日本中のエンジニアを「teratail」で繋げるプラットフォーム

マーケティング人の役に立ちたい

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「エンジニアの問題解決と挑戦を助ける」というミッションのもと、2014年7月のリリース以来多くのエンジニアに親しまれているITエンジニア特化型のQ&Aプラットフォーム「teratail」(テラテイル)。国内最大級のエンジニアプラットフォームへと成長した「teratail」が目指すものとは。プロダクトマネージャーの鈴木さんに聞きました。(聞き手:岡)

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Profile
  • 鈴木(Suzuki)
    マーケティング部 「teratail」プロダクトマネージャー

    2016年4月にエンジニアとして新卒入社後、「teratail」の開発に従事。2018年10月の組織体制変更に伴い、マーケティング部へ異動するとともに、自身もエンジニアからマーケターへキャリアチェンジ。現在は「teratail」のプロダクト戦略から開発まで幅広く担当。

エンジニアの”知”を集結させ開発力を加速化

「teratail」とはどんなサービスですか?

 日本最大級のITエンジニア特化型のQ&Aプラットフォームです。「実装したいものがうまく動かない」「フレームワークの環境構築方法を知りたい」といったプログラミング時に困ったことを投稿すると、全国の知見をもったユーザーが回答します。質問、回答、コメントといった投稿は1ヶ月に2万件を超えており、投稿された質問への回答率は90%以上。誰かの困りごとがみんなの力で日々オンライン上で解決されています。

 

「teratail」が生まれた経緯を教えてください。

 サービスが生まれた2014年頃、エンジニアが集まってオフラインで交流する勉強会があちこちで開催されていました。しかし、エンジニアは働き方が様々で、所属する企業のオフィスで働く人、出向先のオフィスで働く人、日によって作業場所が選べるフリーランスなどそれぞれが色々なところで仕事をしています。そんな人たちが一か所に集まり続けるのは大変ですよね。そこで「オンライン上で日常的にエンジニアたちが集う場所があったらいいのでは」という想いから「teratail」の構想が出来上がりました。

 

 では何を提供したら日本中のエンジニアが訪れる場となり得るか。悩んだ立ち上げ人の藤本(現執行役員)が行ったのは、社内にいるエンジニアの行動を1日中観察することでした。すると彼らはしきりに検索サイトを開き、開発過程で躓いたところの解決法を調べていたんです。そこでQ&Aという形式で問題解決を支援しながら、エンジニア同士が日常的に交流できる仕組みが誕生しました。

 

 オンラインでの交流が活発化することで、貴重なノウハウが情報資産として蓄積されます。誰かの困りごとが、今後同じようなところで躓いた人にとって有益な情報になっていく。「teratail」はこうした個々のエンジニアの”知”を集結させ、エンジニアの知的生産性を向上させることを目指しています。

人材関連事業を多く手掛けてきたレバレジーズが、なぜエンジニア向けのQ&Aサービスを始めたのでしょうか?

 2つの理由があります。まずは、日本の開発力の底上げです。近年国内のIT人材不足は深刻化しています。レバレジーズは創業当初からエンジニア・クリエイターのフリーランス参画や転職を支援する「レバテック」を運営し、仕事探しの面からこの問題と向き合ってきました。しかし、仕事は家と勤務地との距離、希望するライフスタイルなど、その人の経済状況や生活環境による制約を受けます。そこで、相手の状況に関係なく1人でも多くのエンジニアが活躍できる仕組みを作ろうという考えに至りました。仕事を探すことと仕事自体の効率を上げることの2つの面から、日本の開発力を支えていきたいと考えています。

 

 次にビジネスモデルの多角化。IT、医療、介護、若年層と多くの業界の人材事業で実績を積み上げてきたからこそ、私たちの強みであるメディアづくりのノウハウを活かしつつ、会社がより一層飛躍するきっかけとして新たなサービスモデルを確立したかったというのもあります。

5年で日本中のエンジニアが訪れる場へ

サービスローンチから5年が経ちました。どのくらいの勢いで「teratail」は進化しているのでしょうか?

