創業から連続増収を支えた、社員が成長する「教育方針」とは?

カルチャー

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前年比130%の年商推移で成長を続けるレバレジーズグループ。急速な事業拡大を実現してきた裏側では、社員に対してどのような教育が行われているのか。創業以来変わらない教育方針や、研修・教育施策の具体的な内容について紹介します。(編集:徳永)

Contents

自身で考え抜き、能力を上げることが、育成として本質的に正しい状態

 

■レバレジーズグループの教育方針

・安定とは会社の中ではなく職能の中にある

・知識だけ増やしても自身で考え抜かなければ能力は上がらない

・研修はあくまで「1割のきっかけ」である

 

安定とは会社の中ではなく、職能の中にある

 

レバレジーズでは「安定とは会社の中ではなく、職能の中にある」という方針の下、自社内で必要とされる能力開発ではなく、社会全体から必要とされる能力開発を行っています。社会から必要とされる人材を育てなければ、会社が強くならない。この教育方針は創業以来変わっていません。

 

知識だけ増やしても、自身で考え抜かなければ能力は上がらない

 

上記の方針の根底にあるのは「知識だけ増やしても、自身で考え抜かなければ能力は上がらない」という考えです。例えば業務に必要な能力が10段階あるとして、レバレジーズが社員に教えるのは1〜3段階目までです。もちろん、基礎となる知識やマインドセットを身につけられるよう、入社時やリーダー昇格時など「節目」で複数の研修が実施されています。しかし、その先の4〜10段階目は自分ら考えて行動することが求められます。

 

もちろん、1〜10段階全てを教えれば、成果は上がります。しかし、市場や顧客が変わったときに、自身で考えて行動できる人材になることはできません。それに対し、多少苦しくても、失敗しそうになったとしても、どうにか10段階目までたどり着いた人は、自分で考え抜く能力があります。その後、もし市場などの外部環境が変わったとしても、自身で10段階目はもちろん、20、30段階目の成果を出すことができ、そんな人が社会から必要とされる人材だと考えています。

 

研修はあくまで「1割のきっかけ」である

 

社員を成長させる要素は、1割が「研修や読書でのインプット」、2割は「上司や周囲からの助言」であり、残りの7割は「現場経験」と捉えています。つまり研修などでのインプットは「行動変化のきっかけ」であり、学んだことを現場で実行し、改善を繰り返すことが成長に繋がるという考えを前提として、レバレジーズは研修を行っています。

 

レバレジーズグループの研修の特徴

①企業理念に沿ったマインドセット

 

代表の岩槻が大切にしている「テクニック+マインドセットが成果を創る」という考えを基に、新卒入社研修では「Leverages Mindset」という講座の中で、社会人としてのマインドセットを学びます。中でも「目的設計を行い、利他性を持って行動すること」を最重要としており、レバレジーズの理念である「関係者全員の幸福の追求」を実行するためのマインドセットを全社員が理解し、行動するきっかけとしての講座にしています。

 

②豊富なケーススタディ

 

研修のコンテンツとして「ケーススタディ」を重視しています。例えば、部下の人事評価を行う社員向けの「評価者研修」の場合、研修後に実際に部下の評価を行った際、部下に対してその評価の背景・理由を自分の言葉で正確に説明しなければいけません。研修を受けて「評価基準が分かった気がする」だけでは、社内で評価の差が出てしまう可能性があります。その状況を防ぐため、研修では想定される実際の場面を例題に、その解決策を考え、受講者同士でディスカッションする形式にしています。このように、「研修をより具体的に、現場感に近づける工夫」に取り組み続けています。

 

③研修の質への投資

 

全社の研修設計を「教育研修・組織開発グループ」という専門部署が担い、社員に発信したい内容に合わせて柔軟に設計しています。専門性の高い講師の招聘を行っており、例として、2020年度は新卒入社研修にデール・カーネギー・トレーニング社の研修を導入しました。またこうした「外部教育」に加え、社内の役員や事業部長が講師として登壇する「社内教育」も行い、現場感のある研修を実現しています。今年度はさらに外部講師や外部教育機関への積極投資を行う方針を掲げ、社員の能力開発にますます注力します。

 

研修・教育施策の紹介

3種類の教育アプローチ

 

レバレジーズでは、3種類の教育アプローチで研修や教育施策を設計しています。

 

①定常研修の体系化

∟入社、昇進など節目での能力開発が目的

・新卒入社研修

・新任リーダー研修

・管理職研修         etc.  

②学習環境の整備

∟社員の学習機会の増加が目的

・1on1制度

・メンター制度        etc.

③組織活性施策の実施

∟組織内のコミュニケーション促進が目的

・5因子個性分析理論研修

・アシミレーション制度    etc.

