20周年

医療・ヘルスケア領域の構造的危機に立ち向かう。レバレジーズが仕掛ける多角的な課題解決

新卒中途レバウェル事業部長インタビュー

事業 / サービス

超高齢化社会の進行に伴い、人手不足や病院の経営難といった構造的な問題が深刻化する日本の医療・ヘルスケア領域。レバレジーズではHR事業にとどまらず、教育、SaaS、そしてオンライン診療へと事業の幅を広げ、領域全体の課題解決を目指しています。なぜ単一の事業ではなく、多角的なアプローチをおこなうのか。そこにはどのような戦略と強みがあるのか。コニシ・ナカシマ・サトウの3名に、同領域の最前線で直面するリアルな課題と、多角的な事業展開によって描く未来について聞きました。(ライター:オオツボ)

Contents
Profile
  • コニシ
    レバウェル株式会社 取締役社長

    早稲田大学卒業後、2013年新卒入社。看護師・介護職の人材紹介事業を起点に、複数拠点の立ち上げや事業部長として事業運営を担う。2022年にレバウェル執行役員に就任。2026年より同社社長に就任。医療系紹介事業協会代表幹事も務める。

  • ナカシマ
    レバクリ 事業部長 / マーケティング本部 プロダクトグループ リーダー

    京都大学卒業後、2019年新卒入社。複数領域の新規事業開発やプロダクトマネージャーを担当後、オンライン診療プラットフォーム「レバクリ」の立ち上げに参画。2023年から同事業の事業部長として、主にマーケティング、プロダクトマネジメント、カスタマーサクセスを管掌。

  • サトウ
    マーケティング本部 レバウェル看護 マーケティング責任者 / CRMグループ レバウェルチーム リーダー

    早稲田大学卒業後、2020年新卒入社。2022年4月、全社の最優秀マーケター賞を受賞。現在はレバウェル看護のマーケティング責任者を務めながら、顧客接点の最適化をおこなうCRMチーム(レバウェル)のリーダーを務める。

医療・ヘルスケア領域が直面する構造的な問題

現在、日本の医療・ヘルスケア領域では、どのような「構造的危機」が生じているのでしょうか?

最も大きな問題は、「現場を支える人が不足している」という構造的な需給バランスの崩壊です。社会の超高齢化が進みサービス需要が膨らむ一方で、少子化によって働く世代そのものが減少し続けています。

厚生労働省の推計によると、2040年には医療・福祉現場で約1,070万人の就業者が必要とされるのに対し、実際に見込まれる数は約974万人にとどまります。実に、約96万人もの労働力が不足すると予測されているのです(※1)。

2040年と言っても、そう遠い話ではありません。そのころには、私たち自身が親の介護や家族の健康問題に向き合っている可能性も十分にあります。

需給バランスが崩れると、提供される医療やサービスの質が低下するだけでなく、地方で必要な医療が受けづらくなったり、増大し続ける社会保障費が現役世代の重荷になったりと、連鎖的に複数の問題が生じてしまいます。


※1 厚生労働省「令和4年版厚生労働白書」より。

人手不足に伴って、現場や事業者側にはどのような影響が出ているのでしょうか?

事業者側の「経営悪化」と「DXの遅れ」、そして「現場に求められる役割の変化」が挙げられます。 


物価や人件費の高騰が進む一方で、診療報酬などは公定価格であるため、民間企業のように柔軟に価格転嫁ができません。結果として、現在では一般病院の7割以上が赤字経営(※2)という非常に厳しい状況に直面しています。本来であればDX化によって生産性を高めるべきですが、現場は日々の業務で手一杯であり、経営難のためにDX投資への資金的な余裕も持てないという悪循環に陥っているのが現状です。


さらに、国が在宅医療・介護への移行を進めるなかで、看護や介護の現場は在宅や地域へと分散し、多職種間の複雑な連携が求められるようになりました。単に人手が足りないだけではありません。現場で求められる役割や働き方そのものが変化しているため、従来のような単一のアプローチでは根本的な解決が難しくなっているのです。


※2 中央社会保険医療協議会「第25回医療経済実態調査」(2024/令和6年度決算)より。本業の損益を示す医業利益が赤字の病院の割合は一般病院で72.7%(病院全体では67.2%)。

人材・教育・DXの3軸で支える。レバウェルの包括的なアプローチ

そうした複雑な連鎖に対し、レバウェルではどのようなアプローチをおこなっているのでしょうか?

