誰が何と言おうと、事業にとってプラスになることを絶対にやり切る

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ひと

2020年4月に行われたレバレジーズグループオンライン全社総会で、ベストマーケターを受賞した鈴木さん。自身の業務範囲を越えて「ブランディング戦略」を提案し、たった半年間で成果に繋げた彼女に働く価値観を聞きました。(聞き手:徳永)

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Profile
  • 鈴木(Suzuki)
    マーケティング部 プロモーションチームLMCユニット リーダー

    2017年新卒入社。内定者インターンを経て、入社後は医療介護系事業や新規事業のアフィリエイト広告・ディスプレイ広告を担当。2年目で介護事業のアフィリエイト広告に加え、ブランディングプロジェクトの提案を自ら行う。クリエイティブ制作やオウンドメディアリニューアルなど、領域の垣根を越えて圧倒的成果を残し、2019年度ベストマーケターを受賞。2020年4月より医療介護系事業のプロモーションチームリーダーとして活躍中。趣味は、おいしい日本酒と焼酎を探すこと。

 

すべての軸は「小学生の頃からの夢」

学生時代について教えてください。

「世界中の人が今よりもっと人生を楽しめるきっかけづくりをしたい」という、小学生の頃から変わらない夢があります。例えば、ARを利用したテーマパークのような「人の興味関心を促進するデジタル空間」を創り、その人の五感を刺激し疑似体験できるアトラクションのようなものを生み出すことができれば、毎日変わりの無い生活を送るよりもきっと楽しいはず。さらにそれを複数人で楽しめることができれば、自分が全く興味が無かったテーマに触れることができて知識や興味の幅が広がります。そういった、少し人生が豊かになる空間を創りたいと考えていました。その夢を叶えるために必要なことを考えて、大学ではクリエイティブ・テクノロジー・マネジメントの3つが学べる理系学科を選びました。企画はもちろん経営も学ばなければ自分の思うように夢を実現できないと考え、いかに授業をインプットするか、目的意識を持って取り組んだ4年間でした。

レバレジーズを選んだ理由を教えてください。

就職活動の軸は「夢に一番早く近づける企業」でした。ただ、テーマパークの運営企業に新卒入社しても、自分の夢は叶わないと思っていたんです。なぜかと言うと、既存のテーマパークには守り抜いてきたコンセプトがあるのに対して、私がやりたいことは「新しく創り出すこと」だったからです。その実現のために「新事業を創るのに必要なありとあらゆる職能」を備えることと、人に協力してもらえるだけの信頼性を高める必要があると考えました。なので企業規模や職種にこだわらず「どれだけ広く・深く職能を身に付け多くの経験を得られるか」を基準に受ける企業を選びました。

 

その中でレバレジーズを選んだ理由は主に2点です。1点目は「任される職域の広さ」で、他社と比べて職種に関係なく「自分で仕事を獲りにいける環境」だと感じました。デザイナー社員と面談した際にマーケティングや事業企画も同時に行っていると聞き、ここまで幅広く職能を身に付けられる会社は他に無いと思いました。制限が無い環境で働く社員は全員が共通して仕事を楽しんでいて、自分もそんな環境で働きたいと感じました。

 

2点目が「社員の人柄の良さ」で、面談では約10人の社員に会いましたが本当に全員が魅力的な人たちだったんです。私は、仕事の成果に繋がらない人間関係のストレスにあまり労力を使いたくないと思っていたので、人として尊敬できる社員ばかりだったことは入社の意思決定へのインパクトが大きかったです。

 

