逆境の中で探した自分の価値

マーケティングリーダーマネジメント表彰新卒

ひと

2016年に新卒入社し、現在はデータ戦略室でマネージャーをしている小山さん。就職活動は外資コンサルティング会社とベンチャー企業を中心に行い、最終的にレバレジーズに入社。入社後、新規事業のマーケターとしてジョインするも、わずか半年で部署は解散。逆境を乗り越え、全社総会でベストマーケターを受賞するまでのストーリーを聞いてきました。(聞き手:名井)

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Profile
  • 小山(Koyama)
    マーケティング部 データ戦略室 マネージャー

    2016年新卒入社。東京大学大学院工学系研究科卒業。入社後は新規メディア事業の立ち上げにジョインし、その後レバテックのマーケティング担当として異動。2017年9月より、全社のHRマーケティングチームの立ち上げを行う。その後2019年2月に全社のデータ活用体制の構築を行うデータ戦略室の立ち上げを行うため異動となり、データ分析・BI構築・データ設計・教育・文化構築など特定の分野にとどまることなく活躍中。趣味は、ビリヤードとダーツ。

「どこまでいっても僕、現場が好きなんですよ」

小山さんの就職活動の軸について教えてください。

就職活動では、若い内から領域に捉われず幅広い分野で裁量権を持って仕事がしたいという思いから、外資のコンサルティング会社とベンチャー企業を中心に受けていました。理由は2つあって、1つは、学部生時に3年間続けたマーケティング・コンサルティング会社でのインターンシップ経験です。現在やっているような「マーケティング」に生で触れたのはこのインターンシップがきっかけでした。そこは立場や年齢に関係なく成果を出せる人間に仕事が回ってくる環境で優秀な社員さんも多く、学生ながらに非常に刺激的な環境でした。またプロジェクト単位で動けるのもコンサルティングの仕事の魅力で、2週間~数ヶ月のスパンで様々な業界や会社を知ることができました。もともと好奇心が強いので、変化がある環境の中で幅広い領域を見ることができるかどうかは企業選びの判断軸にしていました。

 

もう1つは、学部4年生の時に知り合いと立ち上げた教育系NPOの立ち上げ経験です。当時「自分たちの実現させたい想いを自らの手でカタチにして、世の中に届ける」というような、事業や組織をゼロから創り上げ、実現する過程にやりがいと楽しみを感じていました。社会に出てからも、こういった楽しみを感じられる環境で仕事がしたくて、入社後も年齢に関係なく実行に対する裁量権を持たせてくれる風土のある会社を就職活動の軸にしていました。

 

外資コンサルとベンチャーを受ける中で、どのような流れでベンチャーへシフトしていったのでしょうか。

外資のコンサルティング会社では、最終選考にあたるジョブ選考というものがあって、事業戦略立案や財務分析など、実際の日常業務に近いワークに数日掛けて取り組む選考があります。修士1年生の冬に、ある企業の最終選考で「とあるヘルスケア商材の販売戦略を3日間で策定する」というお題のジョブ選考を受けました。企業のIR窓口に電話をかけ、競合他社含め実店舗を渡り歩いて情報収集をし、自分なりの論理を組み立てて、最終日になんとか販売戦略のプレゼンテーションにこぎつけた記憶があります。問題発見をしたり、課題解決のストーリーを考えること自体が楽しかったですし、ワーク中に助言をいただいた社員さんも本当に優秀な方ばかりでした。しかし、最終的なプランをパートナーの方へプレゼンテーションをし終えた時に、物足りなさを感じてしまったんです。

 

当然ながら提出したプランは、自分では精一杯作ったプランでしたし、自分なりのベストな提案が記載されているわけです。しかしコンサルタントはあくまでもアドバイザーであり、結局最後にそのプランの実施判断はクライアントにあって、実行するフェーズに主体的に関わることまではできない可能性がある点にもどかしさを感じてしまいました。自分が正しいと思うことは「自分で責任を持って実行して世の中にその価値を問いたい」と思ったんです。実務を体感したことで感じたその違和感を信じ、もっと自分で裁量権を持って自分の考えたことを自分で責任を持って実行までやりきる経験を多く積める環境を求め、ベンチャー企業にシフトしていきました。

