介護に関わる誰もが輝ける業界へ
事業 / サービス
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溝口 幸治郎 (Mizoguchi Kojiro)
レバレジーズメディカルケア株式会社 取締役 兼 ケア事業本部 本部長2007年に中途入社し、1年後に大阪営業所の立ち上げに携わり、 営業リーダーを経験。2009年にメディカル事業部を立ち上げ責任者として、年商20億に成長させたのち新規事業検討室へ異動。2015年にレバレジーズキャリア株式会社を設立し、同社の執行役員として、新卒採用、コーポレート業務を兼務しながらケア事業本部の営業・マーケティング・システムなど事業に関わる領域の責任を担っている。
平均年齢25歳が挑む、設立3年目のケア事業本部
2015年に設立した介護事業部では介護・福祉職と、医療機関・介護施設などの法人とのマッチングサポートを行なっています。事業ミッションは、介護に関わる誰もが輝ける業界にすること。今日本が抱える介護業界の問題や、事業参入について事業部長の溝口さんにインタビューしました。
ネガティブなイメージを変えたい、介護業界に参入したレバレジーズ
ケア事業本部について教えてください。
「介護に関わる誰もが輝ける業界にする」ことをミッションに、介護・福祉職向けの人材紹介サービス「きらケア」を運営しています。「きらケア」では、正社員、契約社員、パートの求人を紹介する転職・就職支援サービスや 人材派遣サービスを行っており、介護業界での「理想の働き方」をサポートしています。
介護事業にレバレジーズが参入している理由を教えてください。
「介護業界のイメージ」と「介護職の方々の働く環境」を変えたい、その思いから2015年にサービスを開始しました。現在、日本の高齢者率は年々増加しており、それに伴い介護職の社会的需要はますます高まってきています。介護職の働くフィールドも拡大しつつあり、老人ホームなどの介護施設所だけでなく、訪問介護などの在宅分野から医療機関へと広がっています。さらに市場拡大により、一般企業も積極的に施設経営に参入し、施設数も継続して増加しています。その一方で、介護士や介護職員は、2025年に約38万人も不足すると言わていています。その原因として、働く環境、賃金の問題、社会的評価の低さなどがあります。「介護は大変そう」というネガティブなイメージが強い業界ですが、この負のイメージを変えるために、レバレジーズは介護業界への参入を決意しました。
2025年に38万人もの介護士が不足するとのことですが、その背景について詳しく教えてください。
大きな理由は労働条件で、「年収の低さ」と「働く環境」の2つが大きく影響しています。そして、この2つの要因により、介護業界自体に負のサイクルが起きています。労働条件の悪さから介護職の方が次々と離職。そうなると働き手が増えず、施設の労働環境も改善されない、結果的に介護職離れへと繋がっていきます。実際に、派遣スタッフや紹介した介護士たちに、今の勤務先で続けられない理由を聞くと、働いている施設や環境に問題があるケースも散見されます。
施設側は、収益化を求めて施設の利用者を増やすために、介護士を増やしたい。しかし、働く環境をしっかりと整備していかないと介護士を増やしても定着しないため、施設の利用者増加には繋がっていきません。人手不足を解消するには、こうした現場の不満に耳を傾けて真摯に対応していく必要があります。介護職の定着率上昇、離職率低下に繋げるためには積極的な不満のすくい上げから労働環境を改善することが必要だと考えています。
人材を皮切りに介護業界への貢献を目指す
ケア事業本部として注力していることを教えて下さい。
ケア事業本部では、2つの方向から介護業界に貢献していきたいと思っています。
(1)介護業界への労働力の提供
(2)施設の内部環境整備と介護職の離職防止
介護士側には安心して働ける環境を、介護施設側には利用者のためだけを考えて施設運営ができる状態を、この両者と二人三脚となりながら介在価値を提供することで「介護に関わる誰もが輝ける業界」を実現させていきたい。そのためにはまず私たち自身が、両者からパートナーと思ってもらえる立場になる必要があると思っています。
また、これからは、医療と介護の領域を連携させながら事業を行なっていくことで社会貢献のインパクトを高めていきたいと考えています。もともとレバレジーズでは、看護師の方々を病院や介護施設へ紹介する事業を行なっています。その医療領域での経験を活かしながら、介護業界へも事業を展開しています。日本の将来推計では2025年に約3人に1人が高齢者となり、その為、医療と介護の2領域を連携させながら事業展開していくことが、今後の社会にとって重要となります。日本政府も、高齢化に伴い在宅医療の流れを進めていて、今後は医療と介護の領域がより近くなっていきます。