サービスの軸となるブランドコンセプトの設計

ベストマーケター受賞に至った成果、評価された点を教えてください。

業務の守備範囲の広さ・実行までのスピード感とそこからの改善幅が評価されたと感じています。2019年度下半期は、会社から与えられた業務範囲を越えて戦略を立て、ブランディングを主軸としたあらゆる施策を実施した半年でした。具体的には、ブランド反映のための広告コストによる利益低下が起きないように、以前から担当している広告経路の運用改善で利益を担保しつつ、新しくブランディング施策を実施しました。その結果、自身が担当するアフィリエイト広告で両立できないと言われていた「CV数拡大・CPA抑制・転換率向上」を同時並行で実現し続けたことで、大幅な利益増加を達成しました。そして、ブランディング施策では、ユーザー・社内の双方へのヒアリングと市場調査の結果をもとに「ブランドコンセプト」を作成しました。この「ブランドコンセプト」をベースに、ランディングページ・広告文・バナー・YouTube動画広告・オウンドサイトの訴求内容を変更していきました。こうして、サービスの実態とユーザーの認識の乖離をなくし、ブランディングでも転換率向上を実現できたことが受賞に繋がったと認識しています。

 

ブランディングのためにまず取り組んだのが「ブランドコンセプトの作成」でした。これまで、介護事業の広告等で利用されてきた訴求は「年収アップ」や「労働条件の改善」で、現職の顕在的な悩みにフォーカスすることで転職や派遣登録の意欲を喚起し、サービス登録に繋げていました。このメッセージによって登録数は担保できていましたが、実際のキャリアアドバイザーは「より長く働ける職場」を紹介するために介護観や希望条件の背景までを汲み取り、マッチングを大事にした転職サポートをしていたんです。これでは「ユーザー側がサービス登録時に抱くイメージ」と「レバレジーズ側が提供できる価値」に一貫性がなく、効率的なサービス運営ができません。そこで、ユーザーの態度変容に繋がる知覚価値をみつけるために、ユーザー・社内ヒアリングの結果を元にユーザーにどんな情報が刺さるか複数仮説を立て、その立てた仮説のどれが刺さるかを未登録のユーザーを対象に調査・検証しました。その結果、ユーザーにとってインパクトの大きかった情報が分かり、その情報をベースにして「自分らしく働ける介護を。」というタグラインをはじめとするブランドコンセプト全体の情報設計を行いました。

 

次に取り組んだのが「ブランドコンセプトの反映」でした。作成したブランドコンセプトに紐づくユーザーの課題と、その課題を解決する自社の価値となるエビデンスをもとに、それぞれの媒体でどのタイミングでユーザーに何を伝え、このサービスをどういうものだと認識してもらうかを設計しました。こうしてユーザーの納得度が高まるようにストーリー構成する抜本的なクリエイティブ変更を行うことで、ユーザーイメージとサービスの実態との乖離を無くし、効率的な集客を実現しました。

ブランディングに注力した理由を教えてください。

「顧客獲得コストの上昇と転換率の低迷」が起きていたからです。今後も大幅に集客拡大していく介護事業において、ニーズが顕在化した瞬間の検索行動だけを対象にした集客には限界があり、コストが上がり続けてしまい利益率も低下してしまいます。それを解決するために、ニーズが顕在化する前から「サービス価値を正しく伝え、理解してもらうこと」が重要だと考えました。その理由はユーザーが価値を感じるサービスイメージを浸透させると、口コミ等でユーザーのパイが広がりやすくなり、且つ選ばれる確率を上げることができて結果的に獲得コストを低下させられるためです。また、ユーザーにサービスの価値を正しく認識してもらえると、登録後の転換率も上がる可能性が高まります。そこでブランディングに注力していくことを決めましたが、これに気付いてから実際にブランディング施策を実施するまで、実は1年以上かかりました。

 

その理由はブランディングが近年注目を集める一方、投資期間が長期的かつその効果が証明しづらい分野であり、ブランディングへの投資は会社にとって「大きな賭け」だったからです。他社でも実績が少なく有用性に疑問がある状態でブランディングに投資するよりも、明確に数値化して効果測定が可能な指標に投資した方が、会社として戦略を立てやすい。実際にこれまでレバレジーズでは、短期的に効果の出やすい施策の方が重要視されてきました。

