CRMチームが目指す、顧客接点を「線」で捉えた先の利益最大化

レバレジーズのマーケティング・専門職組織【vol.2】

オールインハウスのレバレジーズグループでは、マーケティング職・エンジニア職・デザイナー職の社員が在籍しています。それぞれの部署でどのような業務を担い、どのような価値観を大切にしているのでしょうか。今回は「CRMチーム」について、責任者の久保さんに話を聞きました。(編集:徳永)

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プロフィール

久保(Kubo)
マーケティング部  CRMチーム リーダー
2014年新卒入社。東京大学経済学部卒業。ソーシャルアカウント・広告運用を経験後、PMとして医療・介護領域事業の基幹システムのリニューアルを実施。2018年に医療事業のマーケティング責任者に抜擢され、新規メディアの立ち上げや集客の粗利改善などを行う。2020年春にCRMチームにリーダーとして異動し、他事業部との連携推進やCRMの設計・構築、マネジメントを担う。趣味は野球観戦。

「CRMチーム」とは?

CRMチームの役割・ミッション

 CRMとはCustomer Relationship Managementの略であり、レバレジーズにおいては「ユーザー・クライアントとのコミュニケーション最適化」と定義しています。営業による電話や面談、メール・LINEといったマーケティングツールでの接触など、顧客との接点は多種多様。CRMでは、顧客ごとに適切なチャネル・タイミング・コンテンツでのコミュニケーション方法を設計しています。

 チームのミッションは「顧客接点の最適化により、事業利益を最大化する」ことです。事業会社であるレバレジーズのCRMとして、会社への利益貢献を重視しています。しかし「顧客接点の最適化」があって「事業利益の最大化」がついてくる、という順番に強いこだわりを持っています。事業利益は、ユーザー・クライアントがあってはじめて得られるものです。CV数など目先のKPIに一喜一憂するのではなく、継続あるいは複数回利用してもらえるようなコミュニケーションができるサービスになることが重要だと捉えています。最適な顧客接点から事業利益を拡大するサイクルを作ることこそが、CRMチームの役割です。

CRMチームの特徴

 「コミュニケーションの設計から実行まで、全てに携われる点」が最大の特徴です。一般的なCRM職務に加えて、事業全体で理想の顧客接点を実現するための戦略設計から実行までが職務範囲です。ここまで広い範囲を任せてもらえる会社は珍しいはずです。また職務範囲が広いCRMだからこそ、コンテンツ作成・データベース設計・エンジニアリング・プロジェクトマネジメントなど様々な強みを持つメンバーがチーム内に揃うことも特徴で、チーム内外で強みを活かし、補完しながら仕事を進めています。

■一般的なCRM職務
 ∟メール・LINE配信と、定量・定性分析を通じた成果の最大化
 ∟LP(ランディングページ)やエントリーフォームの最適化
 ∟MA(マーケティングオートメーション)ツールの選定・導入

■レバレジーズのCRM職務(上記「一般的なCRM職務」3点に加え)
 ∟顧客とのコミュニケーション設計(※)
 ∟自社CRM・SFAシステムのUI・UX設計
 ∟複数システム間のデータ連携の実装

※:カスタマージャーニーから、営業・ユーザー間のコミュニケーションのあり方までを含む


レバレジーズならではの魅力

1. 異なる専門性により、シナジー効果を生む協力体制

 レバレジーズはオールインハウス体制をとっており、営業・マーケター・デザイナー・エンジニアといった異なる専門性を持つ社員が揃っています。この体制を活かし、互いの知見を出し合いながら仕事を進めています。例えばこれを外部のパートナー企業に業務委託すると、情報開示に制限がかかったり、上下関係ができたりすることも少なくないでしょう。レバレジーズではそういった壁がなく、業務内外含めコミュニケーションが活発であり密に連携ししやすい環境があります。また、異なる専門性を持つ社員が社内にいることで、いつでもノウハウを共有し補完し合えるため、自らが伸ばす専門性の自由度が高いことも魅力です。

