代表岩槻に聞く、2021年度スローガンが「よかった」の追求になった理由

経営カルチャー代表インタビュー

カルチャー

レバレジーズでは、1年ごとにスローガンを掲げています。2021年4月に開催された全社総会にて、代表の岩槻から今年のスローガン「(顧客からの)よかったの追求」が発表されました。そこで今回は、「『よかった』とは具体的に顧客のどのような感情を指すのか」「なぜ今のレバレジーズにとって顧客からの『よかった』という感情が重要なのか」といった疑問を直接代表にぶつけてみました。スローガンの設定背景や目的を深く理解できますので、ぜひ最後までお読みいただければと思います。(聞き手:杉江)

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なぜ今のレバレジーズに顧客からの「よかった」が必要なのか

今回はよろしくお願いします。早速ですが、今年のスローガンはなぜ「よかったの追求」になったのでしょうか?

「よかったの追求」は言葉だけ聞くと単純に聞こえるかもしれませんが、実は裏に様々なロジックがあります。せっかくの機会なので、細かく説明させてもらいますね。

まず、今年のスローガンが「よかったの追求」になった背景は、社会的要因とレバレジーズならではの要因、この2つに大別できます。

 

最初に社会的要因から説明させてもらうと、これには個人の価値観の多様化や、消費者が成熟し始めたことが大きく関係しています。

今や、人間が金銭的な欲求や承認欲求だけでは満たされない時代に突入していることは、皆さんも肌で感じていますよね。さらに、コロナの影響で新しい需要が生まれたりと、顧客が求めているものやそれを求める背景は時代とともに幅広くなっています。

 

そんな彼らの多様な欲求を満たすために、顧客一人ひとりに対応した、きめ細かで柔軟なサービスが今の時代には必要とされているのです。

また消費者が成熟すると、サービスに対する情報の非対称性は企業と消費者の間で少なくなります。私たちは自社のサービスの善し悪しを、もはや顧客に対して隠すことは出来ません。

 

当社のサービスを利用しようと考えてくれている人は、大抵が他の類似したサービスと比較しながら、その品質を見極めようとしています。業界全体の質の相場を誰でも把握できるようになった今、顧客は様々な期待を胸にレバレジーズにやってくるのです。

私たちは、その中で尚「レバレジーズに頼んでよかった」と思ってもらう必要があります。

 

だからこそ、顧客の「よかった」を追求すること、つまり最後まで質の良さを求めてこだわり抜くことが、今のレバレジーズには求められているわけです。

 

なるほど。先程お話にあった、「レバレジーズならではの要因」とはどういうことでしょうか?

端的に言うと、「業界でサービスを利用して頂いてる方に圧倒的なサービスを提供するために、レバレジーズ全体の底上げが必要になった」ということですかね。これには「レバレジーズ自身の課題」が関係しています。

 

自社の事業ドメインが日本の成長産業ということもあり、レバレジーズは自分たちのキャパシティを越えて急速な成長を遂げてきました。社員の皆さんも実感していると思いますが、新しいリーダーポジションが次々に生まれているために、役職や職種問わず人材不足には常に悩まされています。

 

これは組織が急拡大できているからこその悩みなので、嬉しい悲鳴でもあります。ですが人員を急増させることで「以前までのサービスの質を維持する為に、心がけから共有することが必要」という新たな課題が表出してしまいました。

その問題に対処するために、何としても社員全員(チームレバレジーズとして)の「目線合わせ」をする必要があったのです。

レバレジーズの理念である「関係者全員の幸福の追求」にも繋がってきますが、コロナの影響で会社の成長率が弱まった今だからこそ、これを皮切りに品質の追求、ひいては顧客の「よかったの追求」をして欲しいという思いで今年のスローガンを設計しました。

 

去年のスローガンは「質の追求」でしたが、「よかったの追求」は去年と何が違うのでしょうか?

目標としているステージが違います。前年度の「質の追求」では、質が低い部分をなくすことを目指していました。「マイナス要素をゼロにする」といった感覚でしょうか。

 

ですが、今年はより高次な「当社に関わってくれた人の感情」にフォーカスすることで、顧客の感情をプラスに持っていくことを目標にしてます。

前年度スローガン「質の追求」

最後までこだわり抜いてこそ、「本当に良いサービス」は作られる

具体的にはどのように「よかった」を追求していけば良いのでしょう?

