良いですよね。

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小林:同じくデザイナーも事業部配属なので、サイロ化によるコミュニケーションの分断が起きやすく、モチベーションが下がりやすくなる懸念がありました。
 僕は2018年1月に中途入社したのですが、入社してすぐは、誰が何をやっていて、どこに情報を取りにいけば良いのかわからない状態がありました。組織課題や事業課題を切り取って問題解決をしようとしても、問題自体を探すのに時間がかかり、最初の一ヶ月は情報収集に多くの時間を費やしてしまったという反省がありますね。

「コミュニケーション見える化」への取り組み

プロジェクトはどのように行われたのでしょうか?

坂井:まずもともとはクローズドで行われていたコミュニケーションを見える化させることのメリットを全社に浸透させ、その後僕らが作った「チャンネル」の命名規則に従って必要な「チャンネル」を新しく作り、現場への理念浸透と同時に「チャンネル」の利用を促進しました。

実際に、全てのコミュニケーションが見える化されて良かったことは何ですか?

森口:オープンな場所でやりとりをするようになったことで、他事業部や他チームから意見やフィードバックがもらえるのは新鮮ですね。クローズドのコミュニケーションだとそこに参加している人の意見しか出てこないので、議論もより活性化しやすいと思います。

松原:マーケターの場合は、圧倒的にスキルを横に広げやすくなります。たとえば「自分は運用型広告を担当しているけど、将来は別のポジションもやってみたい。でも・・・まず何からやればいいんだろう?」となった時に、なりたいポジションの「チャンネル」に参加してそこでのやりとりを見て実務の考え方を勉強することができます。
 たとえば「マーケティング施策のROIが分かるようになりたい!」と思って検索したり書籍を読みますよね。すると色々なフレームワークや教科書的な事例はわかりますが、広告コストや人件費按分の考え方など、会社ごとに差があるミクロな部分は実務レベルの深さで知ることが難しいわけです。ところが、社内でマーケティングチームの「チャンネル」にいけば、それがある。実運用のされかたもわかるので、成長の環境として非常に良いと思っています。

小林:人事異動の時も、行き先の状況や仕事内容を全く理解しないまま急に異動すると結構苦労しますよね。事前にチームの仕事の仕方やコミュニケーションスタイルを知ることができるので、情報収集ツールとしては良い役割を果たしていると思います。プロジェクトや事業部の生々しいやり取りは、その会社にいないとわからないですからね。

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坂井:職種をまたいで情報を得られる環境は、個人の成長にとっても良いと思います。どうしても営業は営業、エンジニアはエンジニアという感じでコミュニケーションをとりがちなので。特に僕の場合は営業と連携することが多いので、営業が現場でどんな風に動いているかわかると、営業の困り事に対して先回りする動きもできるので貢献もしやすいですね。
 それからエンジニア視点でいうと、サーバーエラー通知やビジネス完了報告などが自動で通知される「チャンネル」があって、その通知を発端に関係者同士のコミュニケーションが始まるのも面白いところです。エラー通知が来たらスレッドを立てて、エンジニア同士でどう対応するか話し合います。場合によっては、事業部の人たちも巻き込んで議論をするのですが、それが1つの「チャンネル」で完結するのは、記録にも残って良いですね。

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小林:何気ない会話から会議体やプロジェクトが発足したりするのは面白いですね。デザイナー的に良かったところは、同じ職種でも得意分野や肩書きがみんな違うので、「チャンネル」を通じて各々が担当している業務を見に行って、それぞれの得意分野を把握できるようになったのは大きいです。

森口:それからコミュニケーションが見える化することで、適切なフィードバックに繋がっていけば良いと思っています。相手に受け入れてもらうためにはどういう表現や言葉遣いを使うのが良いかという視点を常に持つことで、健全な改善を目指すフィードバック文化が根付くし、結果的に組織やサービス改善にも繋がっていくと思います。

逆に、改善点や課題はありますか?

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森口:コミュニケーションを見える化する目的や目指す思想を浸透させないとハレーションが起きそうなので、全員にしっかり思想を落とし込んでいく必要があると思いますね。

松原:オープンだからなんでも話していいわけではなくて、人事チャンネルは人事、広告チャンネルでは広告のことと、テーマに沿って話題をきちんと合わせないと逆に効率が悪くなると思いますね。盛り上がるのはいいけど、井戸端会議的に各人が話したいことを話し始めると、脱線して「これ別チャンネルのほうがいいな」という話が進んでしまうことがある。使う人同士でガイドしていく意識は非常に大事です。
 それから難しいのが採用、評価をどこまでオープンにするか。できるだけ運用前の時点でこれらを明文化しておいた方がよいでしょうね。判断難しいものって他は何がありますかね。

森口:社内人事情報とかでしょうか。

小林:あとは、インサイダー情報ですね。

坂井:ラインの決め方も明確にする必要がありそうですね。ここも明確なガイドラインを引いていないので、今ドキュメント化を進めているところです。

マネジメントでの活用

マネジメント観点からの利点や、改善点はありますか?