①定常研修の体系化

新卒入社研修

 

レバレジーズグループでは新卒約200名で、約2週間かけて研修を行うことで、成果に繋がるマインド・行動を理解し、現場でスタートダッシュを切ることのできる体制を整えています。新卒入社研修では約20種ある研修内容のほぼ全ての講師を事業部長をはじめとする社員が担当し、新卒の成長をフォローする社風があります。

 

また新卒入社研修の研修内容の中でも特徴的なのが「キャリア設計セミナー」と「アウトプット実習」です。入社すぐのタイミングで「キャリア設計セミナー」を行うことで、自分の今までの経験とこれからの仕事をつなぎ合わせながら、長期的な目線で配属先の業務に取り組む姿勢作りを行っています。

 

新卒入社研修での「アウトプット実習」は、社内で起こりうる場面を想定したケーススタディの解決に取り組みます。現場で起こりうるケースとそれに対する考え方を現場への配属前から知っておくことで、課題に直面しても自分で考え、早急に対策を打てるようになることが、この研修のねらいです。

 

新任リーダー研修

 

会社規模の急拡大により、各事業でリーダーの数が増え続ける状況に対応するために「新任リーダー研修」を実施しています。リーダー昇格した社員を対象とし、全事業部・全職種合同で研修を行っており、部署を超えたリーダーの繋がりを実現しています。研修では、リーダーのマインド醸成、スキル向上を目的に「マインドセット講座」「自チーム課題への対策策定」「メンバー育成計画作成」などを行っています。

 

新任リーダー研修で行う「マインドセット講座」は「人を成長させるマネジメントの本質」というテーマで、会社としてリーダーに求めている「①仕事の完遂・改善、②メンバー育成、③リーダー自身の成長の3点への責任」について、役員が講義を行います。この研修で、チーム運営への主体性や責任感を高めます。

 

「自チーム課題への対策策定」は、チームの現状に沿った実践的な対策を考えるワークを行っています。理想の状態と比べ、現在は何の課題に時間を割いて、どの程度対策できているか。その状況を踏まえて、直近半年は何をすべきか計画を決定します。この研修を行った3ヶ月後にもう一度リーダー研修を行い、計画達成までの戦略を再検討することで、目標達成力の向上を図ります。

 

管理職研修

 

管理職を対象に、代表の岩槻が選ぶ外部講師に依頼して実施します。管理職にさらに身に付けて欲しいスキルや、会社の課題感に合わせて実施しており、研修受講をきっかけに事業に対してプラスの影響を与えることが目的です。実績ある研修講師や、ビジネス書のベストセラーの著者に外部講師を依頼しており、効果的な研修を実施しています。

 

②学習環境の整備

1on1制度

 

メンバーの成長支援を目的に、リーダーとメンバーが1対1で行うミーティングです。レバレジーズグループでは月1回以上の実施がルール化されています。1on1で目指すべきゴールは、メンバーが「話せてよかった」と思うこと。メンバーの得意・不得意や、動機づけられる・ストレスを感じるポイントを理解し、新たな行動やチャレンジを促すことで、成果への貢献感と能力の向上を自覚することができます。

 

質の高い1on1ができるよう、レバレジーズグループでは1on1のガイドラインが展開されています。1on1の目的や実施方法、注意事項のチェックリスト、ケーススタディが書かれたガイドラインを基に、各事業部で1on1のレクチャー研修を行うなど、事業部課題に合わせた対策を行っています。

 

メンター制度

 

全職種の新卒1年目社員を対象に、日頃、仕事で関わりのない先輩社員とペアを組み、アドバイスを受けることで、新卒社員の成長をサポートする制度です。月に1度以上、30分〜1時間程度の面談を行います。

 

メンター制度の目的は「自身の成長を実感し、客観的な意見を基に改善点を発見すること」。圧倒的な成果の出し方や、将来的なキャリアプランなど、相談内容は様々です。新卒社員の成長を部署の垣根を超えて支える体制が整っています。

 

③組織活性施策の実施

5因子気質分析理論研修

 

組織の生産性向上を目的に、人の気質・個性を5つの基礎因子で計量する分析ツールを導入しており、その利用方法の理解を深める研修を行っています。チーム内のメンバーの思考や行動パターンの傾向を掴み、フィードバックや意見のすり合わせに利用できるほか、特性が同質・異質の人を全社員の中から検索することができ、自己理解・他者理解を深めるツールとして、チーム運営に利用されています。

 

アシミレーション制度

 

メンバーがリーダーに対して知りたいこと、続けて欲しいこと、改善して欲しいことなどを書き出し、ディスカッションする制度です。その内容を匿名でリーダーにフィードバックすることで、メンバーの本音をリーダーに伝え、チーム内の相互理解を深めています。

  

アシミレーション制度には2つの側面があります。1つ目が、リーダー自身が自己認知を深めることで、伸ばすべき強み・改善すべき弱みを把握することができるという、リーダー育成の側面。また、メンバーが意見を出し合うことで、これまで知らなかった他メンバーの考えを知る機会になり、コミュニケーションが活性化するという、組織開発の側面があります。

 

まとめ

教育体制のこれから

 

レバレジーズグループでは「安定とは会社の中ではなく、職能の中にある」という方針の下、社員の能力開発に力を入れています。2020年度は、中長期的な目線からの施策設計を行う予定です。例えば社員に将来的な目標を見つけてキャリアを歩んでもらうことや、目の前の仕事へのモチベーションをさらに高めることを目的に、キャリア開発施策を計画しています。「社内キャリアの選択肢の種類は?」「ロールモデルになる社員が入社1〜3年目に何をして、今どのようなキャリアを歩んでいるか?」といった疑問への答えを可視化していきます。

 

おわりに

 

今回の記事では、レバレジーズグループの教育方針についてお伝えしました。「社会から必要とされる人材」を育てられるよう、社員の能力開発を行っています。それらの研修は、あくまで「自身で考え抜かなければ能力は上がらない」という前提の下で行われています。今後も企業理念である「関係者全員の幸福の追求」の実現を目指し、社員と会社が成長できる教育体制作りに取り組んでいきます。

 

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