どんな仕事も「やりがい」に変換することが面白い

事業をグロースさせる部長対談、始まりは2年A組から

 この度対談してもらう社員2名は、なんと高校の同級生。同じ高校・大学へ通い、新卒でそれぞれ金融業界での就職を経て、2012年にレバレジーズへ転職。私生活でも、結婚・子供が生まれるタイミングも似ていて、現在それぞれの領域で切磋琢磨する2名が考えるキャリア論とは。(聞き手:藤田)

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プロフィール

左:辻本(Tsujimoto)
レバレジーズメディカルケア株式会社 メディカルスタッフィング事業部 部長

前職は金融業界に従事し、2012年にメディカル事業部大阪支店のキャリアアドバイザーとして中途入社。2014年に東京へ異動後、リーダーへ就任。その後2015年に支店長として船橋支店の立ち上げを経験。のちに大阪支店の支店長として従事したあと、西日本ブロック営業責任者に抜擢。2018年からメディカルスタッフィング事業部長として活躍している。休日は子供と遊ぶこと多く、趣味は読書。最近読んだ面白かった本は「常勝集団のプリンシプル」。

右:三井(Mitsui)
レバテック株式会社 ITソリューション事業部 部長

前職は金融業界に従事し、2012年中途入社。メディカル事業部でリーダーを経験し、2013年からメディカル領域の新規事業の立ち上げに抜擢。その後レバテックに異動し、新サービスを立ち上げるとともに、責任者として年商30億円規模にまで拡大。その後、分社化に伴って現在ITソリューション事業部長として従事。休日は子供と遊ぶことが多く、趣味は読書。最近読んだ面白かった本は「武器になる哲学」。

「もっと大きなことをやってみたい」市場価値向上を求めて転職を決意

おふたりは、共通点が多いと伺っています。詳しく教えてください。

辻本:大阪府で生まれ育ち、同じ高校出身です。2年A組の教室で席がちょうど前と後ろになったことが初めての出会いです(笑)。いつも一緒にいるメンバーではなかったですが、その後同じ大学へ進学し、新卒で2人とも金融業界に就職しました。

三井:前職で4年間勤めたあと、僕が半年先にレバレジーズに入社していました。当時の人事担当から「三井くんと似ている経歴の人が今日面接に来るんだ」という話になり、詳しく聞くと、辻本でした(笑)。

辻本:入社後の共通点としては、2人とも既婚で娘がいること、ほぼ同じタイミングで部長に着任したことですね。自分がレバレジーズに入社した時、彼は既にリーダーとしてジョブサイズの大きい仕事をしていたので、追いつきたいという思いもありました。彼が別事業部に異動してからも、活躍の噂を聞くといい刺激になっていましたね。

三井:僕よりも辻本は、人との向き合い方が得意なのでタイプが違う分、違いが面白く感じる部分でもあります。ライバルというより、仲間としての感覚が強いですね。普通に友達として飲みに行く機会もあります。

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おふたりは、前職が金融業界だったと伺っています。前職から今までのキャリアについて教えてください。

辻本:「モノを売る」有形商材より、「自分自身で課題の発見・解決の提案ができる」無形商材の営業に興味を持ち、新卒で金融業界に就職しました。4年間勤めた後、転職しようと思ったキッカケは「事業の川上から川下まで経験できる組織」で働いてみたいと思ったこと。自分は当時「最前線の法人営業」と「後方支援の信用調査」の2つのセクションをそれぞれ経験していたのですが「特定領域のスペシャリスト」を目指すより「広範囲の知識や経験が必要とされるゼネラリスト」を目指したい気持ちが強くなりました。ただ前職は組織規模も大きく自由にキャリアを選択できる環境では無かったため、転職を決めました。

