レバレジーズが15年間手がけてきたIT事業から生まれた「ストラテジックM&A」 - IT業界に特化した、新時代のM&A支援 –

社会課題の解決M&A

事業 / サービス

多くの人材関連事業を手掛けてきたレバレジーズの新たな挑戦として、2018年3月に開始したIT業界特化型のM&Aアドバイザリー事業「レバレジーズストラテジックM&A」。同事業には、レバレジーズの強みや「らしさ」がぎゅっと凝縮されています。事業部長の高橋さんに、事業の特徴やこれまでの軌跡、サービスの今後について聞きました。(聞き手:岡)

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Profile
  • 高橋(Takahashi)
    M&Aアドバイザリー事業部 部長

    大学在学中に音楽系社団法人を立ち上げる傍ら、創業メンバーとしてEC系スタートアップに参画。輸出事業部の立ち上げ、EC構築、物流管理、採用、マーケティング等幅広く携わったのち、2015年にレバレジーズへ転職。レバテック大阪支店の立ち上げ、中途採用採用責任者、新規事業検討室等を経て、現在M&Aアドバイザリー事業の事業部長を担う。

IT業界の目に見えない価値を可視化するM&A事業

「レバレジーズストラテジックM&A」とはどんなサービスですか?

 

 2018年3月に開始したIT業界特化型のM&Aのアドバイザリー事業です。企業や事業の買収、合併・吸収に際して譲渡企業と譲受企業の間に入り、シナジー効果の認められる企業のマッチングを推進しています。具体的には経営戦略の立案、株価算定、事業・財務・法務のアドバイスなど。相談から成約(グループイン)に至るまでをワンストップで支援します。また上場企業に対しては、M&A戦略の要件定義といったコンサルティング業務なども行っています。

 

なぜ今このタイミングで、M&A支援事業を新たに立ち上げたのでしょうか?

 

 近年、国内IT業界でM&Aのニーズが高まっています。2014年以降、国内ITソフトウェア業界におけるM&A件数は急激に上昇し、最高件数を更新し続けています。その背景にあるのはIT業界を取り巻く環境の変化とIT人材の不足です。特に変化の大きいIT業界においては技術トレンドの移り変わりが激しく、企業においても優秀なIT人材の確保が常に課題となります。そのため人材の流れも著しく、人材不足が加速することも予想されていました。

 

 こうした時代の流れは、当社のレバテック事業をはじめとしたIT関連事業全体を通して常に感じていることでした。この人材不足問題に対して、企業・人材の価値を創出しマッチングしてきたノウハウを活用することで、M&Aにおいても企業をサポートできるのではないかと考えました。

 

 また、日本全体で見ると経営者の高年齢化による後継者問題も深刻化しており、東京商工リサーチの調べでは、全国の社長の平均年齢は2018年で61.73歳。調査が開始されて以来、最高年齢となりました。急速な技術発展が進む中で会社をどう成長させるべきか悩んだり、働き方の多様化に伴いこれまでのような世襲スタイルでの引き継ぎが上手く行えず後継者が見つからないといった悩みを抱えている経営者も少なくはありません。

 

 政府もM&Aの税率を軽減したり、事業承継ファンドを立ち上げたりと国内企業のM&A支援を加速させています。こうした背景から、より多くの企業をサポートできると確信し、M&A事業を立ち上げました。

 

「レバレジーズストラテジックM&A」ならではの強みを教えてください。

 

 当社には、国内最大規模のIT人材の支援事業を行ってきた実績と、30を超えるWebメディアの運営実績があります。これらから得た知見を活かして、企業の価値を正しく算出したり、M&Aによるシナジーを精度高く検討したりすることができる点が大きな強みです。

 

 IT業界は、無形の価値が多く客観的に企業価値を算出することが難しい業界です。たとえば、エンジニアやクリエイターなどのIT人材やWebメディアの価値などです。通常のM&A案件の場合、財務状況だけで企業価値を判断することも少なくありません。しかしIT企業の場合、たとえ財務状況が悪くとも、在籍しているIT人材のスキルが高かったり、運営しているメディアで多くのユーザーを抱えたりしていれば、十分に価値が高い企業として評価されます。

 

