メンバーをどう「動機づけ」する?注意したい5つのポイント

リーダーマネジメント

ひと

レバレジーズでは多くの若手社員が、リーダーとしてマネジメント業務をしています。メンバーに業務の権限委譲をする際、リーダーとして何に注意すれば良いのか。普段の業務に活かせるマネジメントのポイントを、これまで100名以上のマネジメントをしてきた小西さんに聞きました。(編集:徳永)

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Profile
  • 小西(Konishi)
    メディカルキャリア事業部 事業部長

    2013年新卒入社。内定時よりインターンを経験し、メディカル事業本部キャリアアドバイザーとして従事。入社1年目に営業売上トップ3を維持、さらに広島支店立ち上げに携わり、新卒MVPを受賞。事業部目線の行動が評価されリーダー抜擢後、2016年に名古屋支店長就任。2017年度ベストリーダー賞を受賞。首都圏と関西のエリア統括マネージャーを兼務し、100名以上のマネジメントを経験したのち、2019年4月より事業部長として事業全体のマネジメントを行っている。趣味は、最近始めたゴルフ。

メンバー・チーム・事業部を成長させるには

うまく動機づけできるかは、リーダー次第

リーダーの役割の1つに、「メンバーのモチベーションを上げ、業務の成果を高める」役割があります。例えばチーム課題に対策を打ちたいとき、リーダーひとりでできることは限られているため、一部の業務を権限委譲し、実行してもらうことが多々あるかと思います。

 

ただその際「メンバーがなんとなく乗り気じゃなさそう」「最後まで実行し、求める成果を出してもらえるのか」と、不安になることがありますよね。特にマネジメントを始めたばかりの若手リーダーは、抱える業務のいずれかをメンバーに任せたい気持ちと、自分がやらなくて大丈夫かという不安な気持ちとで悩むこともあると思います。

 

そんなとき「メンバーへの動機づけ」がきちんとできれば、業務の成果は格段に上がりますし、メンバーのやりがいもアップします。メンバー・チーム・事業が成長できるかどうかは、リーダーがうまく動機づけできるかどうかにかかっていると言っても過言ではありません。

 

そこで僕が実行して効果があった方法について、全2回にわたりマネジメントコラムとしてご紹介します。

メンバーへの動機づけ、5つのポイント

①本人の「特性」に合わせ、依頼する

②本人の「目標」に合わせ、依頼する

③チーム課題を赤裸々に話し、期待を伝える

④結果が出るまで、口を挟まない

⑤常に気にかけていることを示す

①本人の「特性」に合わせ、依頼する

僕は業務をメンバーに権限委譲する際、そのメンバーの「得意なこと」「好きなこと」に合わせて任せることが多いです。もしくは、「その業務(=解決したい問題)に対して、課題意識を持つ」メンバーを探します。そうすると無理に動機づけをしなくても、本人は納得感を持って実行してくれるでしょう。

 

把握のために普段行っているのは、「日々の観察」と「本人への直接確認」の2種類です。ただしトップダウンでは本音を引き出すことが難しくなるので、これまでの経験では「日々の観察」でその人の特性の7割を判断してきました。

 

「日々の観察」は、普段メンバーが自由に話している状態、「心理的安全性」を担保した状態で行うのがベストです。その中で出る「楽しそう」もしくは「嫌そう」な表情から、その人が得意なことを見極めます。その業務に進んで取り組むのか?躊躇するのか?といった具合に、本人の志向性を読み取るチャンスがあります。

 

また「本人への直接確認」の場合は、本音を言ってもらうことに一番気をつけています。リーダーには「この業務、やりたくないです」とは言いにくいはず。時には飲み会など、職場以外のフランクな場で「この業務をやっていて、ぶっちゃけどう感じる?」と聞き、常にメンバーが自分の気持ちを素直に言いやすい状況を意識しています。

 

あくまで発言や言動の「日々の観察」を積み重ね、「得意」を判断したうえで、「本人への直接確認」をします。そうすることで、メンバーの特性にあった最適な業務を任せられます。