 レバレジーズへの入社の決め手は、当時の人事担当者の計らいで、最終面接前に既に入社していた三井と面談をさせてもらったことです。高校の同級生で、金融出身というキャリアもほぼ近かった彼が、入社半年でマネジメントを経験していたこと。そういう実体験をしている人が近くにいたことが、決め手として大きかったです。

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三井:学生時代、ちゃらんぽらんだった自分を叩き直す目的で、厳しい環境に身を置いたほうがいいのかなと、かなり安直な理由で証券会社に新卒で入社しました。金融業界の中でも前の会社に入社を決めた理由は、合併が重なり会社が拡大しているタイミングで、古い会社特有のしがらみもなく、多い挑戦できる環境があると思ったからです。

 4年間証券会社で働く中で、仕事内容と自分のイメージとのズレはほぼなかったものの、カルチャーの大事さを再確認しました。当時の職場では、組織としてのアイデンティティがないというか「なぜこの会社で働くのか」という問いに、社員が誰も答えられないまま働いているような感覚があったんです。

 また当時、営業結果が1円単位でランキング化されていました。その内訳は販売金額×手数料率なんですが、その結果に至ったプロセスについての評価軸が、会社側もお客様側も何もなかったんです。今思えば、自分の視点が低かったというのもあったのですが「プロセスが見えない」部分にモヤモヤしていました。20代半ばで、証券の売り方は習得できたし、これからもやっていけそう。でも「ビジネスパーソンとしての自分は市場価値があるのか」と考え、自身の職域を広げるためにも転職を決めました。

「何のために働くのか」その答えを探して

それぞれの事業部において、ご自身の役割やミッションを教えてください。

辻本:事業部として「医療・福祉に関わる全ての人の多様なニーズに対し、最適なキッカケを提供することで、より良い社会を実現する」ことをミッションに掲げてます。

 その中での自分の役割を一つ挙げると「限られた情報の中で正しい意思決定をする」こと。それが自分の最も重要な役割だと思っています。具体的にやっていることは現場と対話を重ねながら営業戦略の立案や改善がメインとなり、あとは今後の組織拡大を見据え、採用・教育にも力を入れてます。

三井:私個人のミッションは大きく2つあって、1つ目は「良い会社、良い組織にすること」。2つ目が「良いサービスにすること」。

 具体的にやっていることは組織戦略の立案と実行、予算作成やKPI決定、プロジェクトマネジメントなどの一方で、採用や部署内の新プロジェクトチームの立ち上げ、リーダー向け勉強会の講師などもしています。あとは最近だと、特に事業部内のエンゲージメントの向上に力を入れています。

 シリコンバレー最強の投資家ベン・ホロウィッツの著書「HARD THINGS」の「良い会社でいることは、それ自体が目的である」という一文がすごく自分の中で残っていて、それを自分たちの組織、サービスで体現したいという思いが強いですね。

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おふたりは、支店や部署の立ち上げをご経験されていますが、立ち上げ経験により得られたものを教えてください。

辻本:支店の立ち上げにより、顧客視点と収益責任がこれまで以上に増しました。まず顧客視点については、支店を出店したことでお客様との距離が圧倒的に近くなりました。これは物理的な距離のことではなく、マーケットの動きやお客様の状況がよりリアルタイムで把握できるようになったという意味です。それまで「弊社サービスをいかに利用して頂くか」だった考えから「顧客ニーズに対して弊社がどういったサービスを提供できるか」の考えに変わりましたね。

 また、収益に対する責任感も一層強くなりました。支店は弊社全体で見れば事業部に紐付く1つのチームですが、出店エリアにおける弊社の代表という側面もあります。「収益=顧客からの通信簿」という考えのもと、立ち上げ初月から収益目標の達成にはとことん拘りました。支店長という立場上、出店における初期コストも把握してたので本当に必死でした。

三井:手前味噌ですが、自身の人間性は少しは成長できたと思っています。責任者をやるまで「何のために仕事をするのか」という問いの回答の矢印が、100%自分に向いていました。自分の職能を広げたい、自分がもっと上のポジションにいきたい。転職したときはその理由でよかったんですが、結局それだけでやってるとうまくいかないんですよね。

