レバレジーズ代表・岩槻が語る「創業秘話」

事業創造経営社会課題の解決人の役に立ちたいカルチャー中途新卒代表インタビュー

カルチャー

レバレジーズの歴史は、2005年の岩槻の大学卒業と同時に創業したことに始まります。創業当初から「顧客の創造を通じて、関係者全員の幸福を追求し、各個人の成長を促す」という企業理念を掲げ、国内外の社会課題に向き合い続けてきました。 創業18年で年商は1000億円規模に成長し、事業数は40以上に。新たなフェーズに突入した今だから語れる、創業秘話や当時の出来事、そして未来の展望などを赤裸々に語っていただきました。(ライター:青江)

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Profile
  • 岩槻 知秀(Iwatsuki Tomohide)
    レバレジーズ株式会社 代表取締役

    1980年生まれ。大阪府和泉市出身。早稲田大学社会科学部入学後、大学1年時からIT企業にてエンジニアとしてビジネス経験を積む。大学卒業と同時に、2005年にレバレジーズ株式会社を設立し、グループ会社の取締役も兼務。

知識ゼロ、経験ゼロからプログラマーへ

起業のきっかけを教えてください。

19歳のころにナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」を読んで、そこに記載されているさまざまな成功者の話や、その他多数の起業家の本を読んだことが、起業を考えるきっかけとなりました。家族がマスコミ関係の仕事をしていたこともあり、漠然と自分もマスコミの道へ進むことを考えていました。しかし、紆余曲折あり結果として「1度きりの人生だから、起業家として事業を創り、社会に大きなインパクトを与えたい」と思うようになったんですよね。

 

そこから本格的に起業に向けて勉強を開始しました。そんななか父親の事業が失敗し、借金を背負うという不運が重なり、いきなり窮地に立たされてしまったんです。

 

そこから、生活費や学費を自分で稼がなければならなくなり、日雇いアルバイトを始めることにしました。しかし学生だった当時は、時給が良い職業はホストかプログラマーしか選択肢がなかったんですよね。それで、将来につながるキャリアを鑑みたうえで、プログラマーとして働くことに決めました。

そうだったのですね。それまでプログラミングの経験はあったのでしょうか。

いえ、それがまったくなくて、知識も経験もゼロという状況でしたね。

 

しかし、生活費や借金の返済のために、一刻も早くプログラマーとしてお金を稼ぐ必要があったので、1分1秒を惜しむように必死に独学で勉強しました。その甲斐もあり、大学在学中にIT企業でインターンを経験させていただき、プログラマーの基礎を学び、独学だけでは得ることのできない経験をいろいろさせてもらいました。

 

そのような経験を積んでいたおかげで、まだ社員が2名しかいないとあるベンチャー企業の創業メンバーとして声をかけてもらいました。ただ、そこが想像以上のブラック企業で、労働環境も劣悪なうえに、自社が利益を上げることができれば他人にどれだけ迷惑をかけても構わないという会社でした。当時はインターネットが普及して間もない頃で、いわゆるブラック企業よりも劣悪な環境の会社がまだたくさん存在していました。

 

こういった会社での経験を通じ、またその会社が関わった人が全員不幸になっていったのを見ていたので、ビジネスをするのであれば関わった人に対して喜んでもらえる会社を創ろうと思うようになりました。これが今のレバレジーズの経営理念「顧客の創造を通じて関係者全員の幸福を追求し、各個人の成長を促す」に繋がっています。

お金と仕事で困らない世界をつくるために

学生時代に起業を決めたと思うのですが、就職することは考えていなかったのでしょうか?

金融業界に就職することも考えていました。

 

というのも、起業する際の事業アイデアの第一候補として、当時はまだなかったインターネット生命保険の領域を考えていました。ただ、ITの知識は一定あったんですが、金融に関する知識が足りていなかったんですよね。なので、就職することでその知識を補い、その後の起業に活かそうと思ったんです。

 

ただ、面接時に金融業界を志望する動機にもなった借金を背負った話をすると良い顔はされなかったんですよね。そして、内定をもらった後に、不必要な回転売買をおこなっていたり、必要以上の生命保険をたくさん売っているという実態がわかり、金融業界自体に疑問を持ち始めました。その際に個人事業主として始めた事業が軌道に乗っていたということもあり、就職をやめて起業することにしたんです。

そうだったのですね。最初に立ち上げた事業は何でしょうか?

最初はIT領域で、今の「レバテック」を立ち上げました。

 

創業事業としてIT領域を選んだ理由は大きく2つあり、先ほど話した「お金と仕事に関する問題解決をミッションとしたい」ということと「自分が価値貢献できる分野で始めたかった」からです。

 

「自分が価値貢献できる分野で始めたい」というのは、お客さんは価値に対してお金を払うので、自分が価値を発揮できる分野でないとうまく軌道に乗せることができないと考えました。自分の当時の強みは、IT分野の知見とインターンなどで培った営業力です。この強みを活かしながら、自分が創りたい世界を実現していく。そうするには、「IT×人材」はまさに理想的といえる領域でした。

 

もともとHR業界に興味があったわけではないのですが、学生時代に利用した派遣会社に影響を受けました。その派遣会社は、学生派遣を中心に事業を展開していたのですが、当時の学生目線からみて、キャリアに良い影響を与えてくれるかつ高時給の仕事を紹介してくれるという働き手にとってまさに優良派遣会社でした。この事業はまさに、お客さん、会社、就業者、すべての人が幸せになる事業を展開していて、大きな衝撃を覚えました。これが、HR業界で起業をすることになったきっかけの1つでした。

仕事をするうえで大切なのは利他性

ありがとうございます。創業時から壮大な希望を持っていた岩槻さんですが、現在までの心境の変化はありましたか?

より利他的な考えになってきているように感じますね。もちろん創業期から社会に役立つ大きな事業を運営し多くの人の役に立ちたいと考えていました。しかし、過去を振り返ると「来月の家賃分の利益を出せるのかな?」というような状況下では、利他の割合より利己の割合のほうが高かったように思います。

 

昔に受講した自己啓発のセミナーで、自分の願望を何時間も大きな紙に書いていくようなものがありました。そのなかで、多くの人は利己に近い願望から、利他に近い願望に質的な変化が見られるというような内容のワークもありました。そこで気づいたことなのですが、自分も色々な欲求が満たされたが故により利他的な願望を持つようになったのかなと。人間性が成長したとでもいうのかと思っています。

 

今後は、より良いサービスをつくって世界中でビジネスをすると同時に、日本を良い国にしていき、日本を誇れる国に民間からしていきたいなと考えています。

ビジネスパーソンとして大切にしていることを教えてください。

どんな仕事をするときも「利他性」を大切にしています。

 

仕事は善意でするもので、「誰かに貢献すること」がとても重要です。顧客に貢献して、その貢献度合いに応じて対価を受け取ることができる。どんな仕事も、顧客がいてくれるからこそ成り立つものなんです。

 

だからこそ、顧客への価値の源泉につながる「利他性」がビジネスにおいてもすごく重要になってきます。もちろん「利己」のみを追い求めることがいけないというわけではなく、win-winになる関係を追求することがとても重要だと思っています。

人が喜ぶ事業を創り続けたい

今後の目標を教えてください

人々が喜んでくれて、ビジネスとして成立するなら分野は問わないのですが、高度経済成長のころのような活気ある日本を取り戻すために、全力を尽くしていきたいですね。

 

日本が今、危機的状況だということは国民一人ひとりが理解していると思います。そのような状況のなか手をこまねいて見ているのではなく、主体的に社会課題を解決しなければいけないと考えています。

 

具体的にいうと、まず日本において生産年齢人口の増加と労働生産性を上げるためにIT、DX化を推進していきます。このあたりは、自分に課せられたミッションだと思い、なんとしても成し遂げたいと思います。

 

そして、日本がもう一度輝きを取り戻すために、レバレジーズを通じていろいろ仕掛けていきたいです。そのために、会社のタグラインも「次代を、創る。」というものにしました。

 

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