全ての答えは現場にある。インハウス組織の「データ戦略室」で働く魅力
事業 / サービス
データ戦略室は、データ分析の効率化と、データドリブンな組織づくりを推進させるため、2019年2月に発足した組織です。「データを手段として事業の競争優位性を高める」をミッションに掲げ、全社横断組織として各事業部の成長に貢献しています。レバレジーズグループ全体の更なる拡大の鍵を握るデータ戦略室、働く魅力に迫ります。
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小山(Koyama)
マーケティング部 データ戦略室 マネージャー2016年新卒入社。入社後、新規メディア事業立ち上げを担当。レバテックのマーケターを経て、人事部のマーケティング組織を設立、同責任者となる。採用・育成現場にマーケティングや分析の概念を導入して効率化を実現し、ベストマーケターを受賞。2019年にデータ戦略室を立ち上げ。現在はデータ分析、データ活用の全社統括を行い、レバレジーズ全社のデータドリブン体制構築の責任を担っている。
レバレジーズのデータ戦略室について
まずはじめに、レバレジーズのデータ戦略室の具体的な業務内容や役割について教えていただけますでしょうか。
データ戦略室は、経営や営業、マーケティングから人事に至るまで、全社のありとあらゆるデータの蓄積・管理、事業運営や企業経営にインパクトを与えるデータ分析、ダッシュボードやデータマート開発、AIプロダクト開発など、全社にわたり幅広い業務を担っています。
組織横断的なチームなのですね。データ戦略室の立ち上げ背景を教えてください。
2019年設立当時の社員数は800人を超え、急成長と急拡大を続けていたため、その規模に見合ったデータの蓄積や分析ができていませんでした。というよりむしろ、「データ設計の専門性を有している部署がなく、そのような人も非常に少なかった」という言い方が正しいかもしれません。
組織が立ち上がる前は、各部署で必要に感じた人がデータ分析をしていたので、分析スキルやアウトプットにバラつきが生じていましたし、データを活用できていない部署も少なくありませんでした。さらに、データが綺麗に蓄積されていなかったり、定義が統一されていなかったりと、ほしい数値を正しく出すことに時間がかかっていたんです。
数人でコミュニケーションをとっている分にはさほど問題はないかもしれませんが、数百人いる事業部でそのようなことが起きると、事業部全体の成果にも影響が出てきてしまいます。動きの早いビジネス環境で成果を出すためには、データを元に素早く正確な実態を把握していくことが大切なので、組織が大きくなるとデータ活用はより一層重要になってきます。
データ分析や活用支援をコンサルティングファームなどに頼る企業も少なくはないと思うのですが、インハウス(内製)化している理由を教えてください。
データをビジネス成果に転化させるためには、データを扱うチームが事業を深く理解している必要があると考えているからです。
事業戦略が変われば、必要になってくるデータや活用の仕方も変わってきます。レバレジーズのように成長が著しい会社ほどこの変化のスピードは早く、かつドラスティックです。データに精通した人材が「事業の変化に合わせながら並走」できなければ、「データ」と「事業成長」を繋ぎ合わせることはできないので、企業の成長には専門チームの内製化が大きな意味を持つと考えています。
またこれは私の考えですが、データ分析は「課題を解く」プロセスであり、社内へのヒアリングをしながら本当のニーズを引き出すような業務は「課題を設定する」プロセスであると思っています。両者は全く異なる頭の使い方をしますし、求められるスキルも異なります。
後者の「課題を設定する」領域は、事業会社で働いていないと経験できない部分なので、「データ分析」のみを切り出して発注されるベンダー企業で働いているような方は、この思考にあまり慣れていなかったりします。
そして「課題を設定する」ことは、データ分析と比べて属人性が高く、重要な部分。「課題」をどれだけ「質良く」作れるかは事業の成長スピードに直結します。優秀な人材を仲間に集めてインハウス化していくことが会社の競合優位性に繋がると考えています。
