障がいの有無に関わらず、誰もが希望を持って働ける社会に

「働きたい」と願う障がい者の自立をサポートする「ワークリア」、事業創造の裏側とは

ヒューマンキャピタル事業部の新規事業として2018年4月からスタートした、障がい者就労支援サービス「ワークリア」。その事業創造の裏側には、どのような想いや苦労があったのでしょうか。創業者の二人に話を聞いてきました。(聞き手:絹本)

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プロフィール

左:後藤(Goto)
ヒューマンキャピタル事業部 「ハタラクティブ」「ワークリア」事業責任者

大手ゼネコンを経て、2012年にレバレジーズに中途入社。現在は「ハタラクティブ」「ワークリア」を統括するほか、営業システムの構築や教育体制の仕組み作り、高校生向けや企業向けセミナーへの登壇など幅広い業務を担当している。

右:工藤(Kudo)
ヒューマンキャピタル事業部 「ワークリア」法人担当

大手広告企業で営業職を経て、2016年にレバレジーズに中途入社。入社後は新規事業の立ち上げを経験したのち「ハタラクティブ」の法人営業に従事。営業をする傍ら、企業向けの合同説明会等のイベント全体を統括。「ワークリア」立ち上げのタイミングに後藤から声をかけられ「ワークリア」の立ち上げに参画。

イメージを根本から変えたい。社会問題を自分たちで解決していく

はじめに「ワークリア」について教えて下さい。

後藤:「ワークリア」は、一般企業への就職を目指す障がい者向けに、就職に必要な知識習得やスキル向上のための就業訓練とその後の就職サポートを行う、就労支援サービスです。「ワークリア」に登録して下さった障がい者の方を一度レバレジーズで雇用し、就業訓練を行ったのちに一般企業への就職をサポートしていきます。

 具体的なフローとしては、まず「ワークリア」にご登録頂いた障がい者の方に、実際にレバレジーズへ面談にお越し頂きます。キャリアアドバイザーから「これからどんな環境で働きたいのか」「どんな働き方を望んでいるか」など、将来のなりたい理想像をメインにヒアリングをさせて頂いたのち、レバレジーズの社員採用面接を実施します。面接に通過すると就業訓練期間として6〜12ヶ月の期間、レバレジーズの社員として実務経験を積んで頂きます。就業訓練終了後は、キャリアアドバイザーと共に一般企業への就職を目指していきます。

 実際に「ワークリア」を通してレバレジーズに就業しているスタッフ(※以下、ワークリアスタッフ)には、実践的なサポート業務として、顧客配布用の営業資料のファイリング、情報のデータ化、請求書周りの事務作業などを遂行して頂きます。最近では、営業の行動分析を行うためのデータ処理なども担当して頂いたり、社内での活躍領域もどんどん広がってきています。

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工藤:企業には障がい者雇用促進法に基づき「障がい者雇用率制度」が義務付けられています。「障がい者雇用率制度」とは、従業員が一定数以上いる企業に対して、従業員に占める障がい者の雇用比率を法的に定めたもので、この雇用比率が2018年4月1日に、2.0%から2.2%に引き上がりました。

 障がい者法定雇用率は今後も上がっていくことが予測されていて、これまで障がい者雇用に取り組めていなかった企業や、障がい者の雇用実績のない企業にとっては、今後大きな経営課題となることが想定されます。残念ながら、企業の障がい者雇用においては「やり方が分からず、不安」という雇用に対してネガティブなイメージを持たれる採用担当者も少なくありません。そのような企業側の意識を変えていきたいと思い、レバレジーズでは、企業の採用担当者向けに「障がい者雇用に関するセミナー」を開催し、課題解決の場を提供しています。直近開催したセミナーでは、障がい者雇用に関するリーディングカンパニーともいわれている、楽天ソシオビジネス様に登壇して頂きました。 

「ワークリア」の事業創造背景を教えて下さい。

後藤:レバレジーズの既存サービス、若年層の就職支援サービス「ハタラクティブ」では、登録して下さる求職者の中に「うつ病」や「適応障がい」などの精神障がいを持つ方が一定数いらっしゃいました。ですが、私たちの「障がい」に関する専門性やノウハウの不足から、そういった方々への配慮や十分な支援ができなかった背景があり、この悔しさがサービス立ち上げのきっかけとなっています。