 事実、1つ目に立ち上げたサービスは1年も経たずしてクローズしてしまったことがあります。別部署に異動して、新規立ち上げをまたやらせてもらう訳なんですが、最初は必死でした。そうやってがむしゃらに立ち上げを経験すると、辻本も言っているように「お客様との距離が近くなる」んです。そもそもどうやってサービスが成立しているのか、自分たちが届けている価値でお客様やユーザーの人生にどんな影響を与えられているのか。そこに気づいた時に「自分のために働く」ことがすごくちっぽけに感じました。

 そして今、「何のために働くのか」に対する回答はお客様、社会のために「価値を提供する」こと。そういう風に矢印が徐々に外向きに変わっていきました。そうなると今度は、サービス自体に愛着が湧いてくるんですよね。「こんないいサービス提供してるんだぞ」って(笑)。関わっているサービスが自分の子供のように大事になって、仕事だけど仕事じゃないような感覚。そんな捉え方ができるようになったことは、自分の中では大きな変化だったと思います。

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仕事上で大事にしていることを教えてください。

辻本:①一貫性 ②目的思考 ③クイックレスポンス。この3つを大事にしています。一貫性に関しては今までの経験から、言動や考え方をぶらさずスタンスを明確にすることで、周囲が判断に迷うことがなくなるため、リーダーシップを発揮する上で非常に大切にしています。

 目的思考に関しては、仕事をする中でついつい目標だけを追いかけがちになってしまいますが、結局「その目標を生む目的」があるはず。どういう目的があって、そのための目標であることを自分自身が考えて、それを伝えていくことを大事にしています。

 クイックレスポンスについては、相手から信頼を得るために最もわかりやすい行動の1つなので、社内外問わず常に意識しています。自分の手元に止めて良い結果に繫がったことがほとんど無いですし、今まで自分が関わってきた仕事ができる人たちの共通点であることも大きいですね。

三井:座右の銘として「気は心」という考え方を大事にしています。これは、量や額がわずかであったとしても、本人の真心の一端を表すものであるという意味です。自分なりの解釈で例えると「自身もしんどい状況ではあっても、もうちょっとだけ頑張れば、その分誰かが楽になるのではないか」という考え方です。そういうちょっとした気遣いとか真心がある世界って、すごく素敵だと感じています。

 もう一つは「機会を自分から作りにいく」こと。自分が成し遂げたいことやチャンスって、自分が得たいからこそ得られるものであって、自分で作りにいかないと待ってても来ないですから。

 会社に面倒を見てもらえる、機会を提供してもらえる、成長させてくれる、という受け身な考え方をなくして、得たいものは自分から取りに行けばいいし、自分で飛び込みたい機会を見つけた時にすぐ身動きが取れるように準備しておくことが重要ですよね。

仕事の面白さを決められるのはいつも自分

いろんな状況で仕事をする中で、自身の感情処理の難しさを感じたことはありますか?

辻本:個人的にはあまりそう感じたことはないですね。基本的に仕事って、大変なことが多いじゃないですか(笑)。それを自分自身がどうやって「やりたい仕事、やりがいのある仕事」に変えられるか。これが仕事の面白いところだと思っています。また対人関係や環境についても同じで、そこに左右されるのではなく、嫌なら自分が変化したり、自分で変えていけば良いと思っています。

三井:僕は結構ありますね(笑)。元いたメディカル事業部でやりたいことがあったタイミングに新規サービスの立ち上げをやることになり、最初全然やる気が出なかったです(笑)。当時は15名のリーダーレイヤーに対して「組織をもっと良くしていくぞ!」と影響力を発揮するポジションで、かなり楽しかったんですよね。そこから一転して1人での新規立ち上げをするとなると「新規事業をやる嬉しさ」より「自身のジョブサイズが小さくなるな・・・」という思いのほうが強かったです。