コンサルではなく、事業会社で働く魅力
データアナリストやデータサイエンティストとして、コンサルや受託会社などで働く選択肢もありますが、レバレジーズのような事業会社で働く魅力はどんなところにあるのでしょうか。
「事業戦略を起点」にデータと向き合えることだと思います。
「クライアントワークか否か」という話になってしまうかもしれませんが、解決すべき課題が「社内にある」環境があるのは、働いていく上で大きな違いがあると思います。
コンサルや受託系の会社から転職活動をされている方々とお話しするなかで、彼らが口々に言う事業会社の魅力はいくつかあります。
一番大きなものとしては、課題設定の上流工程から主体的に関われる点です。クライアントワークの場合、クライアントからの依頼に対して、最善策を考えて提案する流れになるケースが多いと思います。
しかし提案を進めていくなかで、「なぜそれが課題なのか?」「本当にこの施策が正しいのか?」といった、より上流の部分に対する疑問が生じたとしても、それを自分たちで解消することは、場合にもよりますができないこともあります。
「コンサルであればそこも業務に含まれるのでは?」と思われるかもしれませんが、様々な理由でそれが叶わない場合があります。
たとえば、「機械学習を使ったレコメンドシステムを作りたい」というクライアントからの依頼に対して、「そもそもデータ蓄積方法の再検討から始めた方が良い」という結論の提案になった場合に、クライアント側が難色を示したり、当初の計画と変わってくるためリソース不足に陥ったりするケース。ほかにも、自社の業務範囲を超えてしまうためそもそも提案自体ができなかったり、といったケースがあります。
それが事業会社で働いていると、「その課題設定が適切なのか」といった根本的な部分から考え直せますし、事業部に向けて「今後を考えると、◯◯のようなデータを蓄積・活用していった方が良い」と自信を持って提案できます。
そういった提案を親身に受け取って前向きにディスカッションする風土がレバレジーズにはあるので、我々も事業部の期待に応えなければという気持ちになります。
「この施策には意味がある」と納得感を持って仕事に取り組めることが、事業会社で働く一番の魅力だと思います。
「課題設定から施策の是非まで検討できる」というのが、事業会社ならではの良さなんですね。
そうですね。あと、これは「レバレジーズならではの良さ」だと思うのですが……
レバレジーズのマーケターたちは、データドリブンな組織であっても「数字ですべての課題を解決できるわけではない」ことを理解しているんですよね。
データは「万能」だと思われることもありますが、あくまでも道具。当然できないこともあります。「人間が介在価値を発揮すべき業務」に社員が集中して時間投下ができるよう、「データを活用して行う業務」と「人間の判断を大切にする業務」の棲み分けができれば、ビジネス成果は飛躍的に上がっていきます。
この感覚がわかる社員がレバレジーズには多く、現場のニーズや、ユーザーや顧客の生の声を拾い上げることの重要性が全社で理解されているんです。シンプルですが、この本質的な重要性を芯の部分で理解している会社は、そう多くはないと思います。
「人のペイン(痛み)に向き合って、データをその解決策として提供する。そしてサービスを通して顧客やユーザーにも価値を提供していく」この感覚を味わえるのは事業会社ならではですし、もっと言えば、レバレジーズだからこそのやりがいだと言えるかもしれません。
自分たちが提供している価値を実感しながら仕事ができるのは素敵ですね。レバレジーズのデータ戦略室で働く魅力、他にも教えてください。
キャリアの柔軟性の高さも魅力ですね。
データ戦略室では「データエンジニアとしてスキルを積みたい」「データサイエンスに興味がある」「直接的に事業課題の解決に取り組みたい」など、一人ひとりが「何に取り組みたいか?」「どのようなキャリアを実現したいか?」を定期的にヒアリングし、個人の活躍のフィールドを作っています。
実際にチームには、人事から異動してきたメンバーや、セールスでリーダーを経験してからデータの世界に転身してきたメンバー。さらに、もともとSIerでSEをしていた人もいれば、機械学習の分析会社から事業会社を求めてやってきたメンバーもいます。