2. 理想を追求し、自ら実現できる環境

 レバレジーズには「自ら手を挙げ任される文化」が根付いています。CRM領域においても、事業方針や課題を踏まえた上で「ユーザーやクライアントとのコミュニケーションをどうすればより良くできるか」を考え、主体的に提案することで仕事が任されるサイクルがあります。しかし、それを「絵に描いた餅」で終わらせず、実現させることは簡単ではありません。技術的にどう実装するか、事業のオペレーションにどうフィットさせていくかなど、解くべき課題は山程あります。その課題を解きほぐし「自分の手で各事業のCRMを実現していくことが可能な点」にレバレジーズならではの魅力があります。

 例えば「看護のお仕事」や「キャリアチケット」においてのLINEリード獲得プロジェクトは、それぞれ新卒1年目社員や内定者インターン生が自ら手を挙げて提案・推進してきました。導入する配信ツールの検討に始まり、ユーザーとのコミュニケーションフロー設計、コンテンツ作成、広告作成出稿まで全てを一任され、導入後も成果を上げ続けています。不確実性の高い新しい領域・チャネルでのアプローチでも「事業成長に寄与する」と判断されれば、社歴や実績に一切関係なく採用される文化が根付いています。

ビジネスモデル上の役割

 ビジネスモデル上のCRMの役割を示したのが下記の図です。レバレジーズではCRMの役割を大きく4つに分け、サービス登録前ユーザーと接点を持つ「リード」、サービス登録から次プロセスへの移行を促進する「プロセス」、登録後に離脱したユーザーに再度サービス利用を促す「スリープ」、一度利用したユーザーに継続して利用してもらう「チャーン」と定義しています。人材事業を例に、各役割について紹介します。

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①Lead(リード)

 このフェーズでは「サービスに登録するかどうか決めかねているユーザー」へのアプローチを行いますが、求められる情報はユーザーごとに異なります。そのため、例えば新卒の就職活動支援を行う「キャリアチケット」の場合、「エントリーシートの書き方」「業界・企業情報」「イベント情報」など、受け取れる情報の選択肢を複数用意しています。ユーザーが自身の状況に合わせて情報を選ぶことで、次第にサービス自体へ興味を持ってもらい「就職・転職活動を始めるときにキャリアチケットを選んでもらうこと」がねらいです。

②Process(プロセス)

 「登録後のプロセス促進」を指します。ユーザーはサービス登録後にキャリアアドバイザーとの面談予約のプロセスに進みますが、CRMチームはそのプロセスをどうスムーズに進んでもらうか、つまり「レバレジーズのフローに気持ちよく乗ってもらうための設計」を担当しています。

 例えば、若年層の就職支援を行う「ハタラクティブ」で重点的に行っているのがこのプロセスの改善です。これまでは「どうすればサービス登録からキャリアアドバイザーとの面談予約までスムーズに繋げられるか」が課題でした。そこでCRMチームで行ったのが「面談予約フォームの改善」です。非常にシンプルだった面談予約フォームをLPのようなデザインに変更し「面談を受けることでどんな未来が待っているか」を提示することで、面談予約率が127%改善しました。あくまで一例ですが、このように、CRMチームではタイミングごとにどのチャネルで何を伝えるかを設計しています。

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③Sleep(スリープ)

 ここでは、登録後に離脱したユーザーに再度サービス利用を促すために、休眠顧客リストの活用を行います。CRMと言えばこの「スリープ」を連想する方も多いのではないでしょうか。例えば、エンジニアのSES・人材紹介サービスを展開する「レバテック」は社内で最も歴史の長いサービスで膨大な顧客リストがあるからこそ、そのリスト活用が重要な局面にあります。これまでメールマガジンでの掘り起こしを行って来ましたが、LINEなど新しいチャネルの開拓に取り掛かっています。

 看護師の人材紹介・派遣事業を行う「看護のお仕事」では、営業職の掘り起こしサポートを行っています。メールマガジンの開封・リンクのクリック・サイト訪問を行った「起床に近い休眠顧客」をリスト抽出。これにより、膨大な休眠顧客の全員に対して1から連絡するのではなく、再登録に繋がりやすい顧客に狙いを定めて連絡することが可能です。

