Japan Scala Association理事のフルスタックエンジニア。次の目標は「人生で100個のサービスづくり」

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ひと

レバレジーズグループの全社総会にて、ベストエンジニアを受賞された竹下さんを取材しました。竹下さんは、前職でゲームの開発とマーケティングに携わり、アメリカでの大ヒットに貢献した立役者の一人です。そんなフルスタックエンジニアとしての地位を確立していた竹下さんが、なぜレバレジーズに入社したのか、その理由や想いを聞きました。(ライター:飯野)

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Profile
  • 竹下(Takeshita)
    システム部 テラテイルグループ リーダー 兼 テクノロジー戦略室 室長

    東京大学農学生命科学研究科修了。新卒では、ゲーム開発を手掛ける企業に入社。アメリカのApp Storeで1位を獲得したゲーム開発に携わったほか、マーケティング、採用、法務など幅広い業務で貢献。2020年にレバレジーズ株式会社に転職し、テックリードとして数多くのサービスづくりや組織開発をおこないながら会社全体を牽引している。一般社団法人Japan Scala Associationでは理事を務める。 趣味は、アニメ、スキー、脱出ゲーム

米国大ヒットゲームの開発/マーケティングからレバレジーズへの転職

まずはレバレジーズに入社するまでのキャリアについて教えてください。

学生時代から前職のゲーム会社でバックエンドをメインにアルバイトをしていました。就職後、すぐにバックエンドのリードエンジニアとして働き始め、その後フロントエンドやインフラを触るようになり、2〜3年でフルスタックエンジニアになりました。そのまま10年ほどエンジニアを経験し、転職直前の約2年間は、開発をやりながらゲームアプリのマーケティングも担当していました。マーケティングも楽しかったのですが、やはり自分は技術が好きなんだなというのを再認識しまして、エンジニアに戻るために転職活動を始めた、という形です。

転職活動ではどんな企業を見ていたのですか?

GAFAや大手ゲーム会社、10人程度のスタートアップなど、自分がおもしろそうだと思った会社に絞って受けていました。レバレジーズは、僕の親しい友人に勧められて知ったのですが、面接をしてみたら求めている環境にドンピシャだったんですよね(笑)

 

GAFAとは少し迷ったのですが、かなりテッキーな職務領域しかできないことが懸念点でした。ジョブ型採用なので、「特定のプロダクトの特定の機能」といった、オファーされたポジションの範囲内のことしかできないんです。開発をやりつつも組織づくりやサービス開発に興味を持っていた自分にとっては、いろいろと任せてもらえる可能性が高い環境で働いた方が理想に近いのかなと思い、最終的にレバレジーズを選びました。

そうなのですね。「任せてもらえる環境」というお話もありましたが、レバレジーズに入社した決め手は何だったんですか?

大きく2つあります。
まず1つ目は、エンジニアとして数多くのサービスづくりに携われることはもちろん、エンジニアの組織づくりも任せてもらえるという点に惹かれました。

 

そもそも組織づくりに携わりたい理由は、多くのサービスを世の中に生み出したいと思っているからです。フルスタックに「つくる技術」を身に着けることができたので、一人でサービスづくりをすることはできます。ただ「人生のなかであといくつのサービスをつくることができるか?」と考えたときに、頑張っても10個くらいかなと思ったんですよね。でも僕は100個つくりたいんですよ。そのためには、誰かの力を借りる必要があります。

 

自分だけではつくれない数のサービスでも、チームであればつくることができると考え、エンジニアの組織文化をつくっていくところに関わりたいと思うようになったんです。

 

2つ目は、会社のカルチャーが自分に合っていると感じたからです。

 

ベンチャー気質があって、オープンな社風。職種の垣根もなく、コミュニケーションが活発で「ユーザーにとって良いものとは何なのか」と妥協せずに向き合っていけるところは好きだなと思いました。実際に入社した後もギャップはほとんどなかったですね。

竹下さんがサービスづくりに熱い想いを持つようになったきっかけはありますか?

