新卒社員900人の配属、どう決めた?データドリブンな最適配置の裏側に迫る。
カルチャー
「配属ガチャ」という言葉があるように、新卒での会社選びは、配属先が見えないことへの不安と切り離せません。とはいえ、社会に出る前から自分の適性や数十年先のキャリアを見通すことも容易ではありません。だからこそレバレジーズは選考中から「対話」を重視し、さらにデータから見える活躍可能性を掛け合わせて初期配属を設計しています。会社がキャリアを決めるのではなく、将来自分で選べる状態をつくるために。新卒採用部のアオキと人事戦略部のミナトモトに、その仕組みを聞きました。(ライター:スズキ)
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アオキ
新卒採用部 部長/レバウェル 本部長2016年新卒入社。医療・ヘルスケア領域にて大規模組織のマネジメントを経験した後に、複数ブランドの新規事業開発を担当し、本部長に就任。現在はレバレジーズグループの新卒採用部の部長も兼任。
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ミナトモト
人事戦略部 部長2019年新卒入社。京都大学大学院卒。IT領域での営業・マネジメント・新規チーム立ち上げを経て、2023年に上海に海外赴任し、支社長として事業をけん引。帰国後、人事戦略部にて採用・配置・評価制度などの人事企画全般を担当し、2026年より同部門の部長に就任。
変化の時代に求められるキャリア形成
これからの時代に必要とされるキャリアとはどんなものでしょうか?
ミナトモト
これからのキャリアにおいては、「何の専門家になるか」だけでなく「変化する環境の中でどれだけ価値を生み出し続けられるか」という視点が重要になります。
30年前であれば、会計やサプライチェーンの専門家として、一つの専門性でキャリアを築けた時代だったと思います。しかし社会の変化は速くなり、AIの進化も加わって、求められる専門性そのものが移り変わり続けています。そんな中で逆に価値を持つのは、「正解のない状況で自ら意思決定して責任を持つ力」など、普遍的なものに移り変わっているのではないでしょうか。
アオキ
キャリア形成について「20代で適性を見極め、30代で適職を磨き、40代で適職で生きていく」という考え方をよく話します。就職活動では「やりたい仕事」を追い求めがちである一方、職業経験のない段階で適性を判断するのは困難です。20代は自分の可能性を決める時期ではなく、自分の得手・不得手や、どのような環境で価値を発揮できるのかを見極める「探索期間」として捉えるべきだと考えています。
そういったキャリアは、どのように積み上げていくべきでしょうか?
ミナトモト
まずは「できること」を増やさないと何も始まりません。結局、「やりたいことを実現できるか」は、その人が持っている知識や経験、周囲からの信頼に大きく左右されます。選り好みせず目の前の仕事で価値を生み出す。その積み重ねが、当初は想像していなかった機会を引き寄せることもあります。
スタンフォード大学によって発表された「計画的偶発性理論」では、個人のキャリアの約8割は予想しない偶然の出来事によって決まると言われています。実際、私も元々上海支社長を務めていた当時は、人事という仕事がキャリアの選択肢にはありませんでした。
アオキ
そうですね。私も入社以来ずっと事業の最前線に立ち、職位が上がって採用や育成に向き合う機会が増えるにつれ、事業部門だけではなく会社全体の問題解決が必要だと気づいたんです。そこで、11年目で新卒採用にもチャレンジすることを決めました。
私自身のキャリアもそうであったように、キャリア選択において重要な「Will・Can・Must」(※1)というフレームワークは、最初に設定したWillに固執しすぎず、経験に応じて変化させながらキャリアを形成していくものだと実感しています。まずは与えられたMust(やるべきこと)に向き合い、Can(できること)を増やしていく。すると自ずと視界が広がり、より純度の高いWillへと昇華できる。そうしたサイクルを回すことで、今は想像もできないようなキャリアの可能性を発見できるんだと思います。
※1:Will(やりたいこと)」「Can(できること)」「Must(やるべきこと/期待されること)」の3つの要素の重なりから、目指すべきキャリアや行動プランを導き出すフレームワーク
その土台となるファーストキャリアでは、何が重要になりますか?