工藤:「ワークリア」の立ち上げに関わる前、私は「ハタラクティブ」の法人担当をしていたため、「ハタラクティブ」の利用者に障がい者の方が一定数いらっしゃることは知っていました。「働きたい」という想いを持って面談に来て下さったのに、何の選択肢も提供出来ない自分にもどかしさを感じていました。元々、私は大学時代では児童養護施設について専門で学んでいたこともあり、今でも児童養護施設にボランティアに行っています。そこにいる子供たちは、親や親族には頼れない事情があるため、金銭的な面で大学に行きたくても行けないケースも少なくありません。故に選択肢が狭くなってしまいます。いつかそのような方々にも平等に選択肢を与えることが出来る仕事がしたいと考えていたとき、後藤から「ワークリアを一緒に立ち上げよう」という話をもらい、引き受けることにしました。

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 あと、個人的なことですが、レバレジーズに入社直後、一度新規事業を任せて頂いたことがありました。新規事業ではどれだけ熱量を持ってやれるかが成功の鍵になるので、正直不安な思いが心のどこかにありました。でも、目の前にあるチャンスを逃して、やらない選択をしたことに後悔したくないという特別な想いを持って、今回「ワークリア」に参画することを決意しました。

「ワークリア」を選んで下さる方に、将来活躍できる場を提供したい

「ワークリア」では就業訓練ののち就職サポートを行っていますが、「就業支援」という形式にこだわっている理由を教えてください。

後藤:障がい者が一般企業への就職を望む場合「就労移行支援」という社会福祉サービスを国から受けることができます。これは「就労を希望する障がい者を対象に最長2年間、就労に必要な知識や能力の向上のために必要な訓練を行う」ものです。しかし訓練期間中は、給与が出ることはなく、さらにアルバイトを禁止している訓練施設が多いのが現状で、障がい者自身の生活が困難になるケースも少なくありません。特に「ワークリア」の登録者には「今すぐにでも仕事をしたい」というニーズを持っている方が多いため、その人たちの声に応えたいという気持ちが「就労支援」というかたちに反映されています。

 また「就労移行支援」での就職支援は、ハローワークなどに行くことを勧められることも少なくないため、結局自分にあった就職先を見つけられず、就労に辿り着くことが難しいと、「ワークリア」に相談に来るケースもあります。

 私たちが、就業訓練から就職までの支援を一括で担うことにより、障がいを持っている方に働いた分の対価を支払うことで、生活を自立させることのサポートの第一歩ができると信じています。

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工藤:「就労」にこだわる理由として企業側からのニーズも挙げられます。採用担当者から、障がい者の早期退社に対する不安の声をよく聞くことがあります。そんな中、障がい者がレバレジーズで一定期間就業経験を積むことで私たちも「スタッフがどのような働き方をしているのか」「働く上でどんな時にストレスを感じるのか」「採用する企業側が注意すべき点は何なのか」など、一緒に働いたからこそ見つけられるポイントがたくさんありました。採用される障がい者が「入社出来ればどこでも良い」と自分自身の選択肢を狭めてしまうのではなく「この会社で働きたい」という強い気持ちを持ってもらいたいですし、また採用する側の企業も「この人を採用する」という意識ではなく「この人の人生の責任を持つんだ」という意識を持ってほしいと思っています。

 両者にとっての架け橋になれるよう、一度自社で責任を持って雇用し就業経験を積んで頂く点には強いこだわりを持っています。

実際にワークリアスタッフから一般企業への就職先が決まった方はいますか?

