「誠実さ」で、業界の変革を。レバレジーズの若年層領域の勝ち筋とは
事業 / サービス
数ある事業領域のなかで、今回光を当てるのは「若年層」。競合サービスが乱立するレッドオーシャンに、なぜレバレジーズは後発で飛び込み、着実にシェアを伸ばせているのか。そして、この先にどんな未来を描いているのか。同領域で展開する「キャリアチケット就職」責任者のテガに聞きました。(ライター:マルタ)
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テガ
キャリアチケット事業本部 本部長2017年新卒入社。早稲田大学卒。複数の新規事業の立ち上げに参画し、プロダクトマネージャーやマーケティング責任者、事業部長を歴任。2023年よりキャリアチケット事業本部 本部長に就任。
日本の若年層領域が抱える難題
まずは、就活という入口から
私たちが向き合っているのは、大学生から20代半ばまでのキャリア形成全体です。まずは、ファーストキャリアを切り口にお話しさせてください。
最初の3年をどの会社で過ごすかで、その人の仕事の基準は決まってしまいます。心理学のインプリンティング(刷り込み)効果と同じで、頭が柔らかいうちに最初に入ってきたものが基準になるんです。ところが現実には、その基準が固まる前に離職が起きています。新卒入社3年以内の離職率は33.8%(*)。約3割が、仕事の基準ができあがる前に会社を離れている計算になります。
*厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」より

誰でも”やみくも”になってしまう構造がある
ミスマッチが起きるのは、構造の問題です。日本の教育は正解のある問いに答える形が中心で、キャリアを考えるきっかけは就活で初めて訪れる。つまり、正解のない問いに、基準を持たないまま答えることになる。そこに就活の早期化が重なります。考える時間が増えるはずなのに、先に来るのは焦りだけ。決め方が分からないまま、周りに流されて決めてしまう。
私たちはこの状態を”やみくも就活”と呼んでいます。ただ、ここで言う”やみくも”は「情報が足りない」という意味ではありません。情報はむしろ過剰で、足りないのはそれを並べて選ぶための自分の基準です。だから何十社受けても、最後は「なんとなく」で決めることになる。そして、1社目が合わなかったと辞めた人が、2社目も同じ選び方で決めてしまう。
ただ、「早期化を止めればいい」という話にもなりません。過去に何度も選考の解禁時期を揃えるルールがつくられましたが、形通りに進めると採用が成り立たない企業が出るだけなんです。外資系や早期に動く企業が学生を囲い込むので、有名企業も動かざるを得なくなる。この構図は、もう何周も繰り返されています。だから私たちが目指すのは、早期化を止めることではなく、早期化した市場でも自分の基準を持てる若者を1人でも増やすことです。
そして、これは学生側だけの問題ではありません。若手正社員がいる企業の割合は、14年前から約10ポイント減少(*)しています。現場の若手不足は深刻なのに、採用の難易度は上がり続けている。学生も企業も、同じ構造に別々の側から苦しんでいるんです。
* 厚生労働省「若年者雇用実態調査の概況」より

それでも、ミスマッチはゼロにできない
では、これだけ明確な負がなぜ解けないのか。理由はシンプルで、原理的に解けない部分があるからです。
心理学者のドナルド・スーパーが提唱する「キャリア発達理論(*)」では、24歳くらいまでが「探索段階」とされています。つまり新卒や既卒の方は、働いたことのないものについて、限られた経験だけをもとに考えるしかない。「入ってみたら違った」を、全て防ぐことはできないんです。

むしろ、その経験を踏まえて次に進むこと自体は適切です。だから向き合うべきなのは、数をゼロにすることではなく「その時点でベストの選択だった」と思える人を増やすこと。その選択の先にある試行錯誤こそが、その人のキャリアの価値になります。
そのためにレバレジーズは、就活という一時点ではなく、20代半ばまでのキャリアの最初の数年をまるごと含んだ「若年層の意思決定」を、複数のサービスで支えています。
*キャリア発達理論:職業選択を単発の出来事ではなく、人生を通じた「自己概念」の形成と発達のプロセスとして捉える考え方。
構造的な負に、レバレジーズはどう向き合うか
「点」ではなく「線」で支える
私たちの支援の入口は、大学生向け時間割アプリ「ペンマーク」と大学内のカフェ「キャリアチケットカフェ」です。まだ低学年のうちから接点を持ち、キャリア意識そのものを醸成する役割です。その先にあるのが新卒領域の「キャリアチケット就職エージェント」「キャリアチケット就職スカウト」という、先ほど触れた2つのサービス。量より質を重視したマッチングを武器にシェアを伸ばし、累計登録者数は95万人(*)にのぼります。
この2つは役割が違います。エージェントは、アドバイザーが対話を通じて「自分の基準」をつくるところに伴走する。スカウトは、自分では選べなかった選択肢にも出会ってもらう役割があります。
探索段階の話とつながるのですが、人が考えられる範囲は、どうしても自分の経験の内側に限られます。興味のある企業なら、自らエントリーしたほうが早い。だからスカウトでは、あえて希望条件の少し外にある選択肢も届けています。実際、志望していなかった業界のスカウトからその会社を知り、内定承諾まで至った方もいるんです。企業を紹介するだけでなく、視野そのものを広げるところまでが私たちの仕事です。
*2026年3月時点