 

それでも私が1年間取り組み続けた理由は「事業にとってプラスになることは絶対にやる」と決めていたからです。「利益が上がる」という自信がありましたが、当時は他社のデータや事例しかなく、投資に踏み切る裏付けにはなりませんでした。そこで、ブランディング反映の利益向上率を測るために、まずは自分の担当広告経路だけで小規模なテストを行いました。その結果、数値改善に繋がる成果が出たため、「大きな賭けでも必ず成功できる」と信じてブランディングを推進しました。そうして関係者全員の合意を得ることができ、最終的にはブランディング施策の効果を数値で証明できました。

会社から与えられた業務範囲を越えて、これだけの数のプロジェクトを短期間で実現できた理由を教えてください。

意識していたことは4つで、これらにより限られた時間の中でしたが主業務と両立しながら成果を出すことができました。

①全体の戦略だけでなく、小さいことでも必ず達成までの計画を立ててから実行すること

②PDCAを回す速度を早くすることで効果を最大化すること

③常にインプットを続けること

④施策や意思決定1つひとつに対してリスクヘッジを行うこと

①では、施策1つずつにおいてその施策を行う目的・方針を設定して達成までのストーリーを立てます。それに基づいて、ヒト・カネ・時間をどう配分するかを頭の中で綺麗に設計してから動き出せば、最短ルートでゴールまで辿り着けます。

 

②では、やることが決まればとにかくすぐに計画を立てて実行に移し、早くリリースすることを意識していました。そして、実施した施策の改善幅が少なければ施策を実施している間にも蓄積しているデータをもとに次の施策の準備をして、実施中の施策の検証結果が出たらすぐに次の施策を試せる状態にしています。

 

③では、その時の業務範囲に留まらず、事業の課題をベースに今後必要そうな領域の情報収集をし続けることを意識しています。これにより課題解決へ着手できる速度が上がり、且つ最初の段階から適用できる施策の確度向上や、施策の幅が広がり成果に繋がりやすい状態を生み出せます。

 

④では、小さな意思決定だとしてもリスクに対する対策を立てていました。そうすることで失敗の確率が下がり、より短期間で成功できる確率が高まります。


貫いてきた意思と、同期の存在

鈴木さんが大切にしているマインドを教えてください。

入社してから常々意識していることは「自分が担当する分野で、世界中の誰よりも成果を上げる」ということです。自分よりも良い成果を出せる人が世界中に1人でもいれば、それはまだ改善する余地があるということだ、と考えるようにしています。

 

だから入社してマーケティング部に配属された瞬間から「目標達成のためにできること」を徹底的に考え行動し尽くして、寝る間を惜しんで時間投下し続けてきました。同期もそうやって頑張っていたし、その努力をした同期たちは会社単位で見ても非常にインパクトの大きい成果を残していたんです。だから「自分もやらなきゃ」と自然に思えて、しかもそれが正しいと思えたことで、努力を続けてこられました。

今後の目標を教えてください。

この春から医療介護事業全体のプロモーション責任者になり「自チームをマーケティング部で最も収益性の高いチームにする」という目標を掲げました。そのために、自らも手を動かしてCPAや転換率改善を行い利益率改善事例を作りつつ、同時にチームメンバーが複数の高い目標を達成できるよう、育成やフォローに力を入れています。自分と一緒に働いているメンバーが「仕事を通して、自分よりも社会に良い影響を与える人」にすることが目標です。

 

今後の個人目標は「世界中の人が今よりもっと人生を楽しめるきっかけづくり」という夢の実現に向けて、レバレジーズのサービスをより拡大させていくことです。そのためには、まず「ブランディングにより業界No.1に近づいた」と言い切れるよう、成果を出し続けることが目標です。ブランディングは長期的に取り組む必要があるため、ここからさらに利益に繋げて成果を可視化していきたいです。

 

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