「この事業を必ず存続させる」僕が貫き通した信念

撤退危機の新規事業を黒字化へ導き、ベストセールスを受賞

2019年10月に行われたレバレジーズグループ全社総会で、ベストセールスを受賞した大井さん。新規事業検討室に配属後、事業撤退の危機に直面しながらも1人で営業を続け、黒字化へ導いた覚悟とはどんなものだったのでしょうか。常に「目的意識」を持って働く彼に、入社からこれまでを振り返ってもらいました。(聞き手:徳永)

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プロフィール

大井(Oi)
シニアライフ事業部 リーダー

2018年新卒入社。新規事業部にてBtoB・BtoCの営業を兼務し、2年目の夏にリーダーに抜擢。事業の黒字化が評価され、2019年度ベストセールスを受賞。趣味はバックパックで、今まで訪れた50ヶ国の中でオススメの国はボスニア・ヘルツェゴビナ。

「最速で、自身の最大価値」を出すため、若手が活躍する事業会社へ

大学時代と、就職活動について教えてください。

 当初「事業を自分で創りたい」という思いを持って就職活動を始めました。学生時代にバックパッカーで訪れた各国の貧困やインフラの問題に対して「こんな事業があれば、この国の負が解消できるのに」と思うことが何度もあったんです。次第に「事業を自分で創りたい」と思うようになり、就職活動では対象事業は絞らず、複数の事業に関われる大手外資系コンサル企業を中心に選考に進みました。まずはコンサルタントとして戦略立案力を身に付けてから、起業しようと思っていたからです。

 そして、運良く早期内定をもらえたため就職活動を終えて、また趣味のバックパッカーをしていました。でもその時、就職活動から離れて冷静に考えるとどこか違和感を感じ始めて、改めて「事業を自分で創りたい」という原点に立ち返って2つの軸で就職活動をやり直すことにしました。

【就職活動の軸】
①若手が活躍している事業会社
②最速で、自身の最大価値が出せる環境

 「若手が活躍している事業会社」に着目したのは、若手が活躍しているということは、新卒のうちから新しいことにチャレンジさせてくれる環境があると思ったからです。コンサルタントとして戦略立案の専門性を高めるより、事業会社で新規事業に携わるほうが「事業を自分で創る」という自身の目標への近道だと考えました。

 「最速で、自身の最大価値が出せる環境」を軸にしたのは、「自分の価値」を考えたことがきっかけでした。最初に内定をもらった大手外資系コンサル企業は、初任給が高く、僕自身も魅力だと思っていました。ですが「お金(=給与)」の本質を考えた時、それが「自分の価値を表したもの」だとすれば……。まだ何の価値も発揮できていない新卒が高い給与をもらうことに疑問を持ったんです。「社会に貢献した結果、対価を得る人になるべきだ」と考え、世の中に対する自分の価値提供の範囲を最速で広げられる環境で働きたいと考えるようになりました。

 これらの軸を踏まえて考えた時、新規事業に携われる可能性が高く、大手企業と比べても早くチャンスが得られると考え、若手が活躍している拡大期のベンチャー企業を中心に就職活動をやり直しました。その中でも最終的にレバレジーズを選んだ決め手は、若手が事業を任されている「事実」があったからでした。新規事業が本当にどんどん立ち上がっていて、その新規事業を任されている20代の社員数が圧倒的に多く、若手にチャンスがある会社だと思えたので入社を決めました。

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決して諦めない覚悟で、事業を黒字化

入社1年半でベストセールス受賞に繋がった成果や、評価を受けたポイントを教えてください。

 入社後は新規事業として、老人ホームと入居者のマッチングサービス「きらケア老人ホーム」を展開するシニアライフ事業部に配属されました。 今回のベストセールス受賞は「新規事業という環境下で、最適の営業プロセスを証明できたこと」と「事業撤退を防ぎ、黒字化に導けたこと」を評価してもらえたと認識しています。当時この事業は、会社としても新しい分野への挑戦でもあり苦しい状況が続いていて、過去に「事業撤退」を言い渡されたことがあったほどでした。

 まず配属後は「自分のどんな行動が顧客にとって価値になるか」を常に考え行動に移すことを一番に意識しました。そうすると結果がついてきて、まだ「最適の営業プロセス」のようなものがない新規事業という環境でも、営業目標を完全達成し続けることができるようになりました。それが「顧客価値の提供を第一として、売上目標を達成できる営業プロセス」の証明になり、そのノウハウをメンバーに展開することで事業が軌道に乗り始めました。

 しかし2年目のある日、代表から「残念ですが事業を撤退します」という通達がありました。軌道に乗り始めたと思っていた事業でしたが、超えるべき目標に達することができず、継続が難しいという判断でした。ただ、僕個人の売り上げで見ると黒字化できる見込みがあった背景から、事業部長が代表に交渉してくれました。そして「大井が1人で営業を続け、代表からの提示条件を短期間でクリアできるかどうかで、本当に撤退するかを判断する」という猶予が与えられました。

 「入社からずっと携わってきたこの事業を、絶対に撤退させたくない」という想いで提示条件をなんとか達成でき、事業を継続が決定。一度は営業から外れていた僕以外のメンバーも徐々に戻ってきてもらえることになり、最終的には事業としても黒字化することができました。