さらに先に、転職を支える2つのサービスがあります。1つが「キャリアチケット転職」で、若手正社員のセカンドステップを後押しするもの。もう1つが「ハタラクティブ」。既卒・第二新卒のうち、正社員経験が無い、あるいは浅い方に伴走するサービスで、累計約25万件超(*)のカウンセリング実績があります。一度立ち止まった人が、もう一度キャリアを選び直せる場所も絶対に必要なんです。
*2026年3月時点
ハタラクティブは全国17拠点にわたって展開しています。キャリアの選び直しは東京だけの話ではなく、むしろ地方のほうが相談相手も情報も限られている。だから拠点を置いて、直接向き合うことに意味がある。そのなかで、「若者しごと白書」という調査レポートの無償公開も続けています。この市場の負は「若者が悪い」「企業が悪い」ではなく、双方が見ている前提のズレから生まれる。そのズレを事実として可視化し、共通の土台をつくる。これは損得ではなく、この市場にいる責任としてやっていることです。

1つのサービスで全部をカバーできる時代は終わった
なぜここまで細かく展開するのか。十数年前は大手ナビサイトと口コミがあれば会社選びはある程度できました。でも1人1台スマホを持つようになって、目的ごとにアプリケーションを使い分けることが一気に進んだ。全部のユーザーと全部の企業に使ってもらえる「ブランド」は作れても、単一の「サービス」では難しいんです。
実はこれらの事業の原点は、レバレジーズ代表の岩槻が採用の前線にいた時代の問題意識にあります。何万人にアプローチしても、実際に採用できる人はごくわずか。採用効率が悪く、企業・求職者双方に無駄な工数がかかっていた。この構造そのものに一石を投じたい。だから他事業のように伸びる市場へ先行して入るのではなく、すでに絶対的な王者がいるところに飛び込んで1位を取るという、社内でも例外的なチャレンジをすることになりました。
小さなニーズを解消するサービスなら1位は取りやすい。でも、ターゲットが増えるほど、ニーズの質は薄まってしまう。「みんなに合う」を目指すと、誰にとっても物足りないものになるからです。だから、ブランドで各サービスを束ねつつ、中身はサービス内でも細かくセグメントを分けて運営しています。たとえば就活において、理系の学生と体育会系の学生では、スケジュール感も動き方も必要なサービスも全然違います。その1個1個のセグメントを埋めていく仕事を、地道に続けていくしかありません。

「お客様のためにならないことは、絶対にやらない」
正直、短期的に利益を出しやすい方法はたくさんあります。でも、私たちは「お客様のためにならないことは絶対にやらない」と決めています。
この業界は、たまにネットで炎上しますよね。内定承諾を急かされた、志望度の低い企業ばかりを勧められた——これらは、特定の会社が悪いのではなく、市場の構造がそうさせている部分もあるんです。毎年支援の対象が入れ替わり、同じユーザーが頻繁に使うサービスでもない。つまり「今年その人を無理やり入社させても、来年の売上には響かない」構造です。だから強引なやり方をする事業者も出てくる。個社の短期最適が積み上がって、市場全体の信頼が削れていっているのが今です。
だから私たちの目的は、トップシェアを獲得することだけではありません。その先で、業界に対する信頼そのものを、自分たちの事業でつくり直すことです。
現在、後発でもトップが見える位置まで来られたのは、レバレジーズがあえて非上場を選び、意思決定の独立性を保っているのも一因です。株主の介入で短期の売上に追われるのではなく、「お客様のためになることをすれば、後から売上はついてくる」というのが会社として大事にしている考え方。だから現場でも、自然とお客様を主語にした議論が生まれるんです。
これは営業だけの話ではありません。エンジニアもデザイナーも、「この機能は本当にユーザーのためになっているのか」から議論が始まる。事業に関わる全員に同じ意識が通っているのは、外から見えない強みだと思います。
ただ、「社会貢献」と言っても、サービスの安売りはしません。値段で差別化すれば、利益が出ないモデルになるだけ。持続性がないし、社員にもその家族にも還元できない。ビジネスとは、価値と価値の交換です。提供した価値に対して、きちんと対価をいただく。ボランティアではなく、世の中の若者のキャリアがよくなるほど事業も伸びる形で、社会に価値を与え続ける。私たちが目指すのは、そういった「三方良し」の世界観です。