 また、定性的なマッチングを重要視しているのも「レバレジーズ ストラテジックM&A」の特徴です。M&Aでは、ほとんどのケースで「人」の大移動が起こります。しかしM&Aによる人員異動の対象になるエンジニアやクリエイターにおいては、仕事環境やスキルに対する独自の美学を持っているケースが大半です。

 

 そのためIT業界におけるM&A案件では、財務などの金融面だけの話ではなく、文化的な融合が不可欠です。この点に関して、IT事業の運営をを通して時代の流れを読み取りながら多くのIT人材と向き合ってきたレバレジーズだからこそ、エンジニアやクリエイターのこだわりを理解したうえで、この会社に入って良かったと思い続けてもらえるよう支援をしています。

 

 

経営者にとことん寄り添い、強固な信頼関係を構築

成約実績も増え事業も順調のようですが、立ち上げから実績に繋がるまではスムーズにいきましたか?

 

 いえ、立ち上げて最初の半年は苦労しましたね。M&A業界を調べていると、IT関連の案件が多いにも拘らず、そこに詳しい仲介会社や専門家が少ないことがすぐに分かりました。知見のある人がITやWeb領域に対して体系的にコンサルティングしていくことの重要性やその社会的ニーズは感じたのですが、そこを事業として形作るのが上手くいかず苦戦しました。

 

 転換期になったのは事業開始から半年後です。この時期に、金融業界でトップコンサルタントとして活躍していたり、大手M&A仲介会社や上場企業のM&A責任者としてのキャリアを持つ面々がメンバーとして新たに入社し、一気に事業部の体制が整ったんです。彼らのおかげで理想とする事業の形が出来ました。そこから猛ダッシュで駆け抜け、期限ギリギリで2018年度の目標を達成できた瞬間は本当に嬉しかったです。

 

どのような会社がクライアントとなるのですか?

 

 譲渡企業は、売り上げ規模1億円から30億円ほどの中小企業やベンチャー企業が多いですね。IT業界に関する事業知見などを評価いただくことが多く、30年以上に渡りシステム開発事業を手掛けている企業様などから「大事な社員(エンジニア)を安心して委ねられる」と仰っていただいています。

 

 譲受企業は案件によって本当にさまざまですが、ほとんどが上場企業です。すでに持っているプロダクトに最新の技術を導入すべく、技術力のある企業を探されているケースが多いですね。譲渡企業のことも譲受企業のことも熟知したうえでマッチングのご提案しているので「マッチングの精度が高い」と好評です。対面で密にコミュニケーションを取り続けるアドバイザリー形式だからこそ、時間がかかってもお客様の期待にしっかり応えられているのだと感じています。

 

 

M&A後も企業と社員に寄り添い徹底的に支援する

さらなる成長に向けて、どのように事業をアップデートしていく予定ですか?

 

 今後はPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)の支援、すなわちM&A後の統合効果を最大化するためのコンサルティングへ取り組んでいきたいと考えています。1年ほどかけて統合した会社が統合先の組織に馴染むための仕組みづくりをしたいと思っています。

 

 レバレジーズの事業価値をさらに高めるためにも、CTO派遣や技術指導支援ができたらより本質的な支援ができますよね。M&A支援自体はゴールではなく、企業支援のための新たなスタートラインです。定性的なマッチングを重視しているからこそ、この点には徹底的に拘っていきたいですね。

 

では最後に、「レバレジーズストラテジックM&A」を通じて実現したいことを教えてください。

 

 M&Aを行うということは、そこに関わる多くの人たちが動くということです。それだけ私たちの事業が社会や企業に与える影響は大きく、新たな価値を生み出す可能性を秘めています。だからこそ、クライアントである経営者はもちろん、社員、そのご家族やユーザーまで幸せにできる事業でありたい。エンドの人まで幸せになる状態を作り続けていたいです。

 

 最後に個人的な話にはなりますが、私は「自身が介在する価値を最大化することで、喜んでくれる人の数を最大化する」という自分なりの哲学を持っています。この事業は、まさに自分の哲学そのものなんですよね。レバレジーズの経営理念である「関係性全員の幸福の追求」ともリンクしているし、メンバーも思いに共感してくれている。だからこそ、間違いなく”家族やユーザーまで幸せにできる事業”が実現できると信じています。

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