前職でのゲーム開発が原体験になっていると思います。当時、自分が開発に携わったゲームが、アメリカのApp Storeで1位を獲得するほど大ヒットしたことがあり、電車に乗ると目の前に座っている人が、自分のつくったゲームをプレイしている、なんてこともよくありました。自分がつくったものを使ってくれて喜んでくれる人がいるということがすごく嬉しかったんですよね。それから、「より多くの人のために、ものづくりをしていきたい」と思うようになりました。

SREチーム、MLOpsプロジェクトの立ち上げ。開発組織を大きく前進させる

現在の業務内容について教えてください。

ITエンジニア特化型のQ&Aプラットフォーム「テラテイル」でテックリードをしながら、テクノロジー戦略室で室長をしています。

 

テクノロジー戦略室では、2021年の秋頃にSREチームを立ち上げました。SREとは「Site Reliability Engineering」の略で、サイトを維持するだけでなく、その信頼性の向上まで焦点を当てる職務、マインドセット、エンジニアリング手法です。サービスの安定性を維持するのはもちろんのこと、スケーラビリティの向上、レスポンスタイムの改善やデリバリー速度などの改善をおこない、その文化をつくりながら浸透させていく職種になります。

 

なのでチームとしては、サービスを更新するデプロイ周りの業務改善や監視、障害が起きたときの対応をプロセス化したり、パフォーマンスチューニングをおこなったりしています。

 

また、日本でもまだ実例が少ない機械学習基盤構築における方法論、MLOpsのプロジェクトも進めています。MLOpsとは「Machine Learning Operations」の略で機械学習の検証から運用までをサポートする基盤を意味します。機械学習の基盤を整えることで、データサイエンティストがサービス運用をする上でのプロセスを自動化・効率化し、一気通貫でできるようにするシステムをつくるプロジェクトです。マシンラーニングを実際のサービスに導入したり運用していくのを、簡単かつ速くできるようにするというものです。

このような新しい取り組みが、目で見てわかる成果になってきたため、今回の全社総会で評価していただいたのだと思います。

開発組織がますます進化していますね。なぜSREチームを立ち上げたのですか?

ユーザーにより良いプロダクトを届けたいと思ったからです。サービスの基盤を整えるためにインフラは重要ですが、どうしてもユーザーとの距離が遠かったんですよね。サービスの価値を高めていくというところまでを考えながら仕事をしてもらいたいと思い、SREのチーム化を考えました。

MLOpsやSREによって、具体的な変化はありましたか?

MLOpsは基盤をつくっている段階ではあるのですが、完成したら、新しいMachine Learningを使った機能のリリースまでの期間がだいぶ短縮されると思います。たとえば、これまで3ヶ月かかっていたものは1ヶ月程度になりますね。また、リリースした後も、アルゴリズムやMachine Learningの再学習などの改善にかかるコストも減少するので、これまでより高頻度かつ継続的に改善をおこなうことが可能になります。そのため、機械学習の価値提供スピードが格段に上がるとともに、その価値を最大化することができるようになります。

 

SREに関しては、今までアプリエンジニアが運用にかけていた時間を大幅に短縮することができました。たとえば障害が起きたとき、これまでは検知、調査するのに多くの時間がかかっていました。しかし、Datadogを導入し、メトリックス計測やログ収集を集約したことで、検知までのリードタイムが減少し、検知した後の原因特定もスムーズになり、障害がサービスに与える影響を減らすことが出来ました。また、インフラをコード化(IaC)することで、構築の工数が減り、インフラの構築ミスが少なくなるとともに、ベストプラクティスの共有がおこなえるようになりました。

「一人でつくる」から「チームでつくる」へ

仕事のやりがいを教えてください。

つくりたいと思ったものを自分の手で実現し、世の中に出せること。そして、それを使ってくれたユーザーが喜んでくれることにやりがいを感じています。

 

特に今は、レバレジーズに入社する決め手にもなった「良いものをつくれるチームをつくる」ことも出来ており、自分一人では辿り着けないゴールを目指せていることにもやりがいを感じていますね。

そうなのですね。今、仕事で特に大変なことは何でしょうか?