「介護に関わる誰もが輝ける業界にする」というミッションには、どのような思いがあるのでしょうか。
僕らは、最終的には介護業界を良くすることを目指しています。その手段として「人材」という入り口からこの業界に入っています。限定的であるからこそ、「業界を変える」というメッセージは非常に大事なんです。
日々、営業活動やキャリアコンサルタントとして働いていると、どうしても「人材サービス」の仕事をやっているという認識が強くなってしまいます。そうなると、自分たちは「医療機関や介護施設に対して良い人材だけを提供すればいい」、という考えに陥りがち。そうではなくて「相手のニーズのその先に何があるのか」を考え、相手が考える以上に相手のことを考えることが大切なんです。介護施設側が人材を欲しいと思う背景はどういう状況から来ているのか。今我々がもっている手段から、何を提供することが最適なのかというところまで、深く考えてサービスを提供していかないといけない。これは、自分がプレイヤーをやっていた時の経験からもきています。結局、相手のことを考えずに価値を提供しようとしても顧客からの信頼は得られない。自分自身も当時、目の前でやっている仕事の意味や価値を感じることができず悩んだ時期がありました。
「人材」という手段に囚われず、「業界」を良くするという意識を持って日々仕事に取り組んでいきたいという思いから、このミッションを掲げています。
平均年齢25歳、若い力で押し上げるケア事業本部の挑戦
現在の事業課題があれば教えてください。
レバレジーズグループ全体を通じて社員の年齢が若い会社ですが、ケア事業本部の平均年齢は25歳です。組織自体も若いので、この拡大スピードに伴って、管理職やリーダーの育成が追いついていないのは課題としてあります。裏を返すと、将来のリーダーを担う人たちが、いま成長過程にあって、彼らと一緒に事業運営や組織育成を行なっている状況でもあります。若手を多く登用している背景としては、若手からの意見を取り入れながら、人の成長と一緒に、事業を成長させていきたいという僕自身の思いがあります。この組織フェーズだからこそ、若いうちに多くの経験値を積んで、リーダーとしてしっかりと成長していって欲しいと思っています。僕自身もレバレジーズに転職した時に、代表の岩槻から多くのチャンスを与えられたことで、今の自分があると思ってます。1年目では大阪営業所の立ち上げ、3年目では新規事業の責任者を経験しました。若いうちに経験した多くの学びが、今に活かされています。
管理職やリーダーの育成課題に対しては、僕自身がどんな判断軸を持っているか、どういう人材にマネジメントやリーダーのポジションを任せているかを、言語化して朝会やメールで発信したり、日々のコミュニケーションにおいても伝えるようにしています。また現場のメンバーにリーダーの視点を持ってもらうために、「自分が考えるリーダーの姿とは」「今事業部、もしくはユニットの課題は」といったテーマでレポートを書いてもらい、上司からフィードバックをするような仕組みも取り入れています。
最後に、今後の事業部のこれからについて教えてください。
現在「きらケア」を根幹とし、老人ホームや介護施設探しの支援や、介護の仕事がより楽しくなるための情報サービスなど、次々と新しいサービスを始めています。
今後は、介護業界においてICT(情報伝達技術)化は進み始めているので、その領域にも挑戦していきます。レバレジーズグループで持っているIT技術やシステムナレッジを活かし、介護職の働く環境を変えていく事もできると思っていますし、長期的には施設運営者のパートナーという立場で施設の最適な運営をサポートしていきたいと考えています。例えば介護士のシフト調整だと、介護士の空き時間をシステムで管理して、空いているシフトが派遣会社に通知される仕組みにすることで、労働力を効率的にマッチングさせていくことができます。施設運営1つをとっても、現在人の手で行っているところで、システム化出来る部分はまだまだ沢山あります。
介護領域はこれからITの力によって劇的に変わっていく業界であり、その可能性は無限に広がっていると確信しています。これからも、介護に関わる全ての人が幸せになれる業界にしていくために、新しい挑戦を続けていきます。
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