会社の収益性を高め、ユーザーへの価値を生み出す
レバレジーズは「インハウス主義」の経営方針に基づき、プロダクトの企画から集客、デザイン、マネタイズまですべての工程を社内で完結することを徹底しています。事業の要ともいえる「Webメディアづくり」を担うメディア企画部の部長・荒井さんに、レバレジーズならではのメディアづくりの方針を聞きました。
プロフィール
荒井(Arai)
メディア企画部 部長
印刷会社のコピーライターを経て2012年3月中途入社。看護事業部にて「看護のお仕事」のSEOを担当したのち、全事業のマーケティング機能を担うマーケティング部設立に伴い異動。SEOチームの責任者を務め、全社総会でベストチーム賞を2回受賞。2018年より新設したメディア企画部の部長へ。
内製化×機能軸化で独自のメディア運用体制を実現
メディア企画部はどんな部門でしょうか?
レバレジーズの全事業で使うメディアの制作と運用に特化した部門で、2018年に新設したばかりです。
レバレジーズでは、メディア起点で新規事業が生まれることも多く、「Webメディア」が創業時から重要な役目を担っています。もともとは各事業部の中でメディア制作や運用を行っていましたが、2013年に事業部を横断する機能軸組織としてマーケティング部が編成され、その中にプロモーションチーム、CRMチーム(当時はメルマガチーム)などと並列して現在のメディア企画部の前身であるSEOチームも設置されました。そこから5年が経ち、より一層のメディアづくり強化に向け体制を見直すタイミングで、マーケティング部からメディア企画部という独立した組織を新設しました。
【レバレジーズ マーケティング組織について詳しくはこちら】
メディア企画部には3つのチームがあります。集客のためのサイト設計、分析を行う「SEOチーム」、メディアづくりのディレクションを担う「オウンドディレクターチーム」、記事等のコンテンツを企画、制作する「コンテンツチーム」です。メディア企画部全体で20前後のメディアを管理しており、担当事業部へアサインするかたちで仕事をしています。
創業時から注力してきたメディアづくり。その特徴を教えてください。
ひとつは内製化していることです。プロダクトの企画、立ち上げからデザイン、マネタイズ、プロモーションといった工程をいっさい外注することなく社内で完結させています。あらゆるノウハウが溜まるのはもちろんですが、逆にノウハウが外部へ流出することを防げる点も独自の戦略が築けている理由だと思います。時代や経営状況の変化にも柔軟に対応でき、スピーディーにPDCAサイクルが回せる点も強みと言えます。
実は、SEOチームはほとんどが新卒のメンバーです。社外からプロフェッショナルを採用しづらい職種ですが、社内に蓄積された経験を武器に未経験者を育成できる環境を整えています。
2013年から機能軸化したとのことですが、事業部から独立していることのメリットはどこにありますか?
1番大きいのはノウハウがより溜まりやすくなる点ですね。内製化で社内に情報を蓄積する体制が整ったうえ、さらに社内のあらゆる情報をひとつに集約できます。ひとつの事業部で何か問題が生じた際も、他事業部での事例をすぐに活かせます。
次に、組織体制、リソース配分が柔軟であること。共通する業務の効率化や各事業の需給に合わせたコンテンツ制作など、事業横断している組織だからできることは多いです。リソースについても、1人が複数媒体を担当したり、1つの媒体を複数のメンバーが担当したり、事業の状況によって柔軟に変えることができるため、多くのメディアで成果を出せている要因になっています。
また専門知識の強化に取り組みやすい点もありがたいです。自分たちが強化したい分野にリソースを集中することもできるため、新しいメディアづくりにも積極的に挑戦できます。
メディアの価値が、会社の行く末を左右する
なぜレバレジーズではメディアづくりを強化しているのですか?