バックグラウンドも、今後歩みたいキャリアも様々です。必ずしもデータを専門とする世界でずっとやっていきたい人ばかりではありません。
「攻め」と「守り」でデータドリブンの企業文化を作る
今後の課題について教えてください。
大きく分けて、「攻め」と「守り」。この2つの観点でそれぞれ課題があると考えています。
ここで言う「攻め」とは、蓄積したデータをさらにビジネス価値や競争優位性へと転化させていくことです。
たとえば、IT人材のプラットフォーム事業を展開する「レバテック」には、エンジニアやクリエイターを中心に20万人以上の方にご登録いただいていて、サービス開始の2005年から15年分以上のデータが蓄積されています。
このデータはレバレジーズにとっていわば「資産」ですが、現状はこの膨大な資産の20%ほどしか活用できていないと考えています。データは意思決定に使われて初めて価値を発揮するのものなので、これらの有効な使い道、そしてそこから生み出される意思決定への示唆を一つでも多く見つけることが、今後のデータ戦略室の使命です。
また同時に、有用なデータを「経営レベルの意思決定」の場でも活かせるよう「データ活用」の土壌を社内に確立させ、社員のデータ活用スキルを上げることも、重要な私たちの役割です。
では、「守り」とは何を指すのでしょうか。
「データマネジメント*1」が適切に行える体制の確立です。
簡単に言うと、「攻め」の戦略で社内のデータ活用領域を広げられたとしても、その後の運用が上手くいかなかったら意味がないので、その体制を整えていきましょう、という話です。
全社のあらゆるデータを、社員全員が「安全かつ自由に」利用できるようにするためには、データを一定以上の品質で保つ必要があります。
データフォーマットの整備や、個人情報が流出しないようにセキュリティの仕組みを担保するような作業も含まれてきますね。
これらの作業は数字として売上に直接的に反映されるものではないので、上述した「攻め」の作業と比べて後回しにされがちです。ですが、会社の資産であるデータの価値をいかに適正に維持し、その価値を高めていけるかは会社の成長スピードにダイレクトに影響してきます。
私たちがデータを「ビジネスに活かすことができる状態」に整え、かつそれを継続的に維持・進化させていける環境を作ることには、大きな意味があるんですよ。データ戦略室だけではなく、社員全員でデータを活用できれば、会社の成長にとっても今からは予測もできない良い影響や変化が起きると思っています。
これから変革を進めていくなかで、どのような人と一緒にデータ戦略室を成長させていきたいですか。
いかに優れたスキルセットを持っているかよりも、データを基軸に主体的にキャリアを作っていきたい人にコミットしてほしいと思っています。
データ基盤は開発がある程度まで進むと運用フェーズに入るため、その前段階であるデータ基盤づくりに携われる機会は貴重です。
レバレジーズはデータドリブンな組織として走り出したばかりです。「自分がデータドリブンな企業を推進して作り上げていく」というフェーズは、今だからこそ経験できることですし、多くの方にとって非常にやりがいのあるミッションになるはずです。
データ分析のほかにも、解析活用から事業にインパクトを残したい人、あくまでも「データや技術はビジネスにおける課題解決の手段」と考えている人にもおすすめですね。
既にデータの専門性をお持ちの方はもちろん、これからデータの専門性を武器にキャリアを作っていきたいと考えている方も歓迎しています。
小山さん、ありがとうございました。
現場第一主義で事業部の成長に貢献しているデータ戦略室。これからレバレジーズがさらに拡大していくための大きな要となる存在になりそうです。2021年の4月から開設された「データ戦略ブログ」では、データ戦略室の日常をより詳しく知ることができますので、少しでも興味を持ってくださった方はぜひ覗いてみてくださいね。
*1:組織が目標を達成するうえで情報を効果的かつ効率的に使用するための、プロセス、役割、ポリシー、標準、評価指標を管理すること。