 

数あるベンチャーの中からレバレジーズにした理由を教えてください。

改めて自分が何をしたいか立ち返った時に、組織創りやチームで成果を出すことに強い関心があることに気が付きました。これは前述したNPOでのリーダー経験からきています。それ以前もリーダーの経験はありましたし、どんな局面でも自分が死ぬ気で手を動かせば、最悪何とかなるという成功体験もありました。しかしNPOではそう簡単には事は進まなかったんです。組織も拡大し、やる範囲が拡大するに連れて、自分の力だけではカバーできない領域が増えてきました。この時に学んだのが「大きなことを成し遂げようとする時、組織には、様々な強みを持った人が集まって、それぞれがも持つ異なるパズルのピースを組み合わせながらひとつの物事を創り上げていくことが重要」ということでした。

 

レバレジーズに決めた理由は、当時見ていたベンチャー企業の中で、圧倒的な組織拡大のフェーズにある会社だったからです。ある程度の組織基盤をベースに、指数関数的に組織人数も売上も伸びている状況。このような組織内では、直近でリーダーポジションが必ず不足してくる。早いうちから自分のチームを持ってマネジメントをするチャンスが回ってきやすいと思いました。また社員面談を通じて、個の力に頼り切るのではなくチームで仕事をする印象が強く、この会社であれば若いうちから自分が身につけたい組織運営の力を実践的に身につけながらチャレンジできそうだと思いました。

どんな環境でも成果を出す。入社2年目で全社ベストマーケターに

2018年上半期でベストマーケターを受賞されていますが、最初から順風満帆ではなかったと聞いています。入社してから苦労したことはありますか。

入社後は色々な部署を転々としました。入社してすぐに新規のメディアの事業立ち上げにマーケターとしてジョインしました。マーケターという立ち位置ではありましたが、立ち上げフェーズのため人やお金など使えるリソースが限られている状況。事業を成功させるため、営業やディレクター、SEO、広告運用、メルマガ配信、イベント企画、事業企画など自分が任せてもらえることは事は全てやりました。

 

しかし思うように事業が伸びず1年目の終わりに事業が縮小、それにより部署も解散しました。その後事業失敗をした身として、会社から次のポストがすんなりと与えられるわけもなく、社内を回って自ら次のポジションを探しました。この時に「会社からの投資を受け自分たちで事業をやる責任の重み」を身をもって体験しました。

 

この経験が今の自分自身の価値についての考えを形成する転機になりました。当たり前ですが、自事業を失敗すると自分の仕事もなくなります。それは会社に何の価値も残せず、コストでしかない自分の価値を認めざるをえない瞬間でした。そこから自分の強みや特性を改めて考え直し、自分が会社に残せる価値を必死に考え抜きました。他部署の先輩に相談する中で事業解散の1ヶ月後、レバテックのマーケターとしてなんとか第二のキャリアをスタートさせることができました。マイナススタートから自分が価値を出せることを探し出して「成果」「価値」に対して血眼になってやりました。その半年後、人事部へのマーケティング導入のミッションを与えられ、タスクフォースと呼ばれる社内の問題解決専門部隊に異動になりました。

 

そこからベストマーケターを受賞されるまで、成果を出すために大事にしていたことがあれば教えてください。

この2年半という短いキャリアの中で様々な部署を経験してきました。部署異動をするとデータ環境や業務フローも変わりますし、それまでの環境理解や知識、積み上げてきた人間関係などもリセットされてしまいます。そういった背景もあって、どんな環境であっても短期間で成果を出せるように、その時の自分の知識やスキル、強み、人脈を駆使して、とにかくチームや会社に自分ができることを考えて価値提供をすることに強く意識を向けていました。「自分にしか出せない価値」を提供することが、周りの信頼獲得に繋がり、自然と仕事も回ってくるようになります。それが一番の組織貢献や成果に繋がると信じて、そのサイクルをずっと続けています。

