「ビジネスグロースチーム」によるオペレーショナル・エクセレンスの実現

レバレジーズのマーケティング・専門職組織【vol.4】

オールインハウスのレバレジーズグループでは、マーケティング職・エンジニア職・デザイナー職の社員が在籍しています。それぞれの部署でどのような業務を担い、どのような価値観を大切にしているのでしょうか。今回は「ビジネスグロースチーム」について、責任者の家坂さんに話を聞きました。(編集:徳永)

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プロフィール

家坂(Iesaka)
マーケティング部 ビジネスグロースチーム リーダー

2015年新卒入社。エンジニア向け人材サービスのマーケティングを担当し、入社2年目でリーダーに抜擢される。その後、全社を横断し緊急の企業課題を解決するタスクフォースチームへ異動。5年目にビジネスグロースチームを立ち上げ、現在はリーダーとして複数事業のオペレーションマネジメントによる利益率最大化に奮闘中。趣味は漫画を読むことで、今のオススメは『アオアシ』。

「ビジネスグロースチーム」とは?

チームの設立目的・ミッション

 ビジネスグロースチームは「オペレーションズ・マネジメント(OM)」と呼ばれる、顧客対応プロセスの全体最適化を専門領域としています。レバレジーズは主要事業をメディア領域、人材領域でビジネス展開しています。そのうち人材領域の事業には、ToC/ToB両面の顧客の「サービス登録・契約」から、両者がマッチングして内定承諾に至る「受注」までのプロセスが存在します。この「一連のプロセスの動きを最適化し、マッチングの総量を最大化すること」が、ビジネスグロースチームの設立目的です。

 チームのミッションには「オペレーショナル・エクセレンスの実現」を掲げています。オペレーショナル・エクセレンスとは、業務オペレーションが現場に定着し、競争優位性になるまで磨き上げられている状態のことです。人材領域は参入ハードルが低く、まさにレッドオーシャンな市場です。また、基本となるビジネスモデルが求職者と企業のマッチングを軸にした数パターンに絞られるため、限られたリソースで競争優位性を築くのが難しい市場でもあります。このためレバレジーズでは「現場の業務遂行力を模倣不可能なレベルまで高めること」で競合他社との差別化を実現し、各事業の業界シェアを伸ばしたいと考えています。

チームの魅力・やりがい

 「自分が事業を成長させることで、世の中に貢献している実感を強く得られる点」が、ビジネスグロースチームの仕事のやりがいです。他社では大抵の場合、セールス出身者だけで「営業企画部」を構成し、主にToB側の営業戦略の立案からプロジェクト実行までをミッションに置いています。それに対し、レバレジーズでは「セールス・マーケティング双方から適性のあるメンバーを集め、ToC/ToBの両面でプロジェクトを推進」しています。領域が広くなればなるほど指数関数的にミッションの難易度は上がりますが、両面のプロジェクト推進によりビジネス全体の最適化が可能になります。この領域の広さと、所属メンバーの多様性がチームの強みです。最先端のマーケティングツールを駆使して「事業の問題を1つひとつ解決し、それがユーザーの声となって返ってくること」が、大きなやりがいに繋がっています。

ビジネスグロースチームの2つの業務内容

・組織設計(ミッション・業務プロセス・KPI・権限・情報伝達等の設計)
・ToB領域の収益モデルの確立


組織設計

 組織設計とは「戦略実現を目的に、メンバーが高い成果を上げやすい仕組みを作る」業務です。これまで、業務の本来の目的達成のために、既存組織・制度を抜本的に見直す「BPR」を中心に取り組んできました。アサインされたメンバーは、事業のプロセス全体を見てボトルネック(※1)を特定し、3ヶ月~1年規模のプロジェクトの立案・実行のマネジメントを全て1人で行います。

【プロジェクト例】
・ToC向け
 ∟顧客のUI/UX(※2)の側面からのCVR(※3)改善プロジェクト
 ∟RPA(※4)による生産性引き上げプロジェクト

・ToB向け
 ∟CRM・MAツール(※5)導入プロジェクト

 また、事業全体のオペレーションを最適化するには、機能配置から業務設計まで幅広い領域に対応する必要があるため、1つのプロジェクトの完了後は全く異なる知識が必要なプロジェクトに取り組むことも多くあります。プロジェクトによっては大規模な予算を付けて、抜本的なプロセス改善を行うことができる点も魅力です。

