次に目指すはCXO。制作会社と事業会社を経験したデザイナーの戦略的キャリアパス

f:id:leverages200546:20210721105409j:plain 今回はレバレジーズのデザイン組織で活躍される、沼田さんにお話を聞きました。自身の足りないスキルを埋めていくように、独特なキャリアを歩まれてきた沼田さん。順調にステップアップしてきた彼のキャリアパスは、自身が求めるスキルを着実に手に入れる、戦略的なものでした。まだ自分のデザイナーとしての理想像を鮮明にイメージできていない方にとって、沼田さんの価値観や経験はとても参考になるはずです。ぜひ最後までお読みください。

<プロフィール>
沼田(Numata)
マーケティング部 デザイン戦略室 デザインリーダー 兼 レバテックフリーランス オウンドメディア責任者
東京芸術大学油絵科を卒業後、制作会社、外資系広告代理店、スタートアップを経て2020年にレバレジーズへ中途入社。レバテックデザインチームのリーダーとしてレバテックに関わる全クリエイティブを統括する傍ら、レバテックフリーランスのオウンドメディア責任者も兼務している。

与えられた仕事をこなすだけでは、自分の市場価値は上がらない

経験豊富なことがプロフィールから伝わってきますが、沼田さんはなぜこのようなキャリアを歩まれてきたのでしょうか?

一貫して言えることは、その時々で自身に足りないスキルセットを見極めて、それが得られる環境に身を置いてきたことでしょうか。大学では油絵を専攻していたこともあり、卒業当初は美術表現や芸術表現を極める「アートディレクター」を目指していました。

そこから各社で経験を積んでいく中で、デザイナーとして事業に携わる面白さに気付き、「クリエイティブディレクター」への転向を決めたという経緯です。

例えば、新卒で入社した事業会社から制作会社に移った時は、デザインスキルをきちんと身につけたいと思い転職をしました。僕がいた事業会社には、「売上さえ立てばデザインはどんなものでも良い」という風潮があったんですよね。

軸となるサービスが固定されていると、それに伴ってクリエイティブの幅は狭くなってしまいます。そのまま働いていてもアートディレクターとしてのキャリアは広がらないと思い、転職を決意しました。

そうして移った制作会社や広告代理店では、裁量自体は広がりました。しかし社内外注に近い働き方で、ほとんどが「こういうものを作って欲しい」と上から降ってきたものを、ひたすら捌いていくような仕事でした。

そこでふと、与えられたものをただこなす仕事よりも、もっと本質的に「なぜそのデザインを作る必要があるのか」といった、事業の上流部分から深く考えられるようになりたいと思ったんですよね。

これが、クリエイティブディレクターの道を目指すようになったきっかけです。また「デザイナー」としての市場価値を高めるために、事業づくりへの深い理解は絶対に欠かせないことも分かっていたので、再び転職を決めました。

制作会社や広告代理店には、デザイン領域以外の仕事に携われる環境はなかったのでしょうか?

デザインの制作領域においては幅広く仕事を任されていましたが、そのデザインを制作する意味であったり、どの事業フェーズにおける施策なのか、といった事業の上流から関与することはできませんでしたね。

例えば、5〜6年前は「TwitterなどのSNSでバズらせる企画を考えて欲しい」と依頼されることがよくあったんです。これ、目的としてはそのプロダクトの認知拡大ですよね。

ですが、制作会社などではその背景や目的をクライアントから教わることはなかなかありません。広告の設計図であるクリエイティブブリーフを営業担当から渡されて、「はい、作って」という感じで。

デザインを作る目的や意図が分からない状態で制作しても、スキルは上がりません。何よりモチベーションに繋がらなかったですね。

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「なぜそのデザインなのか」を知ることで、デザイナーとしての価値は上がる

その中で、事業会社に転職されたのはなぜでしょう?

事業会社に行けば、クリエイティブディレクターとしてのキャリアを歩めると思ったからです。デザイナーのキャリアを考えたときに、選択肢は2つあります。

ビジュアル部分の表現に裁量を持つアートディレクターと、マーケティング領域にも責任を持つクリエイティブディレクターです。

僕自身は当初アートディレクターに興味がありましたが、経験を積む中で自分の強みが「成果に結びつくようなデザインを作ること」だと思い、クリエイティブディレクターにキャリアを寄せていきました。

広告代理店にいた当時、デザインを「自己表現」と置き換える人が結構いたんですよ。「広告賞を獲るために、心に刺さるムービーを撮りたい!」という発想でデザインを考えるような人がいたりして、デザインの目的を理解していない人が本当にたくさんいました。

そんな中で、自分の「成果を残せるデザインを作れること」は大きな強みになると思い、スタートアップの事業会社へ転職を決めました。次のキャリアとしてスタートアップを選んだ理由は、抱えるデザイナーが少ないと自分の裁量も広くなりますし、ブランディング領域も任せてもらえるのではないかと思ったからです。

そうすれば、成果を追うデザインを制作しながら、自身のデザイン領域も同時に広げられますからね(笑)。

少し気になったのですが、「自己表現」をしたデザインと「成果」は結びつかないものなのでしょうか?

結びつかないことが多いと思いますね。例えばプロダクトの認知を狙った施策の場合、ただインパクトがあるビジュアルや企画だけだと、正しくプロダクトが認知されることなく、その斬新さだけが記憶に残ってしまうことがあります。

「インパクトを狙う」という方向性は同じでも、その中でプロダクトに関連した場面設定や表情を見せるなど、認知獲得のためのエッセンスを適切に入れ込むことが大切なんです。

ここが考慮されないと、デザイナーがただ自己表現をしただけの、「自己満足な作品」で終わってしまいます。それでは成果に全く繋がらないですよね。

デザインの目的をきちんと理解し、それに沿ったアウトプットで事業成果に繋げていくことがクリエイティブディレクターには求められると思います。 f:id:leverages200546:20210714203350j:plain

事業会社に転職されてから、キャリアの幅は広がりましたか?