 でもそこでどう折り合いをつけるかは、辻本と同じ意見ですね。変化があるのは当たり前だと思っていて、その場その場で得られるもの、やらないといけないことは絶対あるはずなので、自分の力の及ぶ範囲でコントロールをするべきだと思います。そしてまた次の変化に備えることが大事だと思っています。

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自身が変わるきっかけとなったエピソードを教えてください。

三井:新規事業立ち上げから1年経過し、代表の岩槻を含めたメンバーでミーティングをした時の話なんですが、代表が新規事業の事業計画やPLを見てすぐ「三井くん、これやる意味ないね」と言ったんです。 そのミーティング後に、同席していた先輩に言われた一言が印象に残ってます。「代表は『三井くんが』やる意味ないって言ったんだよ」と。

 新規サービスが軌道に乗っていない事実がある中、当時は自分がサービスをクローズさせるという汚点を残したくない思いだけで、延命措置として自分のためにしか収支計画を作っていなかったんです。結局それはエゴでしかないなと気づきました。

 それでも「君がやるべき仕事は、これ以外にもっと価値を提供できる仕事あるんじゃないか」と投げかけてくれたんです。その期間は実際苦しんでいたので、この言葉のおかげで、自分に出せる最大の成果を色んな人に還元したいと考えるキッカケになりました。

辻本:自分は大阪支店長に着任したタイミングで、お客様からの言葉にハッとした経験があります。前任者と引き継ぎに行った中のお客様から「君、全然勉強が足りてないね」とストレートに言われたことです。

 当時、看護師紹介事業で自分が携わる領域に関しては、知見と経験があって、自信を持ってサービスを提供していました。その一方で先方からは「採用におけるパートナー」として付き合う上で、「ただ紹介人数を増やすだけでなく、もっと訪問先企業の経営状況や採用課題を把握した上での価値提供が本来の役割ではないか」と指摘をいただきました。その言葉で、自身がいかに近視眼的な考えであったか、気づくことができました。お客様の本質的課題を現場目線で知っていく必要性を再認識できたタイミングでもありましたね。

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これからやりたいことを教えてください。

辻本:看護師派遣事業は、後発参入ということもあり業界内ではまだ中位の位置付けです。ただ、市場規模や競合調査をする中で上位集団との差をこの1~2年で縮め、業界トップになるチャンスは充分あると考えています。ミッション・ビジョンの実現に向けて、サービスの認知度を上げるためや、マーケットに対して影響力を持つためにも、シンプルに業界トップを目指したいです。

 そのためにも、弊社内の医療・介護系の既存人材事業を統合し2018年11月より始動したレバレジーズメディカルケア株式会社の事業シナジーを活かし、差別化を図っていきたいと考えてます。看護師人材紹介のメディカルキャリア事業部、介護士人材紹介・派遣のケア事業部との連携を強みにして、より包括的な価値提供を行うことで、医療・介護サービスの供給不足を本質的な解決へと導く組織を目指していきたいです。

三井:もともと私の部署は先行優位がある事業なので、3カ年計画を策定した際の事業戦略として、2018年度は敢えて「ポジショニングではなく組織能力の強化に思い切ってコミット」した1年でした。その甲斐もあって、今サービスとして提供できている価値のクオリティは間違いなく向上しています。短期的には、ここからポジショニング観点で更に優位性を確立する為のチャレンジを加速させていきたいと考えています。既存事業も含め、まずは商材を増やしたいですね。

 中長期的な話だと、やっぱり「良いサービスにしたい」です。IT領域・人材サービスの市場がどんどん伸びている中で、100%「エンジニア・クリエイターのために何ができるか」という切り口で展開できる会社って実はレバテックだけだと思ってます。世の中に価値を提供し続ける、「良いサービス」であり続けたいですね。