 ボトルネックを見つける上で必要なのは「肌感覚を掴めるレベルでビジネスを理解すること」です。机上のデータだけを見てボトルネックを探すのではなく、日頃からセールスのリーダー会議に出席したり、セールスの座席近くで業務観察をしたりなど、その月の数値進捗や課題感をはじめ生の声を聞くことで、現場と同じ目線に立つところから始めます。現場の課題感とデータを横並びに見たときに発見できる共通項や矛盾から、根本原因の仮説を立て、企画書に落とし込みます。現場から見て違和感があるままでは、当然ながらプロジェクト実施時に現場の協力を仰ぐことはできません。

 また、同じ人材領域のサービスでも、ビジネスモデルやフェーズが異なれば、その特性に合わせてリソースの投資先を変える必要があります。例えばレバレジーズの人材事業のビジネスモデルは、フロー型・ストック型に分かれています。フロー型の人材紹介は基本的には一度就業が決まると、次の転職時に再度サービス登録してもらわない限り、1顧客あたりのサービス利用は1回で終了します。それに対して、ストック型の人材派遣は求職者が希望すれば短期間で繰り返し就業先を変えて派遣を行うため、サービスを利用し続けてもらえるかが中長期的な利益に非常に大きな影響を与えます。この他にも、事業の特性によって本質的に最適なオペレーションは異なります。チームメンバーには、それらを見定めプロジェクトを企画する力が求められています。

※1「ボトルネック」:全体の作業工程のうち処理能力や容量などが最も低く、目的達成の障害になる部分のこと。
※2「UI/UX」:UIとは、User Interfaceの略。ここではユーザーがPCとやり取りをする際の入力や表示方法などの仕組みを指す。UXとは、User Experienceの略。ここではWebサイトを通じて得られる体験の総称を指す。
※3「CVR」:Conversion Rateの略。ここではWebサイト訪問者のうち、サービス登録に繋がった割合を指す。
※4「RPA」:Robotic Process Automationの略。事務作業などをソフトウェア型のロボットが代行・自動化すること。
※5「CRM・MAツール」:CRMとはCustomer Relationship Managementの略であり、レバレジーズにおいては「ユーザー・クライアントとのコミュニケーション最適化」と定義する。MAツールとはMarketing Automationツールの略で、顧客開拓におけるマーケティング活動を、可視化・自動化するツールのこと。


ToB領域の収益モデルの確立

 レバレジーズで展開している人材事業は、エンジニア・デザイナー・看護師・介護士など働き手が供給不足である市場を戦場としています。そのため、これまではToC側のプロセス改善を中心に取り組んで来ましたが、市場状況の変化や事業規模拡大のため、全社的にToB側のプロジェクトへ注力し始めています。その中から、現在推進している2つのプロジェクトをご紹介します。

 1つ目のプロジェクトは「求人管理」です。ECサイトを思い浮かべると分かりやすいですが、顧客のサイト訪問時には欲しい商品の在庫があることが非常に大切です。同じように、人材事業もサービス登録時に「求職者の希望条件に合う求人」が保管できているかが、受注に至るか否かに大きな影響を与えます。また、社内の各人材事業では数多くの求人を保管していますが、情報が足りない求人や更新されていない求人では、顧客に十分な魅力を伝えることができません。全ての求人で年収等の労働条件・社内の労働環境情報が網羅され、内定を得られる経験やスキルの傾向等を明らかにすることで、最適なマッチングを実現できるようになります。

 2つ目のプロジェクトは「需要予測に基づく企業開拓」です。1つ目の「求人管理」で今保管している求人の有効活用を実現した後は「集客状況によって変化する求職者側の需要を予測し、今後不足が見込まれるセグメントの求人を事前に新規開拓」しておく必要があります。人材事業では、サービス登録後にキャリアアドバイザーが面談を行い、その中でヒアリングした顧客の経験やスキル・希望条件から、求められている求人を選定します。このようなマッチングのデータ推移から顧客の需要を予測し、企業・求人の新規開拓を行うことで、より顧客満足度の高いサービス提供を目指しています。

 これらのプロジェクトを実施するにあたり、CRMとMAの統合システムの導入を行いました。数万社ある企業を人の手で1件ずつ管理するのではなく、システムを導入することで管理の自動化を実現することが目的です。人とシステムの両方を組み合わせることで、LTV(※6)で分割したいくつかの企業群に対して、それぞれの営業戦略に沿った最適なコミュニケーションの追求が可能になります。これには、セールスサイドと、エンジニアサイドの両方の知見を持って、新規の業務プロセスを設計しシステムに落とし込むことが必要であり、ビジネスグロースチームが指揮を執って導入推進しました。

※6「LTV」:Life Time Valueの略。顧客が取引を開始してから終了するまでの期間に、自社に対してどれだけ利益をもたらしたか、収益の総額を算出するための指標のこと。