森口:先ほどお話したフィードバックが適切に行われることが、マネジメントでは大きなポイントだと思います。上司から部下へのフィードバックはもちろんですが、部下から上司にも意見が言えるようになってくると、リーダーもより良いリーダー像に近づいていけると思います。また他のチームの「チャンネル」を覗いて、別のリーダーは「こういう風にコミュニケーションをとっているんだ」と知れるのは勉強になると思います。

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松原:僕は「特定の人だけがもっている情報」を極限まで減らせるというのが利点だと思っています。人事情報などはある程度コントロールされるべきですが、特定の人だけで情報が閉じてしまうのは組織にとって不健全だと思います。仕事って情報を持っている人と有効活用できる人が必ずしも一致するとは限らないじゃないですか。

小林:確かに自分だけが情報を抱えていることで自分の価値が高まっていると錯覚してしまう人はいますよね。

松原:結局情報を溜め込んでも、自分が使えるアイディアや情報量は大したことないんですよね。持っている情報の一部しか自分で活用できないのなら、有効活用できる人に渡した方がいいですよね。

小林:エンジニアなどの専門職はそれに近しいところがありますね。共有していないことで、結局その人の仕事にならざるを得ないという。

坂井:特にエンジニアはこの人の技術でないとできないという状況に陥りやすいので、プロジェクトや作業プロセスが見えるようになっていれば、次の人に簡単に引き継げたりしそうですね。エンジニアの引き継ぎは結構無駄なものが多いので活用できそうです。

松原:それから僕は物事の決定背景はきちんと伝えたいんですよね。人を介して情報を伝達すると「俺はこう思うんだけどさ」という解釈が混ざってしまいやすい。メンバーにも「伝えるときにファクトと解釈は分けよう」とよく話をしていますが、人間が伝える以上は避けられないものなので、直接みんなにやりとりを見てもらったほうがいいなと思ってます。

森口:そうですね。メンバーに正しい情報がきちんと伝達されることでハレーションが起きるリスクも減り、それによりマネジメントコストも下がると思うんですよね。

これからの社内コミュニケーション

最後に、社内コミュニケーションがどうあるべきか、ご意見を聞かせてください。

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森口:基本的にコミュニケーションはオープンな方が理想的だと思いますね。物事に対して影に隠れてネガティブなことを言ったりするのって、組織にとってはあまり必要がないものだと思っています。もし言いたいことがあれば相手に直接主張した方が問題はスムーズに解決するだろうし、同じ組織内で共有した方が良い情報があるのであればそれを共有して組織全体を良くしていったら良いと思うんですよね。

松原:ネガティブなことを言うなという意味ではなく、物事をネガティブに言うなということですよね。もちろん逆も然りで起きている問題に対して綺麗なことしか言わないで課題解決の機会を逃すのも良くない。言いにくいような事をポジティブに言える状態が理想ですね。

坂井:僕は、情報が欲しい時にそれをすぐに取りにいける環境があるかどうかが重要だと思うんですよね。「自ら情報を取りに行きなさい」と言われることがありますが、クローズドで人に依存した情報を関係者全員に聞き回りながら収集するやり方は時間の無駄だと思っています。
 コミュニケーションがオープンになると、欲しい人が欲しい分だけ情報を取りに行って、さらにそのプロセスが記録として残る。これによりクローズドでの無用なやり取りも無くなります。働いてる人の視野も広がり、個人の成長にも繋がってくると思いますね。

小林:以前の職場では既にプロジェクトに関わっていない人や、会社を辞めた人が残した情報やログをすべて追うことができるようになっていて、「その積み重ねが会社のカルチャーを作る」と教えられました。これまでどんなコミュニケーションをとってきて、何があったから、今の組織ができているのか。レバレジーズでは、そういった過去に積み重なった財産が見えにくかったわけですよね。積み重ねることでしか見えないものがあるので、やりとりを残していく意識は非常に大事だと思います。

みなさまありがとうございました。



レバレジーズのキャリア採用ページ

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