 2019年4月時点で月間570万PV/150万UUを突破しました。2018年内ではPV成長率が前年比200%を記録しています。

 

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が発行する「IT人材白書2018」によると、国内でコードを書く職業に就いているエンジニアは50~60万人とされているので、ほぼすべてのエンジニアやエンジニアを目指している方が月に1度は訪れているようなサービスとなりました。

 

すごい成長率ですね。日本中のエンジニアに使ってもらうために工夫した点は?

 まずはゲーミフィケーション要素を取り入れたこと。要はたくさん使ってもらうための”仕掛け”づくりです。例えば、5回以上回答したら称号つきのバッジがもらえたり、投稿内容の量や質によってランキングやスコアが出たり。1人ひとりの技術力や貢献度を可視化しています。

 

 2つ目にコミュニティと連携したこと。エンジニアたちはさまざまな技術やプログラミング言語を使って開発しており、それぞれのユーザー同士で知見を共有しあうコミュニティ活動が活発です。こうしたコミュニティと連携し、その技術や言語に関する質問が投稿されたら各Slackに自動で投稿され、コミュニティメンバーたちへ通知されるようにしました。

 

 最後に、業界の第一線を行くエキスパートがいること。コミュニティの主催者や技術本の著者に「エキスパートユーザー」として参画していただいています。各技術の最新情報やハイレベルな質問にも対応できる仕組みを整えました。

 

多くの人が使うようになった中で、「teratail」を開発・運営し続けて見えてきたユーザーの変化はありますか?

 サービスをローンチした当初は、ストレートにエラーの原因究明などコードに関わる質問が多く投稿されていました。今ももちろんそういった質問は多いですが、最近は技術と技術の組み合わせ方法にまつわるものが増えている印象です。コードを書くだけの仕事から、価値創造に必要なことへとエンジニアが担う仕事も多角化してきているように感じます。

 

 こうした技術の流行などエンジニアにまつわる変遷がわかるのも、「teratail」の面白いところですね。「質問を眺めているだけでも勉強になる」といった声もよく聞きます。

 

 

すべてのエンジニアの挑戦を支えたい

成長し続ける「teratail」ですが、今はどんな課題を抱えていますか?

 多くの方々に利用していただけるようになった現在ですが、一層サービスを活発化させていくために、ユーザーの方々へもっと価値を返していけるようにしたいと思っています。既存のQ&Aの部分でも問題解決に必要なコミュニケーションをスムーズに取れる仕組みづくりが重要ですし、エンジニアの仕事や特性を見極め、最も使いやすいと感じてもらえるような機能にこだわって開発していきたいです。

 

 あとは4月にリリースしたばかりの「コミュニティ機能」の強化ですね。これは企業が提供する製品や技術について困っているユーザーへ、企業の「中の人」が直接解決策を届けられるような機能です。ユーザー的にも「〇〇について『teratail』で質問したらその開発者から回答がきた!」といった体験を実現できます。これはQ&Aという仕組みならではですね。今後、企業だけでない団体や有志で運営されているようなユーザー会などにもターゲットを広げていきたいと考えています。技術を生み出す側の人も使う側の人も一緒になって盛り上げていけるような場を作っていきたいです。

 

では最後に、「teratail」を通じて実現したいことを教えてください。

 個人でも世界に影響を与えられるようなプロダクトを作ることができる時代になり、周囲に相談できる人がいないからといってアイデアの実現スピードが落ちたり、挫折してしまったりするのは本当にもったいないことだと思うんです。過去実際に「『teratail』があったから自分のアプリをリリースできた」という声をいただいたこともあるのですが、Q&Aという仕組みを通じて幅広くエンジニアをサポートすることで、面白いプロダクトがどんどん生まれる世の中づくりに少しでも貢献できればと思っています。「『teratail』があるから挑戦するのも怖くない」と、日本中のエンジニアやエンジニアを目指す方々に思ってもらえるようなサービスにできるよう、これからも努力していきます。

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