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ビジネスグロースチームが大事にしている行動・価値観

「多様性を力にする」

 チームでは現場を巻き込む際はセールス、システム導入時にはエンジニア・デザイナー・ディレクターと関わり、多職種間で連携して日々業務を行っています。その際「多様性を力にすること」を大切にしています。職種・年齢・年次など多種多様な社員と1つのプロジェクトを動かす時に「最初から自分の方針を通すつもり」で対応してしまうと、必ずと言って良いほど理解を得られず失敗に終わってしまいます。ここで大事なのが「最適解を一緒に模索する姿勢」です。相手に適切な説明ができていても意見がずれてしまうのは、それぞれが持っている情報やこれまでの経緯、感情的な側面を、お互いに理解し合えていないことが原因である可能性が高いためです。ビジネスグロースチームが扱う大きなプロジェクトは1人の力だけでは実現できず、必ず周囲の助けが必要です。もちろん自分の意見は持つべきですが、異なる専門性や経験を持つ社員の意見を集め、最初の方針をいかにバージョンアップできるかが非常に重要です。そのため、多様性を活かし成果を最大化する考えを根本に持つことを大切にしています。

「自ら創り、自ら決め、自ら巻き込む」

 チームの仕事は誰かから依頼されることはなく「自身で仕事を創る」必要があります。これは、全プロジェクトが「プロジェクトを終えても同じ成果が出続けるよう、仕組み化することがゴール」であるためです。そのため、プロジェクトが終わった際に仕事が無い状態に陥らないよう、常に2、3歩先の事業の理想状態を描き続け、課題を見出しておく必要があります。また次のプロジェクトは場当たり的に探すのではなく事業戦略から下ろして立案するため、事業責任者と同じ視座を持つことが求められます。事業全体を見て、常に今起きている問題のボトルネックを追求しておかなければいけません。この「仕事を常に創り出すサイクルの確立」を大切にしています。

「ロジカルであり、エモーショナルである」

 チームはいわば「今の状態を壊し、変化を起こす役割」を担うため、変化を起こされる側の理解と協力を得てプロジェクトを動かす必要があります。そのとき、全てを論理的に筋道が通った説明をするだけでも、ただ感情に訴えかけるだけでも相手に動いてもらうことはできません。社内には、部長と論理的な合意形成をすれば全体が動くトップダウン型の組織もあれば、現場との感情的な合意形成が重要なボトムアップ型の組織もあります。トップダウンの場合は、部長と事前に課題感のすり合わせをした上で、改めてそのプロジェクトの目的や事業へのベネフィットを端的に伝えることを意識しています。対してボトムアップの組織の場合は、現場のコアメンバー1人ひとりと関係構築をして共通目標を作るプロセスが必要ですが、これによって現場感を掴むことができ、プロジェクトの進捗が圧倒的に早くなります。対象に合わせて論理と感情の両方を使い分けて信頼を得ることで、プロジェクトを前に進めていくことを大切にしています。

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最後に

今後の目標

 今後取り組みたいことが2点あります。1点目は「主要事業の重要指標を横串で可視化すること」です。現在、事業毎にBIツール(※7)で可視化しているデータから効率性を表す指標を中心に集約し事業状況を横並びで比較することで、貴重なリソースをどの事業でどんな使い方をするのか、正しい意思決定をしたいと考えています。特に「アクセルを踏むタイミング」を間違えないように、先手先手で動ける状態を作りたいですね。

 2点目は「実践的なナレッジの還元」です。ビジネスグロースチームはプロジェクトごとに必要な専門知識が異なるため、その都度新しいインプットが必要です。また、この領域のナレッジには社外秘である戦略や組織情報が含まれやすいため、業界のどの企業もあまり詳細なナレッジを公開していません。そのため、組織として成果に直結する専門性を高めていくためには「実践を通して得た学びを蓄積すること」が重要だと考えています。そこで毎週1人ずつ、自身のプロジェクトについて目的や思考プロセス、結果から得た学び、次にどんな事業に活かせるかをプレゼンし、知識を共有しています。専門書の記載事項を実際に行った結果、予想と全く違う結果になったケースもあり、着実に会社にとって有益な情報を蓄積することができています。

 これら2点の取り組みを通して、最終的には「事業をグロースさせるに欠かせない存在になること」を目指しています。事業の成長促進は顧客への提供価値の増大と同義だと捉えているため、レバレジーズの全ての事業が業界No.1を獲得する後押しをしていきたいです。それにより、各業界でレバレジーズが「最も貢献できている状態」を創り出し、レバレジーズ全体の社会貢献性をさらに高めていきたいです。

※7「BIツール」:Business Intelligenceツールの略。企業の基幹システムで生成されたデータを、ユーザ自身が抽出・加工するためのアプリケーションソフトウェアのこと。