後藤:はい、サービス立ち上げから6ヶ月で、既に2名いらっしゃいます。1名は、地方から出てきた21歳の女性で、周りの環境の変化を受け入れることに抵抗があり、レバレジーズに入社した当初はとにかく泣いていた方でした。就業訓練後の就職活動でも、新しい環境に行くことに強い不安に感じていて「このまま慣れたレバレジーズで働き続けたい」と一般企業へ就職することに消極的でした。そこで就職活動では、いろいろな企業の理解を深めてもらうために、企業の雰囲気や仕事風景を実際に見てもらう機会をできるだけ多く作ることを意識しました。同時に次々と入社する新しいワークリアスタッフと接することで「自分もしっかりしなきゃ」という意識が芽生えたそうです。

工藤:「ワークリア」は、業務スキルだけがつくわけではありません。周囲に目を向けられるようになったり、新しいことにも前向きに取り組むことができるようになり、たくさんの成功体験を積むことができます。この体験は「ワークリア」ならではだと思います。任せる業務に関して、はじめは働くことに慣れてもらうことを心がけていて、パソコンを使わない作業から始まり、その後徐々に業務の難易度を上げていきます。

 「ワークリア」の管理を行っている社員の工夫として、ワークリアスタッフに対して「褒める」ことを心がけているのでワークリアスタッフも自信がつきやすく「挑戦してみよう」という前向きな気持ちを引き出すことができるんです。「ワークリア」での就業経験を積んで卒業した二人からは「社員からの声掛けが励みになって『もっと頑張ろう』と思えた」というお声を頂きました。

 また、ユニークな取り組みとして「ワークリア」では、就職が決まった方々を送り出すときに卒業式を行い卒業証書を授与するのですが、卒業した二人からはそれも嬉しかったと言ってもらえて、こちらまで嬉しくなりました。毎回卒後式では私たちも、ワークリアスタッフと共に号泣しています(笑)。

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障がい者が未来にワクワクできる社会を

これから「ワークリア」としてどんな社会を目指そうとしていますか?

後藤:世の中にある障がい者の偏見をなくしていきたいです。一社員として、会社に貢献できること。そして、実際に貢献を通して喜びを感じてもらう。障がいを持っている人、持っていない人それぞれが得意な業務を行い、生産性を高めていける世の中にしていきたいです。

工藤:障がい者の中には、業務の中で私たちよりうまく仕事を理解して行動できる人がたくさんいます。これは、一緒に働いている私たちにしか分からないことです。なにより悔しいのは、障がい者雇用の失敗例だけが切り取られてしまい、良い例がなかなか取り上げてもらえないこと。

 ある障がい者の方がレバレジーズの面接を受けて下さった時に「ハンディキャップがあるからこそ私は人より努力しなきゃいけない」とおっしゃっていて、「こういう方々のために私達は頑張らなくていけない」とその時に強く思いました。障がいがあるから選択肢が狭められるのではなく、障がいの有無に関わらず、誰もが未来にワクワクできる社会を創っていきたいですね。

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最後にひとことお願いします。

工藤:私はこの事業を通じて、「障がい者雇用に対して偏見を持っている人をなくしていきたい」と思っています。日頃からワークリアスタッフの方々が仕事をしている姿を間近で見ていますが、健常者と変わらない印象を受けますし、何より仕事を通じて急成長する彼らの姿を見て「自分も頑張ろう」と刺激を受けることがたくさんあります。

 「ワークリア」は、企業側・障がい者側にも直接的な関わりを持ちながら、障がい者雇用に対する考え方や在り方を変えていける可能性を秘めているという意味で、可能性に溢れているとサービスだと思っています。

 障がい者が活躍できる場をもっと提供していきたいですし、企業側にも障がい者雇用の重要性を理解してもらいたい。「働くってこんなにも楽しいんだ!もっと頑張りたい」と障がい者の方が思える社会を創っていきたいですね。

後藤:人材紹介や転職エージェントの仕事は「人の人生を左右する機会に立ち会い、その中で考えられる最善の選択肢を提供・提示すること」だと思っています。だからこそ点と点での関係ではなく、面での関係として相手の人生に伴走し、少しでも良い方向に相手を導いていけることがこの仕事の一番のやりがいだと感じています。
 同時にサービスとしてはまだ未熟で、改善の余地がたくさんあると思っています。働いて下さっているワークリアスタッフのためにも、2019年度はサービス改善に重点を置き、サービスを拡充させていきたいと考えています。

レバレジーズのセールス職採用ページ

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