 直近では、エンジニアの人材紹介サービスを展開する「レバテック」にて、求人のレコメンドシステムを開発しました。データ分析を行うデータ戦略室という社内部署との共同開発です。ユーザー1人ひとりの属性・過去の希望条件などの情報から、そのユーザーに合う求人をピックアップし送付しています。これまではある程度まとまったセグメントのユーザーに同じ求人を送っていましたが、より1to1に近い求人を送ることが可能になり、これにより求人の問い合わせが急増しました。

④Churn(チャーン)

 チャーンでは、稼働管理や入職後フォローを行います。サブスクリプションサービスでは「解約率」という意味で使われますが、レバレジーズでは「解約率を減らす」という意味があります。例えば、SES事業を行う「レバテックフリーランス」では「いかに長く稼働してもらえるか」が重要なため、チャーンに最も注力しています。また、各事業でユーザーへの入職後サポートを行っています。ユーザーに「サービス向上アンケート」としてヒアリングした入職後状況を定量化し、営業職に伝えています。これにより、スコアが低いユーザーには重点的にフォローが可能となります。

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CRMにとってのデータの重要性

データの一元管理・利便性の高いデータ蓄積が必要

 チームとして今最も注力しているのが「データの一元管理・利便性の高いデータ蓄積」です。顧客に対して「いつ・誰が・何をしたか」が分からない、分かってもデータが散らばっている、そんな状況ではいかに優れた戦略も絵に描いた餅で終わります。最適なコミュニケーション実現の鍵として、必要なデータを一元管理することに力を入れています。

 またデータの収集で終わらず、利便性の高いデータ蓄積にも腐心しています。MAなど他のシステムと連携することでデータ価値を最大化できるように、データベースの設計なども行っています。

顧客管理システムの開発例

 「看護のお仕事」「きらケア」を運営するレバレジーズメディカルケアでは、自社開発しているCRM・SFAシステムのリプレイスを実施しました。システム上からボタン1つで通話を可能にするだけでなく、LINEやSMSを送受信できるよう設計しました。これにより、ユーザーとの接点で発生したほぼ全てのコミュニケーションを顧客情報に紐づけて一元管理することが可能になりました。同時にデータベース構造を一新し、MAツールへのデータ連携も改善しました。

 一方で、コミュニケーション最適化のためとはいえ、営業職に負担を強いて効率が下がってしまうようなデータ蓄積は本末転倒です。これを回避するために、入力しやすいようシステム整備を進めています。オールインハウスで自社開発が可能だからこそ、実際にシステムを利用する営業職へ何度も直接ヒアリングし、フィードバックを活かしながら開発を進められる点が強みです。最近では営業職がユーザーと電話面談をしながら、効率的にデータ入力ができる機能を実装しました。最終的には「必要なデータを入力していくと営業職の業務が自動で進む状態」を目指しています。

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最後に

CRMチームの今後の展望

 CRMチームの今後の展望は大きく2つあります。1点目が「コミュニケーションの質の追求」です。CRMは、ユーザーに送るメールやLINEなどの点の改善だけでなく、顧客接点を「線」で捉え、サービス全体の顧客接点を最適化することを求められています。そのためには深い顧客理解はもちろん、データ理解やコミュニケーションフローの設計力など、幅広い知見・スキルが必要とされます。チームメンバーそれぞれが個の力を伸ばすとともに、社内の他チームと連携しながらコミュニケーションの最適化を実現していきます。

 2点目が「対象事業の拡大」です。現在CRMチームではレバテック看護のお仕事ハタラクティブキャリアチケットなど、社内の主要事業を担当しています。しかしM&A事業・海外事業などの新規事業が創設され、ここ数年でレバレジーズの事業数は約30事業に急増しました。主要事業と比べるとまだユーザーが少ない状況ですが、CRMチームがデータやコミュニケーションの設計を担うことで、事業拡大の一助になりたいと考えています。

 これらは全て、CRMチームの「顧客接点の最適化により、事業利益を最大化する」というミッションに紐付いています。社内の様々な職種・チームとの掛け算で、今後もさらに事業・会社へ貢献していきます。