過酷な状況の中、連続達成できた理由を教えてください。

 愚直に「昨日の反省は今日必ず改善する」ことの徹底が、高い目標の連続達成につながったと考えています。僕1人で、かつ短期間で黒字化させるために、中長期的な戦略を立てて効果検証するような余裕はないと判断しました。だから、各案件での失敗はすぐに振り返って、自責に捉えて課題を洗い出し、翌日改善する。「昨日の自分よりも、今日の自分ができること」を増やしたことで、着実に成長できたと思っています。

 それを精度高く実行できたモチベーションの1つは「僕が成果を出さなければ、この事業は本当に潰れてしまう」という、良い意味での切迫感に似た責任でした。「自分が何とかする、自分がこの事業を存続させる」という想いを誰よりも強く持って、その信念を貫き通し、懸命に改善に取り組みました。

 もう1つは、成果を上げた社員が口を揃えて言っていた「地道に、当たり前のことを徹底した」という言葉でした。それを信じていたからモチベーションは一切ブレなかったですし、たとえすぐに成果が見えなくても「日々の徹底した改善に取り組み続ける意味があるのか」と疑う瞬間は、一度もなかったです。

新規事業での経験を振り返って、読者に伝えたいメッセージを教えてください。

 新規事業の魅力は「新しいサービスの価値の提供範囲」を「自分の手で広げられる」という楽しさです。新しい事業で「最適なやり方」が分からない中でも、自分が選択した行動を自分で正解にしていくことで価値貢献できた時の達成感は、新規事業の醍醐味ではないでしょうか。

 でも普段の業務は僕が学生の頃に思い描いていたほどキラキラしていないし、泥臭い業務がほとんどです。事業が黒字化するまでの間は、ずっと出口のないトンネルにいるような感覚でした。既存事業に配属されて順調に売上を伸ばす同期と比べ、出遅れていることを実感したり、やってもやっても成果が出ない焦りもありました。

 そんな中でも地道に頑張れたのは、人一倍「目的意識」があったからです。目標は、あくまで「目的を達成するための指標」であるのに「目標達成=目的」になってしまうと「何のために」必死に頑張っているのかが分からなくなってしまうことも少なくありません。そんな時「社会をこう変えたい」「こんな自分になりたい」などの目的があれば、その目的に向かって常に頑張り続けられる。つまり、仕事を継続し、圧倒的な成果を出すには「目的達成のために、目標という指標を置くこと」が大事だと考えています。

 そして、僕が今も大事にしているのが「このくらいで良いかと思ったとき『あともう一歩頑張れるかどうか』がその後の大きな差になる」という先輩からの言葉です。僕も「最速で、世の中に大きな価値を与える人になりたい」という目的意識があったから「あともう一歩」なんとかしがみついて頑張り抜くことができました。

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介護業界の現状を変えるため、組織拡大へ

事業への想いを聞かせてください。

 「介護問題で苦しむ人をゼロにしたい」という想いが、日増しに強くなっています。正直、入社前までは「介護」が身近ではなく、介護業界に特別な興味はありませんでした(笑)。でも今の事業に真剣に取り組めば取り組むほど、高齢化が加速する日本への危機意識が増していったんです。

 団塊世代が後期高齢者に突入する「2025年問題」を目前に、現在も日本中で介護に関する問題が起きています。例えば、介護のために仕事を辞める「介護離職」。肉体的・精神的な負担による介護疲れで、いわゆる「介護うつ」になる家族も少なくありません。これらの問題に対して、僕たちの事業が提供する「入居施設探しのサポート」が解決の糸口になれる可能性があります。

 「施設探し」は複雑で難しく、家族への負担が大きいのが現状です。例えば、介護保険や要介護度などの知識を理解した上で施設の入居条件を比較し、その人にとっての最適な施設を決める必要があるため、単にエリアと予算の掛け合わせだけでは入居先を選ぶことはできません。また、施設への理解が浅いことによって「思っていた生活と違う」という入居後のミスマッチが起こりやすい。さらに、介護士や他の入居者との密接な関わりがあるため「人との相性」も重要になります。そういった情報を自身で調べるには限界がありますよね。

 だからこそ、施設が探しやすくなるサービスが世の中に必要とされています。そして今、僕たちの事業はそのサービスに携われている。「僕たちの事業をより良く、より大きくすることで、日本の介護問題で苦しむ人を減らしたい。自分たちが何とかしないといけない」という想いを、チーム全員が共通して持っています。

今後の目標や、大井さんご自身が目指すキャリアを教えてください。

 組織目標は「価値を出し続ける仕組みを作り、日本の介護問題を解決すること」です。問題が山積する介護業界の現状を変えるには「組織拡大を通して業界内で影響力を持つこと」が必須。そこで、組織の急拡大に適応しながら、顧客に安定して価値を与え続けることができる体制への仕組み作りが求められていると感じています。

 個人のキャリア目標は「事業を自分で創ること」で、就職活動の時と変わっていません。今の最大のモチベーションは「ゼロベースから黒字化し、今後拡大フェーズに入る新規事業の運営に、中心メンバーとして携わっている」ことです。就職活動の軸だった「最速で、自身の最大価値が出せる環境」が叶って、実際に世の中に対する自分の価値提供の範囲が広がっている感覚があります。だからどんなに険しい状況でも、結局楽しいと思えるんです。これからも世の中の渇望するニーズに対して「新しい価値」を提供できるように挑戦し続けていきたいです。