ミナトモト
発射台を高い位置に置いて、最初の成長角度を上げておくことです。ファーストキャリアで頑張ろうと思わなければ、その次も頑張れないことが多い。だからこそ、成長していきたい意志があるのであれば、きちんと負荷のかかる環境を選ぶことが大事だと思います。
アオキ
同感です。初期配属先では、キャリアの土台となる仕事のOSをインストールしてほしいと思っています。最初の環境でどれだけ高い基準で仕事に向き合い、成果を追求できるか。その経験によって培われたOSが、その後のキャリアの選択肢を大きく広げていくからです。
ただし、闇雲にやればいいわけではありません。重要なのは、「To Do(何をやるか)」に追われる前に、「To Be(どうありたいか)」という目的意識を持つことです。ここが曖昧なまま目の前の仕事に追われてしまうと、手段が目的化し、自分の可能性を狭めてしまいかねません。
とはいえ、「To Be」をキャリアが始まる前に学生一人で明確にするのは非常に難しいこともわかります。だからこそ、そこに新卒採用部が伴走し、共に考えていきたいと思っています。

面談は10回以上?キャリアプランを一緒に描く選考の裏側
学生と向き合うにあたり、選考プロセスではどのような点を大切にしているのでしょうか?
アオキ
レバレジーズの新卒採用部では、一人ひとりの学生との「対話」に多くの時間をかけています。面談回数は学生によって異なりますが、多い人では10回以上。それを可能にするために、学生と向き合う採用担当を約100名規模の組織にしています。
背景にあるのが、「出会ったすべての人生を前向きに」という考え方です。レバレジーズは日本企業の中でもトップクラスのエントリー数を誇っています。一方で、それは「多くの学生に不合格を伝える会社」でもある。選考の結果だけを返すのではなく、レバレジーズとの出会いを通じて、学生自身が自分のありたい姿やキャリアの可能性について考えられるきっかけをつくりたい。採用は、会社が学生を選別するためだけの場ではありません。
対話ではどんな話をしているのでしょうか?
アオキ
大きく二つの切り口があります。一つが、学生一人ひとりの価値観を捉えることです。その人が人生において何を大切にし、どんな理想を持っているのか。これを理解しないままでは、内定を出すことも配属先を決めることもできません。これまでの経験を一緒に追体験しながら、過去にどのようなアビリティを発揮してきたか、何が行動の原動力になるのか(他者への貢献を大切にしたいのか、自己成長を追い求めたいのか等)といった点を丁寧に探っていきます。
もう一つは、長期的なキャリアの「地図」を描くこと。その人が人生において何を目指し、そこに向かうためにどんな能力を身につけるべきなのか。目の前の仕事に意味づけしながら努力していくためには、その前に地図を描いておくことも、同じくらい大事だと考えています。
もちろん、まだ選考段階で明確な方向性を定めることは難しく、就活中に価値観が変わることも珍しくありません。一度聞いたことを正解とせず、何度も捉え直しながら輪郭を描き出していく。主役はあくまで学生で、私たちは伴走者です。
配属先部署の希望ヒアリングも選考フローの中に組み込まれているのでしょうか?

アオキ
内定式後の事業部説明会にて希望をヒアリングしています。事業部説明会で各事業部の事業内容や仕事内容を知ってもらい、それまでの人事との対話によって輪郭がはっきりした理想像を実現するための希望を出してもらう設計になっています。
実際、「なんとなく」という理由で配属部署を希望する内定者はほとんどいません。
活躍可能性を最大化するデータドリブンな配属
その上で、どのように配属先を決めているのでしょうか?