 

このスタンスの中で特に大事にしているのが、現場主義です。問題発見のために、今の自分の仕事と関係があろうがなかろうが仕事中にふらりと他の事業部やチームに行って、「何か最近困っていることはないですか」とよく聞き回っています。その場ですぐに解決できなくても、時間をかけて地道に取り組んだり、誰か解決できそうな人に相談して問題が解決できれば、結果的にそれは組織のためになります。また、何かしらの問題が起きている時も、解決のヒントは現場にあることが多いので、問題解決の際には必ず問題が起きている現場に座席を置いて仕事をすることは僕なりのポリシーです。組織は人の集合体であってナマモノであり、情報は自ら現場に取りに行かないと集まってきません。問題をリアルなところから拾いあげてくることは、組織を良くする第一歩だと思ってとても大事にしてます。

当事者意識を持って前面に立って動かす、事業会社の面白さ

現場に入り様々な問題解決に取り組まれていますが、仕事の楽しさや、苦労があれば教えてください。

自分たちの施策やアクションに対する成果がすぐに跳ね返ってくることが非常に面白くて、やりがいに感じます。事業会社だと自社で実行リソースを持っていますし、全てのビジネスデータも保有しているため、常にPDCAを回せる環境があります。意思決定もすぐにできますし、他の職種の人も同じフロア内にいるので、スピード感を持って新しいことにも挑戦できます。もちろんその分自分の意思決定に対する責任は大きいですが。

 

それから事業会社の苦労かつ面白さで言うと、「人を動かす」ことができるところです。事業部の「課題解決屋さん」という立ち位置から社内の人との関わりが多いですが、自分がどれ程正しく筋が通ったことを提案したとしても、それだけで人は動いてくれません。人に影響を与えて動いてもらうために、どう論理を組み立てて、どのような話をして感情に訴え人を動かすのか。最初はそれが全くできず、そういった失敗経験を繰り返すことで成長出来ました。大事なのは良いプランを出すことではなく、当事者として自分達の組織の中で起きている問題を、何があろうと自分達で解決していくことだと思っています。事業部から提案内容を受け入れてもらえない場面も多々ありますし、そういうリアルで生臭いところが難しいですが、当事者として前面に立って動かす感覚が僕には性に合ってますね。このプロセスは事業会社でしか経験できません。

 

最後に小山さんの今後の目標を教えてください。

自分の腕一本で、どこまで物事を動かせるかという点に興味があって、どんどん自分のやれる領域を増やして影響力を高めていきたいです。任せてもらえる経営資源が増えることは、ビジネスマンとしての成長バローメーターの1つでもあると思っています。

 

また、事業立ち上げや問題解決のプロジェクトをやる時に「小山、一緒にやろう」と言ってもらえる人間になりたいですね。最近はそういった意味では声をかけて頂けるプロジェクトの規模がどんどん大きくなっているので、非常にやりがいを持ってチャンレンジできています。そもそもそれが僕がレバレジーズに入社を決めた理由なので。現在全社に関わるプロジェクトも任せて頂いていますが、社員数1,000人ぐらいの規模に対して良い影響を与えることができるチャンスは大きなやりがいに繋がっています。

 

ただ、どんなにプロジェクトの規模が大きくなっても、やはり自分は現場が好きなんだなと思います。現場を見て、問題を発見して、自分が先頭に立ってチームが一丸となって常に課題解決をして前に進んでいく。そういった人間が増えることが強い組織の本質だと信じているんです。常に自分のスキルや知識を磨きながら、周りからの信頼を勝ち取り、組織を前に進めていきたいですし、そういった情熱を持った人と一緒に働きながら自分自身も成長していきたいと思っています。

 

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