今まではWEBデザイナーとして「デザインをどうするか」についてひたすら考え続けてきました。ですが事業会社に入ってからは、事業の上流からデザインの意味や方向性まで包括的に考える、「サービスデザイナー」としての色が強くなったと思います。

基本的な業務内容に変わりはありませんが、マーケティング領域にも関わるようになり、事業づくりの感覚が徐々に出てきたんです。

デザインがどのように事業の成果に結びついているのかが理解できていないと、「事業をグロースさせるためにどんなデザインが必要なのか」といった勘所を鍛えることはできません。

デザイン制作で考慮すべき点が正確に把握できるようになると、アウトプットの質も必然的に高くなります。この部分は事業会社で働くことでしか習得できないので、転職して良かったと思いますね。

採用のミスマッチで感じた
「自分がやりたいこと」ができる環境を選ぶ重要性

「スキルを広げる」という意味で、スタートアップは環境として最適な気がしますが...なぜ転職されたのでしょう?

資金力の問題から、デザイナーとしてできることの限界を感じたからです。

確かに、裁量はかなり広くなりました。ですが、会社に潤沢なキャッシュがないと、必然的に大きなプロジェクトはできなくなりますし、新しいことに投資すること自体が難しくなります。そうすると、特に変化のない同じような業務を繰り返すことになるんです。

「領域に捉われることなく、幅広い経験が積める」と考えて入社をしたものの、2年ほどでやれることはやり切った感覚がありました。

次の転職では、資金体力があり、ブランディングやプロモーションにリソースを投下できる会社に入ろうと思い、当時従業員数100名ほどのベンチャー企業への転職を決めました。

転職後は、思ったようなスキルを手に入れることはできたのでしょうか。

結論、できませんでした。僕が転職した会社は業績も伸びていて、ここからブランディングに力を入れていくフェーズでした。だからこそ入社を決意したのですが、実際はブランディングに投資する意味を社内に理解されていないと言いますか、軽視されているような状況で...。

採用のミスマッチも散見され、デザイナーが求めている業務内容や裁量の大きさといったインサイトを、組織側がきちんと理解できていなかったんですよね。

僕はクリエイティブディレクターとしてのキャリアを歩むために、事業に深く関わっていける環境を求めていました。なので、このままでは望んだキャリアを叶えられないと思い、再び環境を変えることにしました。 f:id:leverages200546:20210714185622j:plain

その後レバレジーズに転職されるわけですが、ここには何を求めて入社されたのでしょうか?

僕が転職してきた2020年、当時レバレジーズではデザイン組織を立ち上げて、ブランディングやプロモーションへの投資を強化していくフェーズだったんです。

自分のキャリアを考えたときに、組織づくりに1から関われるのはチャンスだなと。

サービスブランディングにおいても、まだまだデザインで事業を伸ばせると感じたんですよね。自分が大きな裁量を持って仕事ができると直感的に感じ、入社を決意しました。

「自分の領域を広げ続けたい」
レバレジーズは挑戦したいデザイナーにとって、最適な場所

実際にレバレジーズで働かれてみて、入社前に求めていたものは得られましたか?

はい。レバテックという、レバレジーズで1番大きな事業部のブランディングに携われていますし、マーケティングやマネジメントといった自身のスキルを広げることも出来ています。

またデザイナー出身としてはかなり珍しい、PO(プロジェクトオーナー)のポジションも今は任せてもらえているので、これは嬉しい誤算でしたね。

また、レバレジーズに転職して特に良かったのは、マーケティングに対する理解がより深まったことです。

インハウス型の組織なので、デザイナーとマーケターが二人三脚でプロジェクトを進めています。今までは、デザイン周りの狭い領域にしか関与していませんでしたが、マーケターと仕事をしていく中で、事業戦略から各施策の背景まで理解できるようになったんですよ。

個人的にレバレジーズのマーケティング部はロジックが強いと思っているので、そんな会社のマーケティングチームと併走しながら事業作りに関われることは、デザイナーとしてのキャリアを考えても非常にプラスになると感じています。

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沼田さんの今後の目標は何でしょうか?

マーケターたちが納得するような定量的な材料を示して主導権を握りつつ、自身の勘所を生かした仕事をしたいと考えています。

UX観点では、もう少しバリュー提供やアウトプットの質を高められたらと思いますね。僕は体験設計の領域でCXOになることを目指しているので、これからも現状に満足することなく、勉強やスキルアップを続けて自己研鑽を重ねていくつもりです。

最後に読者の方へ向けて、何かメッセージをお願いします。

レバレジーズは「デザイナー以上になりたい」や、「より自分の領域を広げたい」という目標を持っている人にとっては最適の場所だと思います。僕のようにマーケティング領域にも関わることができますし、やる気と適性さえあれば、何でも挑戦できる環境です。

事業の本質を捉えたデザインを制作する、クリエイティブディレクターとしてのキャリアを突き詰めていきたい人は、是非レバレジーズのデザイン組織を検討してみてください。 f:id:leverages200546:20210715100005j:plain

沼田さん、ありがとうございました。

「自分が何を作りたいか」より、「事業にとってどんなデザインが必要か」という本質的な考えを自然に持っている沼田さん。デザイナーに限らず、どんな職種であっても「自分がしたいこと」と「事業に必要なこと」の区別は曖昧になってしまいがちだと思います。そんな時はぜひ、沼田さんのように冷静に自身を見つめ、本質的な仕事は何か今一度考え直してみてはいかがでしょうか。今までは気づくことがなかった、新たなキャリアが見えてくるかもしれません。