「この国のウェルネスを支える」というビジョンのもと、「人材供給・最適配置」「新たな働き手の確保」「生産性向上(DX)」という3つの軸で包括的なアプローチをおこなっています。単に人材を供給・配置するだけでは、人手不足の本質的な解決には至らないからです。


まず1つ目の「最適配置」についてですが、看護師の紹介事業からスタートしたレバウェルは、現在では介護、保育、医師、薬剤師など全10領域の職種の求人へと対象を拡大し、業界のキャリアを横断して支えるプラットフォームへと進化してきました。紹介事業にとどまらず、派遣やスカウト、求人メディアへとサービスを広げています。


先ほど経営難のお話もありましたが、事業者ごとに経営体力や採用に割ける予算は大きく異なります。だからこそ、多様な手法を揃えることで、それぞれの予算感や幅広いニーズにきめ細かく対応できる体制を整えています。

2つ目の「新たな働き手の確保」の取り組みとしては、経済産業省のリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(※3)に採択された「レバウェルスクール介護」があります。資格取得から転職支援までを一貫しておこない、介護職としてのキャリア形成と業界への定着を後押ししています。


※3 経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」より。(https://careerup.reskilling.go.jp/)

HR事業にとどまらず、SaaS「わんコネ」などの生産性向上(DX)に取り組む理由を教えてください。

事業を通して現場に向き合うなかで痛感したのが、「人を届けるだけでは解けないアナログな負荷」でした。病院・施設間の転院調整において、今なお電話やFAXといった手段に看護師やソーシャルワーカーの方々が膨大な時間を割かれていたのです。


そうした業務自体をデジタル化し負担を軽減するために生まれたのが、入退院支援SaaS「わんコネ」です。現在では一都三県(※4)で約70%の導入シェア(※5)を獲得し、現場の生産性向上を支援するプロダクトに成長しています。 


※4 東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県

※5 営業対象医療圏の精神科・産婦人科・小児科除く病院(2026年3月時点)

当社がHR事業による採用支援から、SaaSによる業務効率化まで一社で包括的にご支援するのは、採用や運営の負担を減らし、医療従事者の方々が患者様へのケアに集中できる環境をつくるためです。これこそが、私たちが社会に提供できる本質的な価値だと考えています。

事業展開をおこなう上で、大切にされていることは何でしょうか?

根底にあるのは、「事業者様であれ求職者様であれ、目の前の人や現場の感情に深く向き合う」という姿勢です。


営業はもちろん、求職者様向けのマーケティングでも、この姿勢を大切にしています。たとえば「高給与」という条件で検索している方でも、アドバイザーとのやり取りを統合して背景を読み解くと、「今の給料を上げたい人」だけでなく、「いま十分な給料をもらっているからこそ、給与水準は下げずに環境を変えたい人」もいらっしゃいます。


検索条件などの行動データだけでなく、その行動をとった文脈まで理解した上で、一人ひとりに適した情報やコミュニケーションを届けることを目指しています。

こうしたオンライン・オフラインでのきめ細やかな対応を組織全体で実践できる背景には、営業、マーケティング、デザイン、開発など、事業開発におけるすべての職種を社内に持つ、インハウス体制があります。現場の声をスピーディーにプロダクトやサービスに反映できることは、私たちの強みですね。


サービス品質に関しても、厚生労働省委託事業である「適正な有料職業紹介事業者の認定制度」の満足度調査(※6)において、総合部門で上位3企業の1つに選出されるなど、求人事業者様からも高い評価をいただいています。


今後もサービスやプロダクトの磨き上げを重ね、現場で働く方々が本来のケアに専念できるよう、事業者の皆様に一番近くで寄り添うパートナーであり続けたいですね。


※6 厚生労働省委託事業「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」顧客推奨度調査(満足度調査、2025/令和7年度実施)より。

医療へのアクセスを変革する。オンライン診療事業「レバクリ」

 レバクリは、どのような課題意識から立ち上げられたのでしょうか?