一番もどかしいのは、「自分がやったらもっと早くできるのに」というところです(笑)でも、自分がやってしまうとスケールしません。なので、チームでものづくりができるというメリットを活用し、いかに効率よくクオリティの高いものをつくれるようになるかや、個々の能力をどのように成長させていくかということを日々考えています。

そのために工夫していることはありますか?

他社の成功事例などを参考に、プロジェクト管理の手法や文化について日々勉強して、自社に合ったやり方を分析して取り入れています。レバレジーズらしい文化や空気感、社員の人柄などを考えたうえでの仕組み化、性能設計を目指しています。

 

たとえば、僕が今持っているチームは大きく分けると3つあるんですが、チームごとにすべて違うプロジェクトの管理方法を導入しています。これは、チーム規模や事業フェーズ、働いているメンバーがすべて異なるので、それに合わせてチームの運営方法を変えています。

 

そして、「まだこの人には難しいかな」と思うようなレベルの仕事も、極力「任せる」ということを実践しています。

 

たとえば、テラテイルのメンバーは全員社会人3年目と非常に若いチームです。エンジニアとしての歴はまだ浅いですが、この1〜2年でグッと伸びてできることも増えてきましたし、思考力もかなり上がってきたなと感じています。

もっと良いサービスをつくるために開発組織を自分がつくる

竹下さんがこれからチャレンジしたいことはありますか?

文化や制度を考えて根付かせていく、つまり組織をつくれるようになりたいと思っています。今は、プロジェクトを進めるためのチームの基盤を整えることができた、というフェーズなので、今度はそれをもう一段抽象化して、そのチームを自ら生み出せるようになりたいです。

竹下さんが入社されたときと比べると、エンジニア組織もかなり大きくなってきていると思いますが、特に変化したところはどんなところですか?

入社したときは正直、ビジネスサイドからの要望に応える下請け感がありましたが、現在は課題の上流から、技術的にそれをどう解決していけるのかを企画し、実行していけるようになってきました。

 

ただ言われたものをつくるだけではなく、しっかりと自分の意志を持って「もっと良いものにできないか」「もっと良いやり方があるのではないか」と考えながら仕事をすることができるようになってきたのかなと思いますね。

最近ではエンジニアが主体で動くプロジェクトも多いですよね。

そうですね。テラテイルに続いて、最近だと新規事業のHRテックもエンジニアが事業を主導する形で関わっています。また、社内ではサービスのシステム統合が加速しており、レバテックが運営するさまざまなサービスを共通利用するための会員ID「レバテックID」の実現や、マイクロサービス化など、エンジニアの力が必要不可欠なフェーズに差し掛かっていると思います。

 

事業展開のスピードが早くなってきている今のフェーズにおいて、良いサービスをつくるために「提案できるエンジニア」であることは重要だと思いますね。僕自身が一緒に働きたいと思う人もそういった人です。サービスをつくることが好きで、それをさまざまな職種の方々と協力しながら自分の考えもしっかり言葉にすることができて、「より良いものをつくりたい」という意志が強い人と働きたいですね。

最後に竹下さんにとって仕事ってどんなものですか?

一言でいうと、趣味ですね(笑)人生を楽しくするためのものです。やっぱりつくることが大好きなので、もしこの仕事に就いていなかったとしても、趣味でものづくりをしていると思います。冒頭で「100個のサービスをつくりたい」と話した通り、これからも多くの人に使ってもらえるものを世の中にたくさん出して、多くの人に喜んでもらいたいです。

 

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