若年層領域の未来
支援の「幅」も「時間軸」も広げていく
新卒だけ、あるいは専門職だけ。ターゲットを絞れば、その中では強くなれます。でもその分、支援できない人を見送ることになる。だから私たちは、会社全体でその逆をやり切るために、新規事業とM&Aを推進し続けます。実際に「キャリアチケット転職」では、どうしても支援しきれないお客様に他の社内サービスをご紹介することもしています。どんな方が来ても、どこかのサービスで救うことができる。レバレジーズ全体の提供価値を最大化するうえでも、非常に重要な領域です。
また、M&Aした”だけ”で社会に価値は生まれません。直近買収した「ペンマーク」は時間割だけでなく、サークル、部活、アルバイト、留学——学生時代の経験を管理できる大学生活のライフスタイルアプリに育てていきたい。「キャリアチケットカフェ」も、サークルへの協賛や大会のスポンサードという形で、大学のなかにあるコミュニティと1つ1つ関係をつくっていく。サークル活動でも、留学でもいい。何かに熱中しながら、自分の生き方を考える機会を提供したい。そのうえで、最適なタイミングでキャリアの支援につなげたいんです。
やはり、こういった先行投資は回収まで時間がかかります。大学1年生と接点を持っても、就職するのは3年後ですから。それでも踏み込めるのは、レバレジーズが創業以来ずっと黒字で、安定した経営基盤があるからです。今期の数字ではなく、数年後にどんな価値提供ができているかで判断できる。中長期的な時間軸で戦略を描けること自体が、私たちの独自性です。
さらに先まで「線」で支えると言っても、こちらから追いかけて囲い込むわけではありません。だから、いちばん重視していくのはブランド認知です。次のキャリアを考えたときに第一想起して、自分の意思で帰ってきてもらう。目指すイメージは、「誠実」。人材系のサービスはどうしても誤解されやすいものだからこそ、顧客と真摯に向き合っていることを、自分たちの色として出し続けたいと思っています。
手段には、あえてこだわらない
冒頭で、若手正社員がいる企業が減っているという話をしました。そのとおり、負を抱えているのは学生側だけではありません。採用活動は負荷が高いために担当者の入れ替わりが多く、ノウハウが溜まらないまま誰かが毎年同じ苦労を繰り返している。現状のサービス展開だけで、この負が全部解けるとは思っていません。
ビジネスモデルありきではなく、この領域の負が解けるなら手段はこだわらない。そういうスタンスで事業開発を続けたいと思っています。

将来の仲間へ
全体最適で勝ち切る
この領域で得られるのは、「サービス全体で勝ち切る」経験です。自分の担当だけを最適化しても、市場のトップは取れません。だから、事業全体の勝ち方から考える癖がつきます。網羅的に価値を生むと決めた時点で、簡単に差別化しづらいのは宿命。限られたリソースで生産性をどこまで上げられるかを、徹底的にやるしかない。
だから部長たちには「お互いの利害で動かないように」と口酸っぱく言い続けています。自分の部門が損をしても、サービス全体が得をするならその意思決定を評価する。もちろん、メンバーに対しても同じです。
大事なのは「誠実さ」
そういった環境で一緒に働きたいのは、やはり「誠実」な仲間です。お客様に対しては当たり前として、社内の関係者に対してもそう。相手の考えを尊重しながら、何が最適かを相手以上に考える。そういう人が、結果的にちゃんと成果を出しています。変な仕掛けのないビジネスだからこそ、そこがシンプルに成果に跳ね返ってくるんです。
あえて言うと、最初はきっとみんな悩みます。自分の力や知識が足りないせいで、思うような支援ができないことがあるかもしれない。でも、「誠実」であり続ければ、実力は必ずついてきます。
これ以上に人の人生に寄り添える仕事は、そう多くないと思います。本気で世の中を変えたい方。本気でお客様に向き合いたい方。誰かを救うために、力を高めたい方を待っています。ぜひ一緒に、真正面から業界を変えましょう。
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