メディアが事業の成長に直結しているからです。
かけた費用に対してどれだけの効果があるかというのはどこの企業でも見ていると思いますが、自社のオウンドメディアから集客できれば広告費を抑えられ、収益性を高めていけます。ですから、わたしたちメディア企画部の組織や機能が会社の優位性をつくることが、会社の収益性を高めることにつながります。メディアがうまく運用できるかどうかが、事業が成功する鍵だと考えています。
メディア企画部ができたことによって、メディアづくりが会社にとっていかに重要な分野であるかが全社に認識されたと思います。コンテンツ制作への投資額が増え、採用も強化され、取材記事の作成などでメディアづくりに関わる社員も増えました。私たちからもメディアが売り上げにどれだけ貢献できたかを可視化して事業部に発信するようにしたり、LCP(※)を活用してメディアづくりを知ってもらう機会を設けたりしています。社員全員でメディアをつくり、運用していると言ってもいいかもしれません。
(※)社内のナレッジ共有と個人のスキルアップを目的に、各事業部のトップ人材が講義形式でレク チャーする「社内勉強会」と他事業部の日常業務に参加できる事業部間交換留学制度。
今後のメディアづくりの方針を教えてください。
メディアの価値を高めたいです。具体的には、ユーザーとの関係性づくりをメディアがもっと担えるようになるといいなと思っています。
レバレジーズの主力事業のひとつである人材紹介事業では、ユーザーが応募してからサービスを使い終えるまでの期間が長く、事業としてはその期間ずっとユーザーにサービスを使い続けてもらうことが大事になってきます。今までメディアの成果指標はコンバージョンがすべてでしたが、このビジネスモデルを考慮すると、メディアが果たすべき役割はもっとあります。例えばイベント参加までの期間に、その人のためになるコンテンツを配信してユーザーロイヤリティを高める。申し込みフォームを改善してマッチング精度を高める。そんな風にコンバージョン以外の側面からも価値を発揮できるメディアをつくり続けます。
その上で強化したいことのひとつが、ユーザーやその周辺の関係者の意見を取り入れることです。データの収集、モニタリング、分析では多くの実績を作ってきましたが、ユーザーヒアリングはまだまだ経験が浅いのが実情です。お客様1人ひとりの生の声を反映し、よりユーザーに寄り添ったメディアへ成長させていきたいです。
他社が真似できない仕組みで、関係者全員の幸福を追求する
では組織体制は今後どんな方針にされるのですか?
内製化、高品質、低コストの方針を徹底しつつ、組織の変数を複雑化してこのレバレジーズ独自の体制をより強固なものにしていきたいと考えています。
組織は掛け算で成り立ちます。強みやスキルは人それぞれで異なっているので、誰をどこにアサインして誰と仕事をしてもらうかによって、組織はいかようにも変化します。だからその”変数”を多くして、他社が真似できない仕組みを作り上げていきたいですね。そうやって会社に資産を残し続けて、誰か1人に依存しないレバレジーズ独自の強い組織をみんなで作っていこうと思います。
そうなると、メディア企画部のメンバーは、メディアやコンテンツの制作から組織づくりまで広く関わることになるのですか?
そうですね。まずメディアづくりにおいては、コンバージョン等の数字を意識した企画づくりをしていくため、たとえば紙媒体出身の方でもマーケティングまで担えるメディア担当者へと成長できる機会がたくさんあります。
そして、チームマネジメントにもどんどん携わってもらいます。メディアやコンテンツを作ることだけやっていてもメディアは成長しません。低コストで価値の高いメディアを自分たちだけで作り続けるためには組織のディレクションも不可欠です。生産性の改善、脱属人化に向けたフローの整理、非正規社員の統率……メディア企画部ではこうしたチームの基盤づくりにも積極的に挑んでもらいます。
メディア企画部で活躍するにはどういう要素があると良いでしょうか?
自己認知力が強いと良いですね。メディアをつくるには事業部内外の社員の協力が不可欠なのですが、自己理解力が深い人は客観性を兼ね備えていると言えるので、コミュニケーション能力が高くスムーズに仕事が進められると思います。
内省を繰り返す癖がつくと、自己認知を強められます。ネガティブな出来事に遭遇したとき、自分が怒っているのか悲しんでいるのか。目標を達成できなかったとき、悔しいのか悲しいのか。周囲に迷惑をかけたという申し訳なさなのか、後で上司に詰められるのが怖いという恐れなのか。良いことも悪いことも因果関係を含めてきちんと認識できるようになれば、自然と自己理解が深まっていくはずです。
新設して1年が経ちましたが、これからメディア企画部はレバレジーズへどんなインパクトをもたらしていくのでしょうか?
メディア企画部は売り上げを生み出しているわけではありません。しかし、会社の収益性を高めるという重要なミッションを背負っています。わたしたちのつくるメディアは、ユーザーにとって価値があるのはもちろん、メンバーが称賛されたり、給与の水準が上がったり、レバレジーズで働く社員1人ひとりの生活がもっと豊かになる。そんな姿を目指しています。部下の成長を願うマネジメントの考えと同じですね。
これからもわたしたちは、メディア企画部ならではのアプローチで「関係者全員の幸福」を追求していきます。