②本人の「目標」に合わせ、依頼する

得意なことや好きなこと以外に、「本人が望むキャリアに必要なこと」であれば依頼します。1on1にて、本人に「将来どうなりたいですか?」「今後目標にしているキャリアは?」と聞きます。そこで把握した目標にマッチする業務があったら「この業務をすることで、君の目指している姿に近づく」という話を、自分の経験や他の社員のキャリアパスを基に話すようにしています。

 

ただし1on1のやり方には注意が必要です。1on1の目的は「メンバーがその人らしく働くため」に日々感じることを共有してもらい、「次もこのリーダーと話したいと思ってもらう」ことです。リーダーが「自分の思うようにメンバーを動かすために、説得する」ことが目的ではありません。

 

決して、リーダー側で事前準備した改善点を、本人に伝える場にはしないようにしています。あくまでメンバーにオープンに質問し、回答を求められたことに真摯に答え、「この人に話すことは安全だ」「また話したい」と思ってもらうことがゴールです。

③チーム課題を赤裸々に話し、期待を伝える

現状のチーム課題を「赤裸々に」話し、その上で「あなたの協力が不可欠だ!」とアツく伝えてください。「なんでこの依頼をされているんだろう?」とならないよう、具体的に、どう困っているかを詳しく話すことが重要です。背景説明をした上で「こう困っているから、他ではなく、あなたに助けてほしい」というニュアンスで伝えることでこちらの熱意が伝わり、メンバーのモチベーションも高まりやすいです。

④結果が出るまで、口を挟まない

メンバーに任せても、途中で口を挟んでしまうリーダーが多いです。前提として、僕はメンバーの特性を見て「最後までやりとげられるだろう」と思う業務を任せます。とはいえ任せた後の進捗が良くないと、途中で口を挟んで指示したくなることも多々あるかと思います。しかしプロセスがどうであれ、結果が伴っていれば問題ありません。途中で口を挟んでしまうと、本人は「結局任せてもらっていない」と感じ、モチベーションが急激に低下します。メンバー1人で一連の業務をクリアできれば本人も嬉しいはずですし、また次の依頼も進んで担当してくれるでしょう。

 

振り返りはあくまでその業務が終わり、結果が出てから僕も一緒に行っています。その際は「あのときのあれがダメだったよ」と伝えるのではなく、「改善するとしたらどの場面だと思う?」や「その場面では他にどんなやり方があった?」と相手が課題に気付くように振り返りをしています。失敗は人から指摘されれるよりも、自分で気付くことで成長につながりやすいです。

⑤常に気にかけていることを示す

任せたからといって、任せっきりにするのは良くありません。口は挟みませんが、しっかりと見ているよと示すことでメンバーのモチベーション向上に繋がります。具体的には、褒めることが効果的です。「早速動き出してくれてるみたいだね、さすが!」のように声をかけることで、メンバーは「放置せずに、自分のことを見てくれている」と感じ、何かあったとき相談しやすくなるはずです。

まとめ

お互いに信頼し合っている状態こそベスト

「メンバーの本音」を知るための、チームの雰囲気づくりもリーダーの仕事です。メンバーがリーダーに対して恐る恐る話しかける状態だと、何かあってもリーダーまで情報が上がってこず、チーム運営に大きな支障が出ます。雑談でも良いので自分から話しかけることで「何でも話して良いんだ」と感じてもらい、信頼関係を築く努力をしています。

 

また僕が新卒の時、上長から依頼されたことに対して全く口出しされませんでした。「なんで口出ししないんですか?」と聞いてみると、「だって、できるって信じてるから」と一言だけ言われたんです。嬉しくなり、絶対に成果を出そうと思ったこと今でも覚えてます。「人は信じてもらえれば頑張るんだな」と感じ、自分がリーダーになってからも同じ方法でメンバーに業務を任せています。

信じて任せ、しっかり見守る

今回は「メンバーをどう動機づけするか」というテーマでお送りしました。メンバーに業務を権限委譲する際は「本当にその業務が得意、もしくはその業務が将来の役に立つメンバーを見つける」こと、「信じて任せ、しっかり見守る」ことが大事です。この2点を意識してもらえばきっと結果が変わってくると思うので、ぜひ試してみてください。

 

次回、第2回マネジメントコラムでは「メンバーを褒める・指摘するとき」に抑えておきたい4つのポイントをお伝えします。お楽しみに!

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