それについて考えるためには、「顧客がどんな時に満足するのか」を理解する必要があります。顧客の「よかった」の源泉を知るために、最近レバレジーズでは「狩野モデル」を参考にするようになりました。

 

このモデルでは、顧客が商品に対して知覚する品質には、「魅力的品質」「当たり前品質」「一元的品質」の3つがあるとされています。

 

「魅力的品質」とは、満たされていれば顧客が満足し、満たされていなくても顧客が不満に思わない品質のことです。流行し始めた時の、Uber Eatsのような感じですね。

Uber Eatsが日本に入ってきた当初は、そのサービスの「新しさ」に魅力があったと思います。なので、例え配達物の料理が少し冷めていたとしても、テンションが下がることはあまりなかったですよね。

 

普段出前してくれないレストランのものが食べられるから「まぁ、しょうがないか」と。それが、「魅力的品質」にあたります。

一方の「当たり前品質」はというと、これはその名の通りなのですが、顧客にとって「あって当たり前」の品質のことです。飲食店の清潔さなどがこれに該当します。

 

食事をするところで虫が湧いていたり、机がベタベタしていたら、誰も良い気持ちはしないですよね。

最後に「一元的品質」は、満たされていれば顧客はより満足するけれど、満たされていないと不満に思う品質を指します。

 

例えば、ファーストフード店の商品提供の速さなどですね。折角ファーストフード店に来ているのに、提供が遅ければ不満に感じるでしょうし、逆にすごく早ければ「おっ」と良い驚きがありますよね。

もう皆さんお気づきでしょうが、前年度のスローガンの「質の追求」はすなわち「当たり前品質」の強化にあたり、今年度のスローガンは「一元的品質」の強化にあたるわけです。

 

つまり、当たり前品質を高めることでサービスのマイナス要素を失くし、一元的品質の追求で顧客の「よかった」を生み出す。

 

このことによって、顧客にとっての「本当に良いサービス」は作られていきますし、自社のサービスを利用される方への価値や競合優位性も必然的に高くなっていくよね、という話です。

 

つまり私たちは、「当たり前品質」と「一元的品質」の強化を目指していけば良いのでしょうか?

その通りです。例えば、営業では「顧客への対応や返信の抜け漏れがないこと」が当たり前品質になりますし、一元的品質には「ヒアリングのうまさや、顧客への提案の品質が高いこと」などが該当しますね。

 

顧客満足度を測るために、何か参考にできる指標はありますか?

顧客満足についてレバレジーズでは、定量的な数値はNPS(ネットプロモータースコア)を、定性的な評価はユーザーヒアリングを参考にすることで、サービスへ対する客観的な評価を把握しています。

 

この「NPS」というのは顧客ロイヤルティを測るもので、顧客がサービスに対して本当に満足しているのか、自分たちがきちんと価値貢献できているのかなどが分かる指標です。

その指標を高めるため、ヒアリングの様子を録画したビデオを毎週上映して社員で見るなどの取り組みをしています。

 

NPSを高める努力をしながら、同時に顧客の生の声もしっかりと拾っていく。これができて初めて「顧客が本当に良いと思うサービス」は実現できます。

 

皆さんにはぜひ、このことを意識しながら仕事に取り組んでいただきたいですね。

 

最後に、社員の皆さんへメッセージをお願いします。

レバレジーズの規模拡大と、競合性が高い業界で戦っているという環境が相まり、サービスそのものの差別化が容易ではなくなったきたと感じています。

 

だからこそ、例え競合と同じことを行っていたとしても「その中で最も顧客に貢献できる組織であるかどうか」が今まで以上に重要になっているのです。その上で戦略が優れていれば、レバレジーズは顧客にとって必要不可欠な存在になることができます。

 

僕は、戦略を引いたり組織体制を整えることで、皆さんが働きやすい環境を整えることはできます。ですが実際にプロダクトを作ったり、顧客と直に接することができるのは社員の皆さんだけです。

 

故に、皆さんには「自分のほんの少しのこだわりが、ほんの少しの思いやりが顧客の心を動かし、レバレジーズを大きくしていくんだ」という自覚を持って仕事をしていただきたいと思います。

 

岩槻さん、ありがとうございました!

 

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