グローバル規模で社会課題解決を目指す。アメリカ進出の舞台裏に迫る

新卒中途事業部長

事業 / サービス

【Summary】
■レバレジーズは、少子高齢化による日本の労働力不足という社会課題の解決を起点に、2011年のベトナム支社設立以降、グローバル展開を推進。2024年、M&Aによりアメリカ市場に本格参入をおこなった。
■アメリカ支社では、アメリカ現地の日系企業様に向けた人材紹介事業「仕事探し.com」と日本人海外留学生の就職支援事業「帰国GO.com」を展開。市場・文化の異なる米国で、日本の緻密なマッチングノウハウを武器に、競争優位性を築く戦略だ。
■今後は、IT・医療など専門人材領域への進出、更には新規事業創出と、積極的な投資活動で、グローバル規模での社会課題解決を目指す。

Contents
Profile
  • 佐々木(Sasaki)
    Leverages U.S. Inc. 代表取締役 / President

    学生時代にWebメディア事業を立ち上げ起業し、卒業時に事業売却。2013年に新卒入社後、マーケティング部に配属され、介護事業マーケティング責任者、HRマーケティング事業部長、M&Aコンサルティング事業部の企画/立ち上げ、海外メディア事業部長を歴任。その後、経営企画室長として新規事業開発、M&A、経営管理を統括。現在はLeverages U.S. Inc.代表取締役として北米への事業展開を推進。 プライベートでは、バンド活動でアルバムを全国リリースし、海外ツアーをおこなうなど積極的に活動中。趣味は、5歳の息子、3歳の娘と遊ぶこと。

レバレジーズのグローバル戦略

まず、レバレジーズのグローバル展開についてお聞かせください。これまでどのような取り組みをされてきたのでしょうか?

レバレジーズのグローバル展開は、創業当初から視野に入れていて、2011年の時点で、すでに具体的なグローバル展開について言及されていました。

 

当時から、岩槻社長は「レバレジーズは、社会の大きな課題を解決する。当面は日本の少子高齢化による労働不足に対するソリューションを提供することで価値を発揮する。そして、将来的に同様の問題が海外各地で起こったときに、日本で構築したビジネスモデルを海外に展開することで、グローバルレベルでより大きな社会課題の解決をしていくことができる」と語っていました。

 

レバレジーズが初めて具体的な海外展開に乗り出したのは、2011年のベトナム支社設立です。当時は、オフショア開発が日本のIT市場で大きな注目を集めていた時期でした。ベトナムには優秀なITエンジニアが多く、日本のプロダクトをベトナムのチームで開発することで、コストを抑えられるというメリットがありました。その後、ベトナム支社は日本語教育などを中心としたビジネスモデルに転換し、またメキシコ、シンガポール、インド、香港、など、続々と海外拠点の設立を進めていきました。

その後の展開はいかがでしたか?

2017年に海外事業本部長の長谷さんが中心となり、海外事業部が正式に発足。そこで改めて戦略を立て直し、「グローバルレベルでの人材の流動性を活発にする」ことを掲げ、活動が始まりました。そのなかでも重点を置いたのは、私たちが創業当初から取り組んできた「日本の少子高齢化による労働力不足」という課題の解決でした。外部から労働力を獲得する、つまり外国人労働者の受け入れを促進するという事業を展開しました。当時、日本としても外国人の受け入れ人数を増やせるよう法律を改正しており、新しい在留資格を制定。この領域にはビジネスとしても貢献価値としても大きなチャンスがありました。

 

たとえば、外国人の採用や定着を支援する「Leverages Global Support」や、日本への就職を志す外国人のための情報プラットフォーム「WeXpats」など、複数の事業が同時に立ち上がりました。

 

ただ、2020年に新型コロナウイルスの影響で市場に大きな変化があり、いくつかの支社では事業を停止したり、成長が鈍化しました。そして2022年になり、再び拡大路線へと舵を切り始めたという状況です。

アメリカ進出。その理由とは

そんななかで、アメリカ進出を決断されたわけですね。なぜアメリカだったのでしょうか

アメリカを選んだ理由は主に2つあります。

 

1つ目は市場規模です。たとえば、ITエンジニアの人材市場を見てみるとわかりやすいと思います。日本のITエンジニアは約144万人で、平均年収が500~600万円程度です。一方、アメリカには約445万人のITエンジニアがいて、平均年収は日本の約2倍。単純計算すると人材領域としての市場規模は日本の約6倍になります。

 

医療領域も同様のことが言えますし、弊社の得意とする専門領域の人口がそもそもアメリカでは多く、専門性が認められていて給与も高いんですよね。つまり、弊社の既存事業との親和性が高く、かつ市場規模が大きいのがアメリカの魅力です。その分競合性ももちろん高いのですが、レバレジーズグループとして売上1兆円を目指す上で、攻めやすい小さな市場よりも、大きな市場にチャレンジしていく必要があります。

 

2つ目の理由は、アメリカでの経験が他の国々への展開にも活かせる点です。今後、レバレジーズとしては、既存のアセットを極力活かし、社会課題の解決範囲をグローバルに広げていくことで断続的成長を目指す方針です。そのためには当然、国を跨いだ経営管理が求められます。アメリカは合衆国ですから、州ごとに法律が異なります。つまり、アメリカ1国でビジネスをマネジメントすることは、複数の国々を管理するのと同じような経験が得られるのです。加えて人材の多様性も非常に高い。まずアメリカでの事業を成功させることで、他国での事業展開での成功確率を大きく向上することができると考えています。

アメリカ進出にあたって、M&A(合併・買収)という手法を選択されましたが、その理由は何でしょうか?

アメリカでビジネスを展開するには、当然ですが現地のリソースやノウハウが不可欠となってきます。また、アメリカではビザ取得に対して他国に比べても相対的に高い制約があり、本社社員を自由に派遣することはできません。

 

そのような状況のなかであれば、すでに事業を展開している企業をM&Aし、そこに本社のリソースを投入し、シナジーを創出していく方が合理的なケースが多々あるかと思います。

 

とはいえ、M&Aをするなら、両者のビジョンが一致しており、文化統合をできるような会社でなければなりません。今回においては、「Global Career Partners, Inc」という運命を共にできる会社と偶然巡り会えたことが、M&Aでアメリカに参入した一番の理由ですね。

グローバル企業への第一歩

現在のアメリカ支社の事業内容について教えてください。

現在、主に2つの事業を展開しています。1つは、アメリカ現地の日系企業様に向けた人材紹介事業「仕事探し.com」で、もう1つは日本人海外留学生の就職支援事業「帰国GO.com」です。

 

仕事探し.com」は、主に支社のある北西部(シアトル、ポートランドなど)に強みを持ちますが、すでに全米に向けて事業展開をしており、主要都市への拠点展開も同時に推進しています。日英バイリンガルの現地在住日本人からアメリカ現地の方まで、幅広く採用を支援しています。アメリカ日系マーケットは、求職者も企業もある程度の母集団が存在しながらも、広い国土のなかでの局所的な需要をマッチングすることが難しく、課題も多い領域です。弊社としては、一定規模のマーケティング活動やHRプロダクト開発に投資をすることで、弊社ならではの競争優位性を獲得し、市場の課題を解決をしていく予定です。また今後は米系企業にもマーケットを拡大し、規模を獲得していきます。

 

帰国GO.com」は、正規留学生や交換留学生など、単純に学力が優秀なだけでなく、海外に挑戦するバイタリティのある留学生の方々が非常に多く登録しています。また、一方で紹介先の企業様も、大手グローバル企業様から、まさにこれから海外展開を志す企業様、優秀な人材を採用したいベンチャー企業様まで、幅広くご契約いただいています。当該市場において、大規模な就職イベントは複数ありますが、イベントのみで就職活動が完結するケースは少なく、個別サポートを必要としている学生や企業様が多い状況です。特殊な就活市場において、企業と学生、双方の課題を解決できる事業だと認識しています。今後は、こちらもマーケティングへの投資により、より多くの顧客に価値を提供する予定です。加えて、既に日本で展開しているキャリアチケット事業の連携を強化していき、より多くの留学生、企業様の支援ができる体制を構築していく予定です。

アメリカでの事業展開において、どのような課題を感じていますか?

まずは、日本と大きく異なる市場に会社として適合していくことですかね。

 

たとえば、アメリカでは転職活動をする際、一人で100通、200通ものレジュメを送ることもよくあります。そのため、企業側は大量の応募者のなかから適切な人材を見つけ出すのに苦労しています。

 

このような状況下では、単に「人材を紹介します」というアプローチでは差別化が難しいので、人材の紹介だけに留まらず、採用プロセス全体をサポートする付加価値の高いサービスが求められているのです。

 

また、アメリカの労働文化にも適応する必要があります。当然、仕事に対する価値観も大きく異なるため、そのような文化の違いを理解し、それに合わせた組織構築をおこなうことが重要だと感じています。

 

抽象度を上げると、事業拡大のためには、常に事業のボトルネックを解消していく必要があります。アメリカの市場は、レバレジーズとしての既存事業のノウハウが通じない部分もあるため、ボトルネックの特定と解消をいかにスピーディにおこなうことができるかが今後の拡大への鍵になります。

さらなる飛躍を目指す

今後のアメリカ支社の展望についてお聞かせください。短期的、中長期的にどのような目標を掲げていますか?

まず現在展開している事業を、市場において競争優位性のあるサービスに成長させることに注力します。知らない土地で知らないビジネスモデルでは成功確率が低いですが、まずは知らない土地で、馴染あるビジネスモデルで、しっかりと成果を出すことで、組織としてアメリカでの事業展開、経営に順応していきます。

 

中期的には、ITや医療など、レバレジーズが日本で培った専門領域に特化したHR領域のノウハウを活かせる分野への進出を検討しています。これまでさまざまな調査をしましたが、レバレジーズが日本でおこなっている専門職人材のマッチング精度は世界のなかでも競争優位性を獲得できる水準にあると感じています。さきほどもお話した通り市場規模が大きいアメリカ市場で、弊社の強みを活かせれば、一定規模以上のシェアを獲得できる可能性があります。

 

長期的には、完全に新規事業領域への展開です。これまでも、レバレジーズでは得意とするHR領域以外への参入は多くしてきましたが、特に海外では保留となっている事業案も多くあります。今、レバレジーズの規模が拡大し投資可能金額も上がり、また、アメリカ現地で最先端の情報を取得することができるようになれば、参入意思決定のできなかった領域にも果敢に攻めることができると考えています。近い将来は、アメリカ支社にレバレジーズグループとしての投資活動やR&Dとしての役割を持たせ、現地の有望なスタートアップへの投資をおこないながら新たなマーケットを創出していきたいと考えています。

最後に、アメリカ支社の今後の展望について一言お願いします。

レバレジーズとしてのアメリカ進出は、まだ始まったばかりです。しかし、日本で培ってきた強みとM&Aで得た現地のノウハウを組み合わせ、さらに現地の仲間と協力していくことで、本社を超えるような大きな成長の可能性を秘めています。

 

アメリカという挑戦的な土地、環境で、レバレジーズならではの価値を提供し、日米両国の発展に貢献していく。そのためには、志を同じくする仲間がもっと必要です。挑戦を恐れず、グローバルな視点で事業創造に取り組みたい方、ぜひLeverages U.S. Inc.にご応募ください。共に、新しい歴史をつくっていきましょう。

ありがとうございました。

 

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