時間的・地理的な制約によって必要な医療にかかりづらい「医療アクセス」や「地域ごとの医師偏在」といったこの領域の大きな問題に対応するために立ち上げたのが、オンライン診療プラットフォーム「レバクリ」です。「自宅があなたのクリニックになる」をコンセプトに、予約・事前問診・電話またはビデオチャットでの診察・決済・医薬品の配送までを、オンライン上でワンストップで完結できるサービスを提供しています(※7)。


当社の調査(※8)では、対面で受診した方の約7割が受診に負担を感じていました。また、通院のために仕事を休んだことがある方の約8割が、休むことに負担を感じています。レバクリはそうした精神的・時間的ハードルを解消し、サービス開始から約2年で登録者数は10万人を突破しました(※9)。

都市部に医師が集中し、地方で不足する「医師の偏在」も深刻です。オンライン診療の普及率はまだ低いのが現状ですが、レバクリを通じてこの比率を引き上げ、医療崩壊を防ぎたいと考えています。


現在はAGAやピルといった自由診療領域を中心に展開していますが、顧客ニーズや法改正といった市場の流れをいち早くキャッチアップし、スピード感を持って事業開発を進めていくことが何より重要だと考えています。単にWeb上のシステムを提供するだけでなく、提携先のクリニック様や医師の方々との間で、オペレーション改善を泥臭く積み重ねることで、受診のハードルを下げ、無理なく治療を継続できる環境づくりに取り組んでいます。


※7 診察や薬の処方は提携先医療機関で実施しています。

※8 レバレジーズ株式会社「対面での病院受診に関する実態調査」(2026年)より。調査期間:2026年3月16日〜18日、調査方法:インターネット調査、調査対象:直近1年以内に対面で病院を受診した人、有効回答数:520人(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000915.000010591.html)

※9 登録者数は2026年6月時点のデータです。

こうした新規事業や事業拡大を、スピーディーに推進できる背景には何があるのでしょうか?

レバレジーズグループが持つ、年商1,760億円超(※10)、創業以来の黒字経営、毎年前年比125%以上の粗利成長という強固な財務基盤です。外部の資金や意向に縛られることなく、社会課題の本質的な解決に向けてスピーディーに大規模な投資ができる環境だからこそ、自社開発だけでなくM&Aも含めた事業推進が可能になっています。


実際に2025年には、女性領域に強い「mederi」のM&Aをおこないました。経済産業省の試算(※11)では、女性特有の健康課題による経済損失は年間約3.4兆円に上ると言われており、社会的意義の非常に大きい領域です。当社のマーケティング力やオペレーションのノウハウを掛け合わせることで、大きなシナジーを生み出しています。


今後は、保険診療クリニックの支援や、企業向け福利厚生サービスの導入も推進していく考えです。将来的には、診察だけでなく処方や服薬指導といった周辺領域のオンライン化を進めつつ、現場に入り込んで事業者の経営改善や効率化に直結するプロダクトを連続して創出していきたいと考えています。


強固な基盤を活かしてスピード感をもって事業を拡大し、誰もが適切な医療にアクセスできる社会を実現していく。それが、私たちがこの事業を通じて成し遂げたい使命です。 


※10 2025年度実績。会計基準変更前。

※11 経済産業省「女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について」(2024年2月)より。

領域横断で生み出すシナジーと、私たちが目指す「この国のウェルネス」

 多角的な事業展開を通じて、今後はどのような未来を目指していくのでしょうか?

人材、教育、SaaS、オンライン診療と事業の形は多岐に渡りますが、「この国の医療・ヘルスケア領域の課題を解決し、人々のウェルネスを実現する」という目的に向かう姿勢は一貫しています。同じ目的に向かって多角的にアプローチできるからこそ、単一の事業では決して生み出せないシナジーが生まれるのです。


レバウェルが人の採用やDXを通じて施設の経営と生産性を支え、レバクリがオンライン診療や予防医療を通じて「健康に働ける人」を増やしていく。領域全体を「点」ではなく「面」で支援するこのアプローチによって、この領域の閉塞感を根本から打破し、すべての人々が生き生きと輝ける「ウェルネス」の実現を目指します。

最後に、この記事を読んでいる皆さんへメッセージをお願いします。

医療・ヘルスケアの現場で働く方々は、毎日誰かを支えています。そんな「支える人」を支えるのが私たちの仕事です。だからこそ、一人ひとりの想いにどこまで深く向き合えるかが重要だと思っています。


短期間で簡単に解決できる問題ばかりではありません。だからこそ、自分の役割に境界線を引かずに動ける泥臭さと、「自身の業務が社会のどこにつながっているのか」を自分ごと化できる視座の高さを大切にできる方と一緒に働きたいですね。


レバレジーズには、社会の複雑な課題に対して事業で挑み続けられる強固な基盤と環境があります。答えのない問いに泥臭く向き合い、新しい価値を生み出す経験は、必ず皆様の大きな成長と誇りになるはずです。一緒にこの国の未来を創っていきましょう。

Read More
こんな記事も読まれています