ミナトモト
選考や事業部説明会などを通して出てきた本人の希望も加味しながら、データを活用したマッチングを行っています。企画・セールス職の配属では、「配属部署」と「上司との組み合わせ」の二段階で考えています。
一段階目の配属部署は、選考中に得た情報と適性検査をもとに内定者を複数のタイプに分類したうえで、既存社員のデータと照合し、活躍可能性を算出しています。部署ごとに担うべき役割が異なるため、この段階で職種についてもあわせて適性を検討しています。
「本人が希望したから、その部署に配属する」というだけでは、本当の意味で学生や社員に向き合ってキャリア形成を支援しているとは言えないと思うんです。本人が何を望んでいるのかを理解したうえで、「その人が最もWillに近づける場所はどこなのか」まで会社側が考える必要があります。
二段階目の上司との組み合わせについても教えてください。
ミナトモト
配属先を考えるうえで、「どこで働くか」と同じくらい「誰と働くか」が重要だと私たちは考えています。初期配属の重要性について先ほど述べましたが、一番最初の上司についても同じことが言えるでしょう。
こちらも選考中に得た情報や適性検査の結果などを活用し、部下の強みが最大限活きるような組み合わせになるよう検討しています。例えばルールやマニュアルを重視するタイプの上司に、とにかく実践してみる部下がついた場合、部下は思うような能力を発揮できない。そういった衝突は避け、より成功体験が積みやすいようなマッチングを実現しています。
もちろんデータはあくまで一つの判断材料です。最終的には人の目で判断し、本人の志向性と齟齬がないか精査しています。
配属後のキャリア形成についてはどのような支援がありますか?
ミナトモト
上司・部署からの支援はもちろんですが、キャリア開発チームに相談しながら自身のキャリアを考える「キャリア面談」や、社員が自ら希望する部署・ポジションに挑戦できる社内公募制度「レバチャレ」など、幅広い機会を設けています。
私たちが目指すのは、初期配属でキャリアを縛ることではありません。経験を重ねる中で、その時々の自分に合った道を選択していける状態を育むことです。キャリア形成の責任を本人だけに負わせるのではなく、「私たちが社員のキャリアの半分を背負う」という覚悟で向き合っています。正解のないキャリア形成を一緒に考えていくことこそ、会社としての責務だと考えています。
実際にこれらの制度を活用し、セールス職から広報職へキャリアチェンジをしている社員や、同じセールス職でも新規事業立ち上げにフィールドを変えて挑戦している社員がいます。
なぜそこまでキャリア形成の支援にこだわるのでしょうか?
ミナトモト
レバレジーズの代表である岩槻が「全員が活躍できる環境づくり」を目指していることが根底にあります。どこに誰を配置するかは経営判断そのものですし、個の成長はすなわち事業の成長です。実は、新卒の配属案は代表自身も全員分を確認しています。
社員が成長し、どんどん責任のあるポジションを担える人材が増えることで、社会に貢献できる事業範囲が広がる。事業が成長すればポジションが増え、そこに優秀な人を抜擢することができる。この連鎖が大きな成長エンジンとなるのです。

さいごに
読者の方へのメッセージをお願いします!
アオキ
「好きなことを仕事にして生きる」ということの、表面的な部分だけが広まっているように思います。SNSを通じて他者の華やかな部分が見えやすくなっていますが、発信されている10%のハイライトの裏には、見えていない90%の試行錯誤があります。目の前の仕事に本気で向き合い続ける。その積み重ねの先にしか、自分の適性は見えてきません。
また、学生の方の中には「Willを固めないといけない」と焦る方もいらっしゃると思いますが、Willをブラッシュアップする上では対話も重要なので、私たちにその不安ごとぶつけて欲しいと思っています。一人では気づけなかった自分の強みやありたい姿を、一緒に模索していきましょう。
ミナトモト
必ずしも最初から完璧なキャリアを描く必要はありません。まずは求められる役割に全力で答え、責任を持ってやり切る。その積み重ねが気づいた時には、やりたいことを実現できる実力につながってくるでしょう。
レバレジーズには、自分の可能性を最大限引き上げるための挑戦機会と支援制度が整っています。ぜひ、私たちと